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元気印中小企業


技術力と人材力で成長を続けるファブレス半導体メーカー [シキノハイテック]

元気のひみつ
  • 高シェア小型カメラモジュールの優位性
  • 大手から譲り受けた事業と人材で技術力アップ
  • 人材能力開発にも力を入れる

 シキノハイテックは、1975年にシキノという社名でメッキ材料の購入や販売をスタートした。86年にエレクトロニクス分野への進出を決め、工場管理システムなどのソフト開発を始めた。87年には半導体検査用基盤(バーンインボード)の設計製作や計測技術業務を開始。92年に現在の社名になった。
 その後も半導体検査装置分野では、バーンインボード・インスペクション・システム(BIS)やアナログICテストシステム(AITS)などを自社開発し販売。最近では130万画素の高感度USBカメラモジュールや産業用途向けのハイビジョンカメラモジュールを製造販売する。
 同社の小型カメラモジュール2台と画像データ通信用のインターフェース基盤が、東大阪を中心とした製造業の協同組合「SOHLA」が開発した人工衛星「まいど1号」に採用され宇宙に行った。
 コンビニエンスストアなどにある現金自動預払機(ATM)に内蔵したカメラモジュールでは、国内トップシェア。富山県が指定する2012年度の中小企業経営モデル企業にも選定された。01年度にできた同制度は中小企業のモデルとなる経営が総合的に良好で、独自の技術力や独創的な自社製品を持つ企業が対象だ。

大手からの事業譲受が転機

 「特許取得も含めて開発コストをかけ、画像処理技術をもっと伸ばしたい」と尾定祐昭社長は意欲をみせる。静止画像圧縮符号化処理に関しては国内で15件、海外で3件の特許を持つ。国際標準であるJPEGに対応した同社製のIPコア(半導体に組み込む部分回路情報)「KJNシリーズ」は、デジタルカメラやスマートフォン(多機能電話)などのほかに計測機器や画像転送装置などに採用されている。
 さらに新たな画像処理技術に関連しても、12年末までに国内で10件の特許申請を予定するなど積極的に取り組んでいる。
 同社はもともとLSI設計・開発やLSIテスト装置や治具を開発製造していた。転機は04年に訪れた。尾定社長が常務時代に、以前から取引のあったカネボウ(現クラシエ)の電子関連事業の営業譲渡を引き受けたのだ。「人材も一緒に受け入れたことでバージョンアップができ、自社製品のラインアップを増やせた」(尾定社長)。続いて06年に小野測器から半導体検査装置事業の営業譲渡を受けた。
 現在のシキノハイテックは半導体の受託設計事業が総売り上げの約42%を占める。今後は「顧客から要求された仕様を設計し、データを納品するというターン・キー・ビジネスを主力にしていく」(同)考えだ。労働集約型企業ではなく、成長のエンジンとして半導体工場を持たない半導体メーカーを目指す。

マネジャークラスを鍛える

 「取引先から、シキノハイテックがいないと製品が作れないと言われるくらいになりたい」(同)と、価格勝負ではなくユーザーのかゆいところに手が届く仕事を心掛ける。そのために標準や規格を決める委員会には積極的に参加し、意見を出してスペックの提案などに早い時点から関わる。そうすることで自社の新技術・新製品の展開をやりやすくなるという。
 社員に対しては、マネジメント力、特に『問題の本質を探る能力』を磨くための取り組みを始めた。「市場が要求する変化を先取るスピードが必要。マネジャークラスの力量が会社の方向を左右する」(同)と、特に課長職クラス以上の教育に力を注ぐ。
 同社では、年度の初めに決まる経営方針を受けて各部門が方針や目標を設定して『方針展開実施計画書』を策定する。さらにトップ診断と呼ぶ会議を3カ月に一度開き、課長職以上が社長や取締役が並ぶ前で計画の進展状況などを発言。価値判断基準をすりあわせるとともに、マネジャークラスに発表力をつけさせることを狙っている。「取締役と部長・課長の考えが一致すれば、会社の進むべき方向が社内に浸透しやすい」(同)からだ。同時に、これはマネジャークラスに『問題の本質を見抜く力』があるかどうかの判断材料にもなる。
 00年には先進的な基幹情報システムを導入した。その日の実績を入力すればリアルタイムでバランスシートが作れる。売り上げや業務管理、個別原価などもすぐに出力できる。尾定社長は「各部門の傾向や現象が一目で分かり、次の一手を打つ判断がしやすくなる」と自信をみせている。


様々な用途に活用されるカメラモジュール

様々な用途に活用されるカメラモジュール


Onepoint

技術者にも利益意識を定着

 高占有率のカメラモジュール以外に、JPEGのIPコアをベースにした画像処理分野で独自技術を生かし業務拡大を図るシキノハイテックには当然、エンジニアが多い。そうした社員に対して尾定社長は「どうしたら原価を下げられるか、利益を出せるかといった考え方を繰り返し教育する」ことで意識を定着させている。
 同時に、ユーザーのニーズや問題点に常に耳を傾け聞く力の重要性を説く。それが行き渡ることで、さらに優位性が追求でき、存在感を示せるという。ハイテク企業でありながら技術力にとどまらない発想を社員に求める尾定社長の経営が、同社の成長を支えている。

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企業データ

尾定祐昭社長

尾定祐昭社長

会社名 (株)シキノハイテック
代表者 尾定祐昭社長
業種 LSI設計、半導体検査・装置関連、カメラ・システム開発業
所在地 富山県魚津市吉島829
電話 0765-22-3477

掲載日:2012年11月27日

富山県製造業

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