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元気印中小企業


技術提携をテコに保冷剤で躍進 [アイスジャパン]

元気のひみつ
  • 広い温度領域に対応できる保冷剤の技術
  • 事業環境の変化への対応力
  • 成長を目指し輸出にも挑戦

 アイスジャパンは保冷剤の製造販売が主力。松岡正昭社長は業務用保冷剤と一般市民に販売される保冷具を合わせた国内市場規模を55億円程度と推定する。2012年5月期売上高は前期比55%増の約17億円で、シェアは約30%。ここ5年の急成長により「国内首位」(松岡社長)に躍り出た。工場は北海道室蘭市の本社のほか宮城県、千葉県、京都府など5カ所に展開。“北海道発全国区”を実現した中小製造業者だ。

幅広い温度領域の製品群に自信

 躍進のきっかけとなったのは2008年のSTS研究所(山梨県富士吉田市)との技術提携だった。アイスジャパンの07年5月期の売上高は約6億3000万円。「国内3位だが、売上高が頭打ちの状態にあった」(松岡社長)という。
 しかし、STSとの提携で材料の種類が増えるとともに配合の技術力が飛躍的に向上。多くの新製品が誕生した。特に大きく変化したのは、それ以前は0度Cだけだった対応可能な温度領域が、“保冷”の枠を越えてマイナス50-プラス50度Cまで拡大したことだ。
 「顧客のニーズに合わせて、一定温度を必要な時間維持する製品を提供できるようになった」(同)。例えば体温よりやや低い29度Cを維持する保冷枕。冷やす製品だけでなく、42度Cを維持して湯たんぽのように使う製品も投入。「この温度領域に対応できるのは、当社を含めて国内に2社だけ」(同)と幅広い製品群に自信をみせる。
 アイスジャパンはもともと飲食店向けの製氷業者として1981年にスタート。順調に売上高を伸ばしたが、安価な小型製氷機の登場で製氷業が衰退する気配を察知し、1990年に保冷剤の製造に乗り出した。その保冷剤の限界を再び突き破った自己革新が成長の原動力だ。

南半球に輸出し生産の平準化狙う

 松岡社長は「3-5年先を見据えて、新製品を開発しなければ企業は立ち行かなくなる」と開発陣に訴える一方、工場稼働率の季節間格差縮小を目的に、南半球の豪州などへの輸出を模索している。保温製品も投入しているとはいえ、主力の保冷剤の需要は夏が中心。北半球とは夏が逆の南半球に輸出できれば、年間を通して生産の平準化につながる。
 現状は豪州のほかに、チリからも見積もり依頼が来ているという。輸出は南半球の国だけでなく、中国、インド、韓国などに対しても計画している。10月には中国で開いた展示会に出展。韓国については交渉中の販売予定先からの返事待ちの段階まで来ており、「契約が成立すれば、数億円の売上高が見込める」(同)と期待をかける。
 15年5月期売上高の目標は20億円。そのうち5億円を輸出で計上する計画だ。輸出に力を入れるのは季節間格差の縮小だけでなく、これからの成長の舞台を海外に求める狙いもある。
 ここ5年で急成長を遂げ、国内シェアを引き上げたとはいえ、12年5月期は東日本大震災に伴う特需という特殊要因があった。それがなくなる13年5月期売上高は、前期の約17億円から12億円へと前期比29%も減少する見込みだ。12年10月に買収したペット関連子会社の売上高とあわせても、同12%減の15億円程度にとどまると予想している。
 またSTSとの技術提携をきっかけとした躍進も一段落したというのが松岡社長の見方。シェア拡大の頭打ちを打開するためにも海外市場に注目する。これまで製品のほとんどを国内に販売してきた同社にとって、海外展開は製氷から保冷剤に転換して以来の大きな挑戦となる。
 実は「あと6年、65歳で引退し、海外でボランティアをやりたい」というのが松岡社長の人生設計だ。安定と成長の両方を狙った輸出事業を新たな柱に育成し、少しでもいい状態で次代にバトンを渡したい。引退までに必要な布石をしっかり打っていこうとの意気込みが、海外市場をにらんだ松岡社長の姿勢から伝わってくる。


特注の生産設備で製品ごとに 専用ラインを構築(アイスジャパン本社工場)

特注の生産設備で製品ごとに 専用ラインを構築
(アイスジャパン本社工場)


Onepoint

根底にベンチャー精神

 変化への対応は企業経営の重要な課題。松岡正昭社長はこれを実践してきた創業経営者だ。製氷業者としての全盛期には室蘭・苫小牧地域でスナックなど600件の顧客があったという。製氷業者のままであれば、企業として存続できなかったかもしれない。
 事業を保冷剤に転換し、国内で躍進した今、「現状維持を図るのは衰退の始まり」という警戒感を持っているように見える。それが視線を海外に向かわせている。変化対応に挑戦する根底には、後継者に「忘れてはいけない」と教育しているベンチャー精神が流れている。

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企業データ

松岡正昭社長

松岡正昭社長

会社名 (株)アイスジャパン
代表者 松岡正昭社長
業種 保冷剤製造販売業
所在地 北海道室蘭市中島町4-9-28
電話 0143-44-5675

掲載日:2012年12月 7日

北海道製造業

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