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元気印中小企業


「技術営業」で日本の農業に貢献 [大信産業]

元気のひみつ
  • 技術を付加価値とした営業展開
  • コンサルや分析も無料で提供
  • 1年限りではない長期的な視野

 大信産業は農薬や肥料・土壌改良剤の卸販売の大手。中・四国、関西エリアにおける最大手だ。1919年(大正8年)の創業時は医薬品を販売していたが、化学農薬が輸入され始めた昭和初期から次第に農薬にシフト。現在の業態になった。田中康貴社長は社業だけでなく全国農薬協同組合の理事や全国農薬安全指導者協議会の会長をつとめ、日本の農業の発展に貢献し続けてきた。ちなみに同社の社名の由来は「大きな信用」で、これが全社的なポリシーにもなっている。

講習会などを頻繁に

 大信産業の最大の特徴は、一貫して「技術営業」を指向してきたことにある。単に農薬や肥料を販売するだけでなく、技術を中心に営業展開してきた。いわばソリューション型の企業であり「農薬の卸は全国に200社ほどあるが、当社のような業態は意外と少ない」(田中社長)という。農薬は種類が多く「次々に新製品が発売され、新しい知識は生産者もあまり知らない」ため、同社は技術という付加価値をつけることで地盤を築いた。
 そこで社内の研修はもとより、生産者や農業協同組合担当者、ゴルフ場の担当者を対象にした説明会や講習会を年間100回以上も実施している。1985年から発行している技術情報誌は100号を超えた。情報提供だけではない。農家から圃場(ほじょう)を借り受け、新製品が地域に適合するか、従来製品と比べて優位性はあるのかといった検証まで行っている。講習会の延長でコンサルティングを依頼されることも多いが、これらはすべて無償。肥料販売前の土壌分析サービスも無償で行っている。
 化学農薬だけでなく、生物農薬との組み合わせを提案できるのも強み。生物農薬とは天敵昆虫や自然界の菌を利用して病害虫を防除する環境にやさしい防除法だ。害虫に抵抗性がつく心配もない。この提案には化学農薬だけでなく広範な知識が必要で、これも同社の大きな強みになっている。

多数の有資格者

 社内に多くの有資格者を擁しているのも特徴の一つ。まず新入社員は全員、毒物劇物取扱者と危険物取扱者の資格を取得する。このほか農薬安全コンサルタントや農業改良普及員、造園施工管理技士など多くの社員が何らかの資格を有している。変わったところでは「樹木医」資格取得者も一人いる。文字通り樹木の医者で、樹木の診断や治療を行う。本社の地元である広島県内にもごく少数しかいない。有名な古木の治療などに携わっているほか、尾道市の天然記念物に指定されていた「エノキ」が実は「ムクノキ」だったことも同社の樹木医が偶然発見した。
 また「JGAP指導員」を6人抱えている。JGAPはまだあまりなじみがないが、食の安全や環境保全に取り組む農場を対象とした認証制度のこと。農業の国際標準化機構(ISO)制度のようなものだ。第三者機関が審査したうえで認証される。まだ県内では1カ所のみだが「日本でも必ず必要になる。これを取得することで次世代の農家像が見えてくるのでは」と期待している。
 2012年3月には日本政策金融公庫広島支店と業務協力の覚書を結んだ。公庫が貸し付けている農業法人が技術不足により、良い農作物の栽培ができないことがアンケートで判明している。この提携はこうした農業法人へのアドバイスが日本公庫から依頼されている。

「無理をして規模を追うな」

 大信産業の事業規模は約60億円。これにグループ4社を加えると90億円規模になる。100億円超えが射程に入っているが、田中社長は社内に対して「無理をして規模を追うな」と戒めている。無意味な価格競争に巻き込まれるのを避けるためだ。「売り上げは緩やかに拡大すれば良い。利益を重視して筋肉質の会社にしたい」と願っている。過去は経営計画を策定していたが、現在はあえて作っていない。「1年限りの仕事ではない」と長期的な視野で将来像を描いている。
 農業は人間の命を支える産業であるとともに、世界的に成長が期待できる産業。田中社長によると「2050年までに世界の人口は30%ほど増えるが、農作物は70%増産しなければならない」という。
 食料だけでなく畜産向けの飼料も必要だし、トウモロコシやさとうきびを原料にしたバイオエタノールの普及も予想される。半面、日本の農業は担い手の減少や高齢化、構造改革の遅れで危機にひんしている。地元・広島県は農業従事者の平均年齢が日本一高く、耕作放棄地の面積も全国トップクラス。それだけに同社のような技術を売る商社が必要とされている。


樹木医の活動

樹木医の活動


Onepoint

ソリューションに磨きを

 日本の食料自給率はカロリーベースで40%程度。そして食を支える農業も担い手の高齢化や後継者不足など明るい話題はまったくない。とはいえ農業も大規模化し、徐々に構造が変化しつつある。
 そうした中では、農家の問題解決まで踏み込む大信産業のような存在が今以上に必要になってくるだろう。TPP(環太平洋連携協定)への参加など、農業を取り巻く状況は激しく変化することが予想される。これまでと同様に、状況が変わってもソリューションを提供していくことが、同社の成長の担保になる。

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企業データ

田中康貴社長

田中康貴社長

会社名 大信産業(株)
代表者 田中康貴社長
業種 農業用薬品、肥料、農業用資材などの販売業
所在地 広島県尾道市山波町128-1
電話 0848-46-0714

掲載日:2013年3月29日

バイオ広島県

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