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元気印中小企業


工業用から医療用へ・内視鏡のベンチャー企業 [SPIエンジニアリング]

元気のひみつ
  • 需要にあったカメラ型内視鏡を開発
  • 海外販売網を積極的に構築
  • 工業用を核に隣接分野への展開を狙う

 SPIエンジニアリングは工業用内視鏡の開発・製造・販売を手掛けるベンチャー企業だ。会社設立の2006年から現在までに約1500台の納入実績がある。今まで培った技術やノウハウの蓄積を生かして、今後は医療用内視鏡分野への参入も狙う。また世界への販路開拓に向けて海外の展示会に出展し、代理店による海外販売網の拡大にも力を入れている。

納得する会社を創りたい・・・

 日高剛生社長は半導体装置、金型、医療用カメラメーカーを経て、2006年7月に原山広一郎専務とともにSPIエンジニアリングを立ち上げた。
 金型メーカー在職中に信州大学の経営大学院に入り、「自分で納得する会社を創りたい」と起業を決意。「成長している会社を内側から見てみたい」と医療用カメラメーカーで2年務めた後、同じ職場にいた原山専務とともに独立した。この間も信州大の経営大学院で学び、SPIエンジニアリング設立半年後にはMBA(経営学修士)も取得した。
 創業時は信州大の学生起業家支援オフィスに入居。1年後に長野県長野創業支援センターに移った。当時は工作機械に設置して作業中でも加工個所を拡大して見られる加工点観測カメラなどを開発していた。
 現在の主力製品となっている工業用内視鏡の開発は、展示会で同社ブースに訪れた商社社員の話がきっかけ。ガス管の検査に内視鏡の需要があると聞いて直径7ミリメートルの管内カメラを開発した。これが専門紙に取り上げられ、大手や地元のガス会社から受注した。

細径化を極める

 次に開発したのが直径8ミリメートルの防水仕様の内視鏡。光ファイバーの敷設検査用に使われ、2年半ほどで約500台を大手通信事業者に納入した。2007年には長野県成長産業支援事業に採択されて工業用内視鏡の細径化に取り組み、直径4.6ミリメートルの内視鏡の開発に成功。その後、2009年には直径3.6ミリメートル、2010年には直径2.9ミリメートルと細径化を進めた。センサーのサイズやLED照明の配置などを工夫して極細化を目指した。2009年には中小企業庁の「元気なモノづくり中小企業300社」にも選ばれた。
 内視鏡には光ファイバーを使うタイプと先端にカメラを設置するタイプの2種がある。ファイバー型は細い直径で安価に作れるが、ファイバーが折れる心配もある。SPIエンジニアリングが採用しているカメラ型はファイバー型の約10倍の解像度があり、画像も鮮明。「一度カメラ型を使うと、ファイバー型には戻れない」(日高社長)という。
 SPIエンジニアリングの工業用内視鏡の主力は直径2.9ミリメートルと同4.6ミリメートル。この内視鏡に3.5型または5.6型の専用モニターを付けるか、パソコンで見られる仕様にするかを選べる。先端を稼働させて管の周囲を観察できるタイプもある。
 2012年6月にはUSB端子に接続して画像が見られる内視鏡アダプター「HKTUSB」を発売した。従来は専用モニターが必要だったが、ウィンドウズOS(基本ソフト)のパソコンやタブレット端末に接続するだけで、手軽に内視鏡の画像が確認できるようになった。内視鏡利用の裾野が広がるアダプターとして期待できる。

医療分野への参入を計画

 現地代理店を活用した販売戦略にも積極的だ。すでにインド、韓国、台湾、ベトナム、タイ、マレーシア、イスラエル、デンマークの代理店と契約済み。2012年中には米国、カナダ、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、ドイツ、フィンランドの代理店とも販売契約を結ぶ予定だ。
 新規事業として同社が進出を検討しているのが医療分野。工業用内視鏡の技術を医療機器の開発につなげようと意気込む。まず手掛けるのは胃ろう患者のカテーテル交換用内視鏡の開発。胃にカテーテルを通して食べ物や医薬品を投与する患者向けで、カテーテルの交換時に間違って入っていないかを医師が確認する時に使う。医療事故の削減につながるほか、交換作業の省力化にも貢献できる。
 この開発の一環として2012年12月には先端径1.8ミリメートルの内視鏡を開発した。現在最も細い同社製内視鏡は2.9ミリメートルで「直径1.8ミリメートルのビデオカメラ型内視鏡の開発は業界初」(日高社長)という。今後改良を進め、2013年秋をめどに医療向けの治験開始を目指すほか、同じ時期に工業用内視鏡の量産も始める計画だ。
 2014年3月までに臨床試験前の段階の装置を完成させ、2015年までに医療機器製造業の認可取得を目指す。2015-17年ごろの実用化を狙っている。この計画の実現に向けて、同社は長野市の2012年度ものづくり研究開発事業の開発テーマに採択された。医療分野の学会への製品展示なども今後進めていく。


SPIエンジが開発した直径1.8mmの内視鏡

SPIエンジが開発した直径 1.8 mm の内視鏡


Onepoint

無料で製品貸し出し

 SPIエンジニアリングのSPIは「シンプル(単純)」「プレシジョン(精密)」「イノベーション(技術革新)」の3つの単語の頭文字から取った。余計な機能をそぎ落として製品を「単純」化する一方で、細部にこだわる「精密」さを大切にする。アイデアを具現化してユーザーに使ってもらえる製品にすることが「技術革新」だと、日高社長は説明する。製品を無料で貸し出して実際に使ってもらってから購入してもらうというスタイルが多くのユーザーの信頼を勝ち取っている理由だと言えそうだ。

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企業データ

日高剛生社長

日高剛生社長

会社名 (株)SPIエンジニアリング
代表者 日高剛生社長
業種 電子機器・精密機器・医療機器の製造販売業
所在地 長野県長野市稲葉南俣2592-5
電話 026-274-5731

掲載日:2012年12月18日

製造業長野県

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