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元気印中小企業


鮮度と安全が武器、カット野菜洗浄機のトップメーカー [細田工業]

元気のひみつ
  • 景気の影響を受けにくい事業分野
  • 競争力のある装置にラインナップを絞る
  • ユーザーニーズを上回る提案

 細田工業はゆで麺機、モヤシ根切り機、冷凍ブロック解凍機などの食品加工機械の設計・開発、製造を手がける。コンビニエンスストア、総菜メーカー、外食チェーンの加工工場向けのカット野菜洗浄機は国内シェアが50%を超すという。2012年6月期の売上高は前年比14%増の14億7000万円、経常利益率6.9%。13年度の増収増益もほぼ達成したという好調ぶりだ。
 食品加工機械の中でも細田工業が得意とするのはボイル、冷却、解凍、洗浄、殺菌、異物除去といった食品の「鮮度保持」と「安全性の確保」に関わる分野だ。細田工業はこの分野で20年以上にわたって売り上げを伸ばしている。その理由を細田社長は「食品の需要は景気の影響を受けにくく、その鮮度や安全の確保について食品メーカーはけっして妥協できないため」と説明する。

「水を操る」技術に優れる

 細田工業は1946年(昭和21年)に大阪市阿倍野区で創業した。当初は製パン窯や麺類のゆで釜の製造を手がけ、89年頃から麺類以外の加工機械の製造を始めた。さまざまな機械をつくり、「失敗も山ほどあった」と細田社長は振り返る。しかし、2000年頃から競争力のある装置に絞り、安定した利益を出すようになる。現在はゆで麺製造ラインとカット野菜洗浄機が売り上げの約半分を占め、モヤシ洗浄ライン、冷凍ブロック解凍ラインなども主力となっている。
 多くの機械に共通するのは「水を操る」技術だ。たとえばレタスなどの葉物野菜の洗浄は水槽内で渦のような水流をつくり野菜を流すように洗浄することで野菜を傷めずに鮮度を保つ。
 肉やエビなどの冷凍ブロックは、らせん状の水流をつくり冷凍ブロックを水中で動かしながら解凍する。「食材から水分や栄養分がドリップとして失われたり、逆に水分を吸いすぎたりすることがほとんど無い」(細田社長)のだという。混入異物も水流で撹拌(かくはん)、分離し、水があふれ出るのを利用して排出する。「バッチ式解凍ラインで3時間かかるところ30分程度で連続処理できる」(同)と加工効率にもメリットがある。
 歩留まりの良さも細田工業の機械の特徴だ。麺の投入、ボイル、冷却、計量を一貫できるゆで麺製造ラインは、麺をまとめてゆでた後に計量する方式で一玉ごとの計量精度を高めて無駄を減らした。モヤシの根切り装置では独自の根切り機構と殻などを取り除いた良品のモヤシが機械外にこぼれにくい構造を採用し、根切り確率90%以上、歩留まり率98%以上を実現している。

ユーザーニーズを上回る提案を

 細田社長は自社製品について「値段が高いので競合には弱い」と苦笑しつつも、「長時間、大量に加工するなら歩留まりの良さで機械のコストはすぐに元が取れる」と自信をみせる。大手の食品メーカーとの共同研究から生まれた機械も多数あり、共同特許を取得している場合もある。ユーザーニーズを吸い上げる絶好の機会である共同開発は常に数件を抱えている。
 また、ユーザーニーズに答えるためにとくに重要視しているのがソフト面の開発。たとえば野菜洗浄機の設計では、野菜のシャキッとする食感が維持できる洗浄方法や、菌の増殖を抑制する方法などを本社内にある食質ソフト開発グループが研究する。菌の増殖状況を調べるための培養室も各工場に設置している。こうした加工品質を高めるためのプロセスを自前で開発し、機械と一体にして提供することで「顧客の要望を上回る提案をする」(同)のが強みだ。

社内競争の「無駄も大事」

 人材育成はオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)を基本とし、本社工場と松原工場(大阪府松原市)にはそれぞれ開発チームを置いている。一つの機械を開発する場合に各チームに設計させてアイデアを競わせることもある。細田社長は「無駄も大事」との考えで、あえて工場を統合せず互いに競争意識を持たせて技術を磨かせ、優れた製品を生み出す原動力としている。
 2012年12月には八尾市内にモヤシ洗浄ライン生産のための新工場を完成した。12年前半から受注が好調で工場はフル稼働状態にあり、生産能力の増強が喫緊の課題だった。生産体制も強化でき、13年6月期はすでに増収増益の見通しが立っている。コスト削減、省力化、安全確保という市場ニーズをがっちりつかむ細田社長。「食品メーカーは他社との競争に勝つために当社の機械が必要になる」と胸を張る。


らせん上の水流で冷凍ブロックを解凍する「流廻」

らせん上の水流で冷凍ブロックを
解凍する「流廻」


Onepoint

海外市場に成長のチャンス

 細田工業はウォン安対策のため、2009年に韓国・ソウル市の駐在委員事務所を支店に格上げし、現地通貨で取引できる体制を整えた。日本と食文化が近い韓国では、野菜洗浄機やゆで麺製造ラインの受注が増えているという。モヤシ洗浄ラインも韓国での引き合いに応じて開発したのがきっかけだ。
 同社の機械はほかにも台湾、米国、中国、イランなどで利用されている。ほとんどが商社経由の販売だが、中古品として輸出されて使われている場合もあるという。現在の売上高に占める海外比率は約15%。海外向けはアジア市場を中心にさらに成長するチャンスがある。

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企業データ

細田信昭社長

細田信昭社長

会社名 細田工業(株)
代表者 細田信昭社長
業種 食品加工機械製造業
所在地 大阪府八尾市太子堂2-2-38
電話 072-994-1684

掲載日:2013年3月25日

大阪府製造業

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