本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > 元気印中小企業

元気印中小企業


成長のキーワードは中国、MRO、航空ビジネス [金属技研]

元気のひみつ
  • 航空ビジネスで中国進出
  • エンジン修理などサービス業にも参入
  • 米大手の子会社を引き継ぐ

 熱処理など特殊工程のプロセスサービスを国内メーカーに提供してきた金属技研にとって、2012年は記念すべき年になった。航空機エンジン大手の米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)から、航空機用エンジン「JT8D」の指定サービスプロバイダーとして認定されたのだ。日本企業が認定を受けるのは珍しいと言う。金属技研はこれを機に航空機エンジン修理事業を拡大し、2-3年後に現状比10倍の20億円規模に拡大する計画だ。

節目となったリーマン・ショック

 金属技研は1960年に金属の熱処理として創業。現在は金属の熱処理、熱間静水圧プレス(HIP)、接合、溶接、焼結、超塑性成形、材料分析、構造解析、機械加工など多くのプロセス技術を所有し、これらの技術を組み合わせて事業を行っている。数年前にはメーカー形態のエンジニアリング事業本部も立ち上げた。
 2代目の長谷川数彦社長は2005年に就任した。就任前から、経営環境悪化のなかで新分野を立ち上げ、会社の柱へ育て上げるなど腕をふるってきた。
 2007年、同社は姫路工場に世界最大級のHIP装置を導入する計画を立案した。投資額は本体と関連施設で60億円。「多くの方から『年商100億円に満たない会社として正気の沙汰ではない』」(長谷川数彦社長)とまで言われたほどの大型投資だ。同社にとっても過去最大規模のプロジェクトだった。
 この計画は国際会議で注目を浴び、世界市場に参入するきっかけとなった。創業50周年を迎える2010年の目標として掲げた売上高100億円への道は、順風満帆のように見えた。
 しかし2008年9月のリーマン・ショックで経営環境が一変した。主力の1つである半導体・液晶の電子材料向け受託事業を直撃したのだ。「半導体・液晶関係は売り上げが6割も落ち込み、業績も赤字になった」。その後、半導体関連の仕事は回復したものの、今でも液晶関連の多くは戻っていない。

新分野に大きくカジ

 過酷な円高と生産の海外移転が進む中、海外営業の強化と航空分野への展開に大きくカジをきることにした。狙うのは「販売市場も生産拠点も集約されるだろう」と読んだ中国だ。
 長谷川数彦社長は中国進出について10年前から調査していた。決断の引き金となったのは航空機メーカーからの要請だ。引き合いに応じるとともに、日本から移管した仕事を現地で受けようと考えたのだ。
 中国では経済発展に伴って飛行場などのインフラ整備が進んだ。輸送手段も鉄道から自動車、飛行機へと移行しつつある。民間旅客機の保有数は98年から2008年までの10年間で2倍以上に増え、さらに2027年には約4倍の需要が見込まれるという。
 また中国企業は航空機の国産化を目指しており、部品から現地でつくりたいので中国へ進出してほしい、と要請された。そこで2010年11月に蘇州市に現地法人を設立。2012年5月に工場を完成した。

P&Wの子会社引き継ぐ

 狙うのは中国だけでない。世界の航空機産業市場は今後20年で2倍以上伸びる。とくにアジアが最大のシェアを占めると予測されている。市場拡大に伴って、航空機の整備、修理、分解検査組み立て周辺の「MRO」産業が新市場として注目を浴びている。
 製造分野は製品が売れた時のみ売り上げが発生するが、MROは繰り返し需要が発生するため、利益を安定的に確保できる。同社は2011年に千葉工場(千葉県横芝光町)を開設し、航空機エンジン用ケース類の修理に乗り出した。
 同工場が手狭になって移転先を探していたところ、P&Wからエンジンを修理してほしいと提案を受けた。交渉の結果、P&Wが閉鎖した千葉県成田市にあった子会社、工場建屋、生産設備と米連邦航空局(FAA)の修理工場認定などを引き継いだ。
 2014年には同地に千葉工場を統合した新工場を完成する計画。P&Wとの交渉では日本政策投資銀行の助言を受け、設備資金も同行から融資してもらった。国の航空機関連企業の支援の政策とも合致しているためだ。
 修理契約を結んだP&W製エンジン「JT8D」は旧式のため、大半が2020年に退役する予定。しかし金属技研は、この旧式エンジン修理で培ったノウハウを他のエンジンに展開する計画だ。長谷川社長は「当社はプロセス受託という事業内容なので大きな飛躍はできないと考えていたが、修理事業への参入を機に、航空ビジネスの本場に踏み込み、上流の製造も手がけていきたい」と新たな夢を描いている。


世界最大のHIP装置「Giga-HIP」を導入

世界最大のHIP装置「Giga-HIP」を導入


Onepoint

舞台裏は試練の連続

 華々しい活躍のように見える金属技研だが、舞台裏は試練の連続。リーマン・ショックだけでなく東日本大震災では茨城工場(水戸市)が被災し大きな損害を出した。13年2月期は中間決算時点で売上高97億円を見込んでいたものの、尖閣諸島を巡る日中間のあつれきで「また出ばなをくじかれた思い」(長谷川社長)という。
 長谷川社長は経営者として、消極的にならないよう心掛けているという。「積極的に展開しなければプラスにならない、つまりマイナスにしかならない」と考えるためだ。「苦労するほど成果が大きいはず」と信じて挑戦を続けている。

関連リンク
  • 支援情報ヘッドライン
    ビジネスに役立つ無料セミナーなど公的機関による支援施策情報が毎日更新されます。
  • ビジネスQ&A
    経営者からのよくある質問に専門家が回答した事例集。

企業データ

長谷川数彦社長

長谷川数彦社長

会社名 金属技研(株)
代表者 長谷川数彦社長
業種 金属加工業
所在地 東京都中野区本町1-32-2
電話 03-5365-3050

掲載日:2012年12月18日

加工東京都海外展開

最近の記事


このページの先頭へ