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元気印中小企業


DIPスイッチを核に“製造サービス業”へ [オータックス]

元気のひみつ
  • DIPスイッチで培った技術力やコスト競争力
  • アジア4カ国に広がるグローバル経営
  • 設計段階から関与できる技術領域の広さと提案力

 プリント基板に付けて電気信号を制御するDIP(デュアル・インライン・パッケージ)スイッチを中核とする電子部品メーカー。月産1300万個の生産能力を誇るDIPスイッチのほか、端子台製造やアルミニウム加工などを社内に取り込んだ一貫生産にこだわる。近年は部品の受注生産だけでなく、エネルギーやヘルスケア、セキュリティー分野で顧客製品の機構設計から手がけるメーカーへ脱皮を遂げようとしている。

世界最大の生産能力

 「何と言っても当社の柱」と富田周敬社長が力を込めるのが、DIPスイッチの開発、製造、販売。生産能力は主力の中国のほか日本と韓国、マレーシアの4拠点合計で月産1300万個。世界最大の生産能力をうたう。コスト競争力に加え、近年は自然災害やカントリーリスクに対するリスク分散によって安定供給できるとの信頼感が顧客に生まれているようだ。1995年に中国に進出して以来、中国での事業展開が注目されがちなオータックスだが、2012年の日中関係悪化と中国での平均賃金上昇により「顧客が『チャイナプラスワン』を求めている」(富田社長)動きにも応じる必要があるからだ。
 “DIPスイッチのオータックス”を知らしめるきっかけとなったのが、自社開発により1990年に世界で初めて発売したハーフピッチのDIPスイッチ。2.54ミリメートルの端子間幅(ピッチ)が当たり前だった当時、半分の1.27ミリメートルを達成した。電気製品の軽薄短小化や高機能化は、当時から求められており、現在も続く電子部品に対するニーズをとらえた新製品だった。現在も「オータックスならできるはず」という顧客の声に応える形で特注品も多い。抵抗素子やダイオード素子を組み込んだ複合品など、現在は約1000種類の製品を抱える。
 ただし、オータックスはDIPスイッチだけのメーカーではない。「外注を使わず、あらゆる技術を社内に導入した一貫生産」(同)が真の強みだ。1995年に中国・深センにDIPスイッチの生産拠点を開設したのを皮切りに、96年には日本メーカーから端子台事業を買収。2004年にはアルミニウム加工、11年にはネジ事業を傘下に収め、端子台とネジは中国・無錫で生産する。中国では「(DIPスイッチの製造拠点がある)広東省しかなかった状態から、華東地区まで拠点が広がり、顧客に密着したサービスができるようになった」(同)とする。

顧客の製品設計に食い込むメーカーへ

 DIPスイッチを核に関連領域を取り込んだオータックス。今後力を入れるのが、コスト競争力やデザイン性に優れた設計案を顧客に提案して受注し、最終的には本体の一部として部品の自社生産にもつなげる「DMMS(開発型総合機構製品製造サービス)」活動。顧客の図面に沿ってDIPスイッチや電源スイッチなどの部品だけを生産するメーカーから、工程の上流に進出して付加価値を高める動きだ。
 すでに機構設計や筐体のデザイン、一部組み立てを大手メーカーから任された家庭用リチウムイオン蓄電池が完成。クリーンパワー・テクノロジー(東京都千代田区)が、同社ブランドで販売を始めた。このほかにも大手メーカーから美容家電を任され、顧客ブランドで販売されている。脈拍の波形によって血管の硬さが分かる簡易測定器なども手がける。対象領域をセキュリティー(S)、ヘルスケア(H)、エネルギー/エンターテインメント(E)に着目。オータックス社内では、DMMS活動とセットで「SHE」という合言葉が通る。「ただ単に図面を受け取って部品を作るメーカーではない。顧客に提案できるサービス業、サービスを中心にした製造活動の会社、『製造サービス業』へ向かう」(同)とする。
 富田社長は「最初からボタンを売るのではなく、デザインの良いシャツを売り、ボタンも売る」と例える。DMMS活動はオータックスにとって、DIPスイッチをコア領域とし、端子台やアルミ加工、ネジなどに広がった技術・製品領域を統合する動きであり、抜本的な収益構造改革でもある。「新しいモノづくりに挑む」(同)ステージに入った。


一部組み立てを大手メーカーから任された家庭用リチウムイオン蓄電池

一部組み立てを大手メーカーから任された
家庭用リチウムイオン蓄電池


Onepoint

成長領域取り込めるか

 “DIPスイッチのトップメーカー”の道を突き進んできた。世界初のハーフピッチ製品、ハロゲン使用量を少なくした製品の投入。現在から見れば市場としての重要性は薄かった95年時点での中国進出。だが今や、収益構造の基礎を顧客への設計段階での提案力に置けるまでになりつつある。「SHE」と名付ける領域は、いずれも成長分野。これまでの蓄積と成長領域とのかけ算で継続的な成長軌道に入れるかどうか、全国の中小製造業のモデルとして注目したい。

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企業データ

富田周敬社長

富田周敬社長

会社名 オータックス(株)
代表者 富田周敬社長
業種 電子部品製造業
所在地 神奈川県横浜市港北区新羽町1215
電話 045-543-5620

掲載日:2013年3月21日

神奈川県製造業

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