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元気印中小企業


成形機や押出機用の高性能洗浄剤で一気に市場を拡大 [富山カラーリング]

元気のひみつ
  • 独自技術製品による差別化
  • 新工場を完成、量産に踏み出す
  • 積極的に海外展開を始める

 「価格競争はしない。あくまでも品質で勝負している」と富山カラーリングの余西謙治社長は胸を張る。同社は2005年に成形機や押出機用洗浄剤(パージ剤)である「トミクリン」を自社開発し販売を始めた。洗浄作業のコストを約50%も引き下げられる性能を持つ。大手自動車部品メーカーの採用を機に売上高が急拡大し、海外にも販路を広げつつある。

最初は自社向けに開発

 余西社長は1986年に愛知県春日井市で創業、88年6月に生まれ故郷である富山市に移り、合成樹脂の着色加工を目的に法人を設立した。受託加工のほかに顔料や樹脂改質用添加物も販売する。
 また資源循環型の社会構築を目指して、他社の工場で発生した樹脂製品のバリや成形不良品などを粉砕・再ペレット化・着色加工して再び還元する事業も開始。環境省が策定した「エコアクション21」の認証を取得した。「生き抜くために、常にお得意様の視点に立ち、きめ細かな対応とニーズに応えるしかない」(余西社長)という。
 富山カラーリング設立当時の主力事業は、成形機や押出機を使ったプラスチックや樹脂材の着色加工だ。着色工程では、別の製品に移る時に色を切り替える。そのたびにペレット状の樹脂でできた洗浄剤(パージ剤)を成形機に投入し、機械の内壁に残った顔料を除去する必要がある。洗浄剤がない時代には、作業が終わるたびに前工程で使っていた色が残らないよう機械を分解し内部をブラシなどで洗い、再び機械を組み立てて次の作業に入っていたというから大変だった。
 同社も当初は、他社から洗浄剤を購入して使用していた。だが「合成樹脂着色のプロとして原理原則は熟知していた」(余西社長)ため、早い段階で洗浄剤の内製化に乗り出した。
 同社が開発した洗浄剤のひとつは、20マイクロ-80マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の発泡セラミックスを混合することで洗浄力を上げたのが特徴。それまで使用していたものよりも性能が良く、使用量を減らしても洗浄能力が上がった。
 洗浄剤は使用後に廃棄物になるが、その量を格段に減らせる。作業時間の短縮にもつながり、洗浄後の成形品の品質も向上した。電気・電子機器に関する欧州特定有害物質規制(RoHS規制)にも対応しており、薬品容器や食器などの材料加工時の洗浄剤としても使用できる。
 この洗浄剤を自社で使用するだけでなく、外販できないだろうか。同社は開発と試験を重ね「洗浄に要する作業コストが約50%ダウン」(余西社長)という結果を出した。満を持して05年に「トミクリン」の名で販売を開始した。しかし当初2、3年は、なかなか使ってもらえなかった。「販売を商社などに頼んでいたが、優先的には勧めてくれなかった」(余西社長)からだ。
 しかし大手自動車部品メーカーで採用が決まったことで転機が訪れた。性能の良さが徐々に口コミで広まり、問い合わせを受けて直接営業に出向くことも増えた。購買部での書類のやりとりだけでなく、現場に入り込んで実際に製品を投入し、その良さを体験してもらう。「国内にある外資系企業に納入した時には、技術者が『日本にもこんなにいい洗浄剤』があるのかと驚いた」(同)という。
 トミクリンは標準グレードのほかに強力洗浄タイプ、シール材などの簡易洗浄向けなど使用目的に応じて細かく区分されている。「ニッチな商品だが、選択肢が多ければ多いほどユーザーに納得してもらえる」(同)と自信を持つ。今や同社の主力商品に育った。

積極投資で生産能力3倍に

 洗浄剤の需要急増に対応するため、同社は2012年9月に約2億円を投資して本社工場隣接地に新工場を建設した。敷地面積は3600平方メートル、2階建てで延べ床面積は約575平方メートル。12年末に新規設備を導入し、着色事業ラインと洗浄剤製造ラインを完全に独立させる。顧客ごとの仕様に対応できるよう、多品種を少量でも混流生産できる生産ラインにする。
 製品のレベルアップのために、自社内に試験室も併設する。新工場の稼働により同社の洗浄剤生産能力は現在比3倍の月産60トンになる。3年後にはこれを200トンにする計画だ。
 日本企業の海外子会社で使われるケースも増えている。仕向地はアジアが中心だが、認知度も高まっており2年前から米国に毎月トン単位での出荷が始まった。12年9月に開催した「富山県ものづくり総合見本市2012」ではタイのバイヤー2社と商談。製品購入の具体的な話が進んでいるという。
 余西社長はさらなる海外展開も視野に入れている。輸出の場合は1617トン単位のコンテナになるので、各地に分散している保管庫を増設する方針だ。「継続して長く使ってもらえる製品をきちんと作り続ける。ステップ・バイ・ステップで足元を固めながら成長していきたい」と夢は尽きない。


洗浄剤「トミクリン」

洗浄剤「トミクリン」


Onepoint

次の課題は人材確保

 富山カラーリングは現在、販売に合わせ週末を除いて3交代、24時間体制で洗浄剤を生産しているという。これからは事業拡大に伴い、人材の確保が大きなテーマになるだろう。
 優秀な人材の確保以外にも、新工場建設によって生産量が増えることで販売拠点をどうするか、いかに全国規模で販売を展開するかなど課題は多い。しかし、インタビュー中の様子からすると、余西社長はすでに具体的に対策を考えている。それを着実に実行し、成長につなげてほしい。

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企業データ

余西謙治社長

余西謙治社長

会社名 富山カラーリング(株)
代表者 余西謙治社長
業種 各種合成樹脂の着色・改質およびリサイクル加工、洗浄剤(パージ剤)及び着色ペレットの製造販売業
所在地 富山県富山市婦中町外輪野1452
電話 076-469-4201

掲載日:2012年11月30日

富山県製造業

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