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元気印中小企業


海外化粧品の輸入、検査、配送を一貫体制で地方からアジアを見据える [ブルーム]

元気のひみつ
  • 輸入・検査・分析・出荷までの一貫体制
  • 地域の特性を生かした物流
  • 産業集積化によるシナジーの将来構想

 ブルームは化粧品の検査・分析と、輸入代行を一貫して展開している。取り扱うのは欧米やアジアの200ブランド。強みは化粧品に特化した分析ノウハウと、運輸業者と連携し地元である佐賀県唐津市の港を活用した物流だ。2012年8月には化粧品メーカーにも提携を広げ、開発/製造を自社のネットワークに組み込んだ。県庁所在地でもない地方都市に本社を置きながら、アジアを見据えた動きを活発化している。

顧客は海外有名ブランド

 ブルームの本社は日本三大松原の一つ、虹の松原に面した風光明媚(めいび)な場所にある。
 化粧品の輸入には薬事法上の規制があり、許可を得ていなければメーカーの日本法人でも自社製品を輸入できない。国の登録検査機関の資格を持つブルームが輸入化粧品の成分を検査・分析し、安全性を証明して日本国内に出荷する。輸入代行の依頼客は海外の化粧品やファッションブランドがメーンで、6割が外資企業だ。
 ブルームが一般的な検査機関と異なるのは、約3万平方メートルの敷地で輸入から出荷までの一貫体勢を取っている点。業務は商品の輸入に始まり、通関、検査・分析と進む。その後、成分表示のシールの張り付けや包装をし、顧客の指定先に出荷する。顧客は同社に一貫した輸入業務を任せることが可能だ。
 顧客には有名ブランドが名を連ね、ブルームが化粧品の全量を扱うブランドもある。近年は顧客の顔ぶれに韓国企業が増えたという。
 ハードだけでなく、検査分析のソフト部分にも優位性を持つ。「強みは収集・蓄積した情報だ」と山崎信二社長は胸を張る。化粧品に新たな成分が追加されれば当然、輸入時に検査する必要がある。しかし分析機関が新成分の検査試薬を持たなければ輸入はストップしてしまう。「分析は品質を保証するものだが、そのためには情報が必要」(山崎社長)と力を込める。
 同社は化粧品などの国際的業界団体であるPCPC(旧・米国化粧品工業会)の正会員。新成分の情報はPCPCからリアルタイムで入手できる。国内の加盟社は十数社しかない。すぐに試薬を入手することで非加盟の検査機関に先駆けて検査に対応、顧客のスムーズなビジネスを手助けする。

地方のメリットを最大化

 一見すると不利に思える唐津という立地も同社の大きな強みになっている。人件費や地価が安いだけではない。地方のメリットを最大化する取り組みだ。
 九州西部は古くから大陸との交易が盛ん。アジア最大級のハブ港である韓国・釜山港とも近い。それだけでなく同社は、より規模の大きな博多港から車で約1時間半の距離にありながら、あえて地元の唐津港を使う。理由は船が着いてからのリードタイムにある。扱い貨物量の多い博多港では、荷下ろしに長ければ数日を要することもあるという。その点、船の少ない唐津港なら時間のロスが少なく、自社の業務計画が立てやすい。
 物流部分は松浦通運(佐賀県唐津市)と連携し、社内の保税蔵置場で貨物の積み降ろしや仕分けなど通関の手続きをスムーズにできる仕組みを構築した。

産業集積でフランスを目指す

 12年8月には、新たに唐津に化粧品関連産業を集積するプロジェクト「KARAT's(カラッツ)」を始めた。それまでの松浦通運による連携に、化粧品のOEM(相手先ブランド)メーカーであるトレミー(東京都府中市)を加えた。ブルームに隣接してトレミーの工場が稼働したことで、開発・製造と検査、配送という「三本の矢がそろった」(山崎社長)。
 このプロジェクトは将来を見据えている。唐津だけに収まる姿を描いてはいない。あくまで唐津は拠点であり、佐賀県や九州、アジアを巻き込む構想だ。目指すのはフランスの化粧品関連企業集積地「コスメティックバレー」。シリコンバレーをイメージして90年代から発展し、ロワール地方にまたがる広域に展開する一大化粧品産地だ。
 山崎社長はフランスにならった「6次産業化」を目指す。原料を生産する第1次産業、容器、関連製品を含めて製造する第2次産業、そして成分分析や販売の第3次産業の集積だ。農業が盛んな九州の特性を生かすのが狙い。すでに12年3月に佐賀県玄海町と連携協定を締結し、同町が九州大学と共同研究を進めている漢方薬・カンゾウ(甘草)の販路拡大に向け動きだした。
 フランスにも連携を呼びかけており、唐津が化粧品の分野でアジアの拠点となる可能性もあるという。「日本の主要産業が力をなくしたのは垂直統合型にあった。今後は関連産業が水平統合することで、化粧品産業を日本の力にしたい」と山崎社長は気を吐く。


ブルーム社屋外観

ブルーム社屋外観


Onepoint

地域経済の底上げに期待

 ブルームが目指す化粧品関連産業の集積化は、狭い地域をイメージしていない。広いエリアを一つにまとめるという意味で仮想的な産業集積と言えよう。
 しかし、これは決して概念にとどまるものではない。農業県と呼ばれる佐賀だけでなく、九州各県は農業が盛んだ。原料を生産する土壌があり、副産物の活用の可能性もある。焼き物など地域の伝統工芸は容器に生かせるし、半導体や自動車向けの既存の機械工業も生産機器の底力になる。さまざまな地域資源を結び、活性化する戦略だ。化粧品による地域経済の底上げに期待がかかる。

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企業データ

山崎信二社長

山崎信二社長

会社名 (株)ブルーム
代表者 山崎信二社長
業種 化粧品の検査分析、輸入代行業
所在地 佐賀県唐津市浜玉町浜崎1901-457
電話 0955-70-4711

掲載日:2012年12月28日

佐賀県医療・バイオ

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