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元気印中小企業


電線加工から世界の製造業を変える [小寺電子製作所]

元気のひみつ
  • 原点に立ち返って考える発想力
  • アイデアがあれば具体化してみるチャレンジ精神
  • スピードある開発力

 小寺電子製作所は電線加工機が主力。電線を任意の長さに切断して皮をむく全自動電線皮剥装置では、多品種少量加工の小型低価格タイプを1984年に業界に先駆けて開発し、新たな市場を創った。電線業界ではこの製品名「キャスティング」が電線皮剥装置の代名詞となっている。
 世界市場での推定シェアは2割。コピー製品も出回り「キャスティングはコピー商品を除けばトップ」と小寺博詞社長は苦笑する。電線を切断して皮を剥いた後、端子を付ける全自動端子圧着機でも技術力で業界をリードしてきた。2012年5月に発売した最新鋭機「C531」は圧着能力毎時1万2000本と業界最速を誇る。
 独自技術を重視し、価格競争はしない主義。これにより市場が縮小した12年6月期も売上高17億円で経常利益3億8000万円と高収益力を維持した。12年には白1色の電線に識別用のカラーバーコードを着色し電線の加工と配線作業を劇的に合理化するシステムも実用化した。これまでにない電線のあり方を提案し、モノづくりの世界に新風を巻き起こそうとしている。

少ロット電線加工機のパイオニア

 創業は1973年(昭和48年)。大手電機メーカーで映像システムを開発していた小寺博詞社長が27歳で独立し、ロボットや各種電子機器の開発や生産を受託し始めた。人気の電機製品の受託生産で加工電線の納期遅れが続き、自社に適した少ロットでも採算が合う全自動電線皮剥装置の内製を決意。半年後の84年に完成した。
 この装置がたまたま新聞記事となると「1週間で数百件」の問い合わせがあった。そこで「キャスティング」の製品名で100万円台の低価格で発売し、電線加工機を事業の柱に据えた。さらに88年には全自動端子圧着機も製品化。先発メーカーの3倍の加工能力を実現した。
 「私は電気屋。機械屋にない発想でシステム全体を考えたのが良かったのでは」と小寺社長は成功理由を分析する。以来30年近く、従来の常識に捕らわれることなく電線加工に関する総合的な技術を蓄積。小寺社長は「電線加工では誰にも負けない」と自負する。
 ネオンの関連技術でも異彩を放つ。91年には容積・重量が従来の数十分の1となるネオン用小型電源トランスを開発した。今や当たり前となった観覧車のネオン照明を可能にしたのが、観覧車自体に取り付けられる小型軽量の同社製電源トランス。「高電圧強電」に分類されるネオンの世界に、常識に捕らわれず「弱電」の最新エレクトロニクス技術を取り入れたのが勝因だ。

「電線は多色」の常識を覆す

 12年には赤、青、黄色など多色が当たり前だった電線の被覆を白1色にしてしまう新しいワイヤハーネスの関連技術も開発した。さまざまな色の電線を使う代わりに切断、皮剥きの前工程で白色の電線に多色リングをバーコードのように印刷して識別に利用する。これまで困難だった塩化ビニルへの着色を可能とする特殊インキや、独自のインキ塗布装置を完成し実現した。
 この技術によって製造業は劇的に変わることになる。配線を回路に接続する作業は今も手作業。電線を被覆の色で識別し、作業指示書を見ながらどこに接続すべきかを判断する。指示書を見ながらの作業は効率が落ち、ミスも出る。一方、カラーバーコード付の白色電線は指示書不要。例えば「茶なら1番に挿入」と覚えてしまえる。
 白色電線への着色技術は切断・皮剥き・端子圧着の工程も劇的に効率化できる。従来の多色タイプでは、必要な色の電線をジャスト・イン・タイムで加工するには、色の違う電線リールを頻繁に交換するか、色の数だけ全自動端子圧着機を用意するしかない。いずれも全自動端子圧着機の稼働率は極端に低くなるのが実情だ。
 これが白一色となればリール交換は不要。オペレーターの人件費と初期投資の両方を数分の1から数十分の1に節約できる。しかも被覆を一色にすることで、塩化ビニルのリサイクルも格段にしやすくなる。
 さらに同社では、カラーバーコードを付けた端子付電線を効率的に束線工程に供給できるハーネス製造システム「ANS」も開発した。「作業効率を数倍に高める、日本でもモノづくりが続けられるためのシステムを提供する」と小寺社長。「世界の電線をすべて白にする」との夢を抱き、自動車をはじめとするさまざまな製造業に普及させる考えだ。


新ハーネス製造システム「ANS」

新ハーネス製造システム「ANS」


Onepoint

まだまだ宝の山

 同社が大手メーカーに負けず全自動電線皮剥装置、全自動端子圧着機の世界市場で存在感を示せるのは、常に常識を疑い、新しいアイデアを試す姿勢があるためだ。世間では「成熟し、価格競争以外にないローテク分野」と見られる電線の世界にあって「まだまだ宝の山はある」と小寺社長は言い切る。被覆を白一色にするアイデアもしかり。技術的な熟考を重ねつつ、試行錯誤をいとわず毎月のように新たな試作品を作り続ける情熱もエネルギーとなっている。

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企業データ

小寺博詞社長

小寺博詞社長

会社名 (株)小寺電子製作所
代表者 小寺博詞社長
業種 機械製造業
所在地 岐阜県岐阜市下奈良808-8
電話 058-272-8333

掲載日:2012年11月28日

岐阜県製造業

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