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元気印中小企業


テーマは「豊かな心を持つ人材育成」 [ヒロボー]

元気のひみつ
  • 社長が率先して人材育成
  • チームワークで投資を決断
  • 連帯感を生み出す施策

 モノづくり企業の中で「人材育成」と聞くと、多くは「技能伝承」などが想像される。そんな中、豊かな心を持つ人材の育成に力を注ぐ企業がある。ホビー用、農薬散布用の無人ヘリコプターやプラスチック製品などを製造するヒロボーだ。
 企業理念は「まごころをこめたモノづくりを通じて全従業員の幸せを追求するとともに、世界の人々の生活と文化に貢献する」。松坂晃太郎社長自身が、率先して人材育成に取り組む。
 松坂社長は関西大学大学院の工学研究科で人工知能を研究。人の心や精神世界に興味を持つようになり、90年代後半に出家した経歴もある。「おへんろさん」向けの雑誌を発行する出版社も設立し編集に携わった。
 こうした経験から、2010年10月の社長就任時に「心を置いた経営をする」ことを決め、そこに投資しようと考えた。「自分にとって自信がある分野だった。それに加えて、多くの企業が利益率など『目に見える』ところに経営の主軸を置くが、『目に見えない』価値もある」(松坂社長)と考えたからだ。

チームワークを証明し新工場建設が決定

 その見えない価値のバロメーターとして、職場の雰囲気の明るさに着目した。実際にやってみると、明るい職場は不思議に利益率が高かった。
 2008年のリーマン・ショック後、ヒロボーも受注が減少し苦しい状況にあった。その頃、プラスチック成型品を製造する事業部の8人から「プラスチック容器の生産増のために新工場を建ててほしい」と要請された。
 融資の相談に行った松坂社長は、銀行に「返せなくなりますよ」と怒られた。それを従業員に報告すると、さらに怒られた。「受注は必ず取ってきます。社長は私たちを信用してくれないのか・・・」と。世界不況まっただ中での投資判断を誤れば会社が傾く。社長自身も決断を迫られた。
 そこで松坂社長は、従業員の本気度を知るため賭けに出た。「『三河湾チャリティー100キロメートル歩け歩け大会』に参加し、8人全員が完歩できれば工場を建てる。ダメだったら建設はなし」と告げた。
 2009年秋の同大会では、8人は一緒に参加した社長とともに完歩。「チームワークのある、この人たちなら受注を取ってくる」と判断し、2010年に新工場を完成させた。11年には大きな受注を獲得し、社長と従業員の距離は一気に縮まった。
 その後、プラスチック事業部はメンバーを増やしながら毎年歩け歩け大会に参加している。売り上げも毎年1億円ずつ上がり、2012年9月期は過去最高の売上高と利益を達成した。こうした動きに触発され、12年10月の大会には他の事業部も参加し、プラスチック事業部は全員が完歩。改めてチームワークの高さを証明した。
 社内での出来事などを報告するための勉強会も活発になり、さまざまなリポートが上がるようになった。「リポートから従業員同士が連帯感を持つようになっている様子が伝わってくる」(松坂社長)という。

ヘリ事業を全社で応援

 連帯感の象徴と言えるのがヘリコプター事業だ。ヒロボーは10月の名古屋の航空展で、一人乗りの電動ヘリコプターをお披露目した。これまでは無人で小型のものだけだったが、今回は有人。近未来映画に出てくるような世界初の製品は世間を驚かせた。だが、このヘリ事業に関わっているのは従業員のわずか5%。「昔なら他の事業部の人は『ああ、あの事業部ね』とそっけなかった。だが今では全従業員が誇りに思い、応援する姿勢が明らか」(同)なほどだ。
 そのヘリ事業チームは、女子バレーボールのクラブチームである「岡山シーガルズ」の始球式で、ボールをコートに運ぶラジコンヘリを披露した。「世の中にないヘリを作ろう」という気持ちを持った5人の技術者がプロジェクトチームを組み、試行錯誤を繰り返して作成した。
 メンバーの中には「えっ、この人が」と意外に思われるような人物もいた。だが、やる気を尊重した上で選んだメンバーは見事に飛行を成功させた。「何がたけているのか見いだすのも経営者の仕事」(同)との思いだ。
 チームワークの良さから生まれてくる成果も増えつつあるという。いろいろな意味で意識レベルの高い企業を目指して、ヒロボーは確実に変わりつつある。


ラジコンヘリと社員

ラジコンヘリがボールをコート上の選手の上まで運んで落下させ、それを選手がレシーブ。
会場は拍手喝采で、ラジコンヘリがVリーグの盛り上げにひと役買った


Onepoint

社長自らあいさつと掃除

 同じ企業内でも事業部が異なると交流が少なかったり、無関心だったりすることは多い。改革したいと思っても、その改革を訴えるだけでは社員は着いてこない。
 口だけの人になりたくないという理由から、松坂社長は出社できる日には午前7時から門前に立ち、社員にあいさつしている。ただ立っているだけではもったいないので周辺の掃除も始めた。次第に社員が参加するようになり、社内全体が奇麗になった。それと同時に品質向上も見られるという。行動や実践の大切さを象徴する事例だろう。

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企業データ

松坂晃太郎社長

松坂晃太郎社長

会社名 ヒロボー(株)
代表者 松坂晃太郎社長
業種 ホビー用および産業用ヘリコプター、プラスチック成型品製造業
所在地 広島県府中市本山町530-214
電話 0847-41-6780

掲載日:2012年12月 7日

広島県製造業

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