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元気印中小企業


ニーズに即したスピード開発で消防車を変える [ナカムラ消防化学]

元気のひみつ
  • 中小ならではのスピード感ある製品開発
  • ニッチなニーズから大手の受注を取りに行く攻めの姿勢
  • 製品ラインアップの多角化

 ナカムラ消防化学は消防ポンプ車メーカーとして全国の消防機関を顧客に持つ。これまで納めた消防車は大型から中、小型まで約300台。大手・中堅メーカーが競合する中で受注を獲得してきた。強みは中小企業ならではのスピード感のある製品開発。現在狙っているのは、潜在ニーズをとらえて2012年に開発した小型の高性能ポンプ車による販路拡大だ。

2001年に消防車に参入

 ナカムラ消防化学の本社工場は長崎県大村市にある。山間部を縫うように進んだ山あいで、真っ赤な消防自動車を全国に向けて製造している。現在は主力である消防ポンプ車の製造販売に加えて、近年開発した消火剤や消防用ホースなど関連製品の製造販売の売上高拡大に取り組んでいる。
 同社は中村眞輔社長が消火器や防災機器の販売業として1979年に創業。2001年に消防車の製造に参入した。上場企業を含めて数社がひしめきあう消防車メーカーの世界では後発の企業だ。自社で登録型式を持つポンプの製造から、車体への組み付けまで一貫した技術を持つ。
 消防ポンプ車はトラックなど市販車両をベースに製造する。ベース車両の荷台部分にタンクやポンプなどの装置を据え付け、エンジンからポンプの動力を取れるように改造する。また運転席まわりの機器や装備、サイレンの設置、塗装などを施して完成となる。顧客である自治体ごとに仕様が決まっていたり、希望に応じて装備を足し引きしたりするため、ほとんどの消防車がオーダーメードで生産される。
 そのなかで同社の強みは「大手メーカーにはまねできない」と中村眞輔社長が胸を張る製品開発にある。基本的にオーダーメードで生産する消防車であっても、大手メーカーでは対応できない細かなニーズがある。それをすくい上げることで差別化するのだ。
 例えば消防車外部の操作盤の照明を発光ダイオード(LED)にすることで、明るさを増して視認性を上げた。また操作盤の扉をシャッター式にすることで操作性を向上した。これらの機能は顧客などから聞き取ったニーズをもとに開発したもの。実際に現場で使ってもらいながら改良につなげ、最終的にオプション化する。

『寅さん』型営業をフィードバック

 2012年に開発した新製品「エコCAFSミニ」は、同社のメーカーとしての姿勢と方向性を象徴的に表している。水と消火剤を圧縮空気で泡状にするCAFSシステムを軽自動車に初めて搭載した。中・大型車を中心に製品開発する大手メーカーと差別化し、2013年以降の主力製品と位置付けている。
 CAFSシステムは消火用水を圧縮空気で泡状化するため、水よりも消火効果が高い。「エコCAFSミニ」の場合、タンク容量が200リットルと小さいにもかかわらず4000リットルの水に相当する15分程度の消火活動ができる。狭い住宅地でも効果的な消火が可能で、初期消火などに役立つと期待されている。
 また価格を従来製品から格段に落とすこともアピールポイントだ。同社の3トン車クラスの7分の1、約500万円からに設定する予定。予算規模の小さい自治体や、予算削減の動きに対応するためだ。
 同社は消防車メーカーになる以前に、中村社長が各地を行脚して消火剤を実演販売することで企業規模を大きくした。中村社長はその営業スタイルを松竹映画の『寅さん』と表現する。地域の消防団や消防本部に飛び込み、信頼関係を得る中で潜在的なニーズを吸い上げてきた。
 この全国を歩く営業スタイルは、現在の消防車開発でもベースになっている。営業活動の戦略としてだけでなく、製品開発へフィードバックするためだ。「販路拡大とともにアイデアも集まる」と中村社長は力を込める。2012年には東北地域での消防ポンプ車の受注に成功。新たに寒冷地仕様に対応することで「今後さらなるニーズ獲得とニーズを捉えた製品開発が可能になる」と意気込んでいる。
 中村社長が目指す企業像は攻めの姿勢、ニーズを拾う開発型メーカーだ。社名の「化学」という言葉には、多角化への意志が込められている。現在取り組んでいる自社製品ラインアップの拡大もその動きの一つだ。消防車だけでなく、消防用品においても自社ブランドの商品化を積極的に進めている。
 大手からこぼれたニッチ市場を取るのではなく、ニッチなニーズを吸い上げることで、大手がそれまで獲得していた受注を取りに行く。「大手のおこぼれ頂戴ではだめだ」と、中村社長は今日も顧客のニーズを求めて全国を走る。


2012年に開発した「エコCAFSミニ」

2012年に開発した「エコCAFSミニ」


Onepoint

目指すは総合防災メーカー

 軽自動車をベースにした新型ポンプ車は、ナカムラ消防化学が温めてきた研究開発が形になった製品だ。今後の販売と供給が成功すれば、市場にとっても同社にとっても影響は大きい。
 同社は現在、社内外の生産、開発体制を改めて構築している。体制づくりにあたってはサプライチェーン構築や人材確保など、中小企業にとって壁も存在する。だがこの壁を無事に乗り越えられれば、中村社長が目指す開発型の総合防災用品メーカーへの道は大きく開けるだろう。

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企業データ

中村眞輔社長

中村眞輔社長

会社名 (株)ナカムラ消防化学
代表者 中村眞輔社長
業種 消防機器の製造販売業
所在地 長崎県大村市平町1933
電話 0957-52-1617

掲載日:2012年12月12日

製造業長崎県

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