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元気印中小企業


物質の「第4の状態=プラズマ」で製造現場を変える [魁半導体]

元気のひみつ
  • 製品化のスピードと割安な価格
  • ラインアップの拡充急ぐ
  • 海外展開も本格化

 分子やイオンが電離した状態であるプラズマは固体、液体、気体に続く第4の状態と言われる。物質の表面でさまざまな化学反応を起こすことが知られ、新しい機能や性質をもたらす。このプラズマを発生する装置を軸に、エレクトロニクスや医療・バイオ関連産業などの研究開発、生産現場にイノベーションを起こすのが魁半導体だ。プラズマを利用することで、ぬれ性を向上して密着強度を増し、ガラスとシリコンなどの貼り合わせ作業を効率化したり、めっき作業の前処理に使ってめっき品質を向上するなど、生産現場での新たな工程として導入が期待されている。
 魁半導体は、これまでペン型大気圧プラズマ発生装置「P500-SM」、卓上真空プラズマ発生装置「YHS-R」などを商品化した。小型・簡易操作が特徴で、大学や企業の研究現場かが主なターゲットだった。「会社や製品の認知も広がってきた。これからは量産機種など製品群のラインアップ拡充や、海外への販路開拓などなど積極展開に打って出る」と、田口貢士社長は拡大が見込まれる市場に攻めの姿勢で挑む。

安価な装置で普及の先駆けに

 同社は田口社長が京都工芸繊維大学大学院博士課程に在学中の2002年に起業した。田口社長は大学院入学以前から、半導体関連企業の技術者として同大学院とプラズマを利用した薄膜形成研究に長く携わってきた。当時、プラズマ発生装置は高価で、利用は一部に限られていたのが実情。「プラズマは産業の発展に有用な技術。安価な装置を提供し、プラズマ普及の先駆けとなりたい」との思いを社名に託した。
 「強みは製品化のスピードと割安な価格」と創業の思いをそのまま武器にする。意思決定が早い小回りのきく体制で、製品化にかかる期間は他社が1年なら同社は半年で製品化する。開発を必要な機能に絞ることで操作を容易にし、同時に開発期間と製品価格を圧縮する戦略だ。
 今、顧客の関心を集めているのが、2012年秋に投入した3次元処理装置「YHS-DOS」だ。回転式チャンバー採用で、電子部品基板などが表裏一括でプラズマ処理でき、従来ラインで不可欠なひっくり返す工程が不要になる。チャンバーが回転、投入した試料全体をプラズマ処理し、電子部品のような微細な部品のクリーニングや親水性向上など処理が一度にできる。
 「生産現場の効率化要望にドンぴしゃだった」(田口社長)と胸を張るように、市場投入後、素早く反響があった。「新聞で紹介されたところ、即座に大手電子部品メーカーから受注が決まった。今も引き合いが絶えない」(同)。

粉体処理対応機を投入、本格展開へ

 毎日のように寄せられる問い合わせでは粉体処理の要望が多く、商品化から半年も立たない2013年2月に粉体対応機を追加投入した。「粉体市場は大きくなりそうだ」と以前から確信していたからだ。粉体対応のために0.25度で傾くチャンバーで試料の出し入れがしやすい構造やスロー排気などを採用した。エレクトロニクス産業にとどまらず、新しい材料や加工法の開発を狙う化学や食品産業などがターゲットだ。
 同社は粉体処理分野では、すでに炭素粉末などをプラズマで親水化して溶液に分散できる大気圧粉体プラズマ処理装置「ASS-400」を商品化している。この装置は第24回中小企業優秀新技術・新製品賞を受賞している。従来のように界面活性剤を用いずに炭素を分散させ、純度は低下しない。リチウムイオン電池に用いるグラファイトカーボンの成形に使えば、練り込みに必要なフッ化系樹脂が不要で、導電性劣化もない。粉体処理に関しては「溶液分散のウエット対応にドライ対応が加わり、市場はさらに広くなった」(同)と、持ち前の機動力を発揮した格好だ。
 同じ賞を受賞した大気圧プラズマ発生装置「SKIp-CBL300」は30センチメートル四方の大面積でプラズマを発生する。「大気圧下でプラズマ処理できる面積としては世界最大規模。自動車や有機エレクトロルミネッセンス(EL)など量産工程での採用が見えてきた」と期待をかける。
 同社は今、ビジネススタイルの変革に乗り出している。本社工場のレイアウト変更などで、研究室向けの小口生産に加えて生産現場向けの量産機種などラインアップを拡充。多段式処理槽タイプや中小型ディスプレー向け、プラズマエッチング装置などを矢継ぎ早で投入する計画だ。「3-5年後には売上高で10億円を目指す」(同)と、現在の10倍近い目標をかかげる。技術や製品などものづくりの自信やユーザーの高い評価が勢いにつながっている。


粉体処理用回転式プラズマ処理装置)

粉体処理用回転式プラズマ処理装置)


Onepoint

海外展開元年

 「2013年は海外展開元年」と田口社長は断言する。近畿経済産業局らが2月に台湾に派遣した視察団「日台ものづくりビジネス交流ミッション」に参加し、現地での販売代理店の開拓、公設研究機関との連携など市場化調査に乗り出した。台湾は将来の中国、ベトナムなど新興国開拓の足場とする考えだ。
 製品ラインアップ拡充と海外への市場拡大を成長戦略の2本柱に据える。英語版ホームぺージも開設済みだ。「SAKIGAKE」ブランドの海外普及も近い。

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企業データ

田口貢士社長

田口貢士社長

会社名 (株)魁半導体
代表者 田口貢士社長
業種 精密機械製造販売業
所在地 京都府京都市下京区西七条御前田町50
電話 075-204-9589

掲載日:2013年3月19日

京都府製造業

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