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元気印中小企業


世界から絶賛された日本企業の深絞り技 [ナカザ]

元気のひみつ
  • 金属の深絞りの高い技術力
  • 大手複数社から受注体制確立
  • 成長分野を開拓、飽くなき探求心

 ナカザは金属プレス加工、金型設計などを手がける。中でも金属板に圧力をかけて絞っていく深絞り加工を得意としている。同社には、他社ではできなかった難易度の高い加工の相談が次々に持ち込まれ、大手メーカーの担当者がひっきりなしに訪れているという。

「売り上げより内容が大事」という信念

 ナカザの最大の強みは何といっても技術力だ。中座義行社長は「深絞り加工では、他社が追随できない」と自社の技術力を誇る。近年はステンレス板を135ミリメートル角、深さ125ミリメートルまで深絞りした八角形の原油パイプライン用流量計の筐(きょう)体を完成させた。同社に相談が来るまでに十数社が断ったという非常に難しい加工で、この深さまで絞り、かつ絞った面の平たん度を出すのはさらに困難とされていた。
 中座社長は「角型の深絞りでここまでの平たん度が出せる企業はいない」という。多額の開発費をかけて研究を続け、数々の難問を克服した筐体は欧州の展示会に出展した際、来場者から「まさに日本の企業にしかできない技術」と絶賛されたという。この筐体は1年ほど前から大手工業計器メーカーへ納入が始まり、「長期受注につながっている」(中座社長)と話す。
 また中座社長は「売り上げより内容が大事」と考いう考えから、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)など次世代の成長分野向けの加工に事業をシフトしている。2011年には燃料電池に使われるステンレス製のセパレーターを低コストで加工する技術を確立した。金型の構造を工夫することで工程数を8工程から3工程に削減し、加工コストは従来方法の数十分の1に抑えられるという画期的な技術だ。
 一方で、薄さ0.2ミリメートルのアルミニウム板を、ほぼ直角に深絞りすることにも成功した。従来の加工法では四隅の角や面が割れてしまっていたが、3種類の金型を使い、こちらは逆に工程数を増やすことで割れずに成形できるようにした。燃料電池の部材向けに使われると見ている。
 これらの画期的な技術は、いずれも高い技術を持つ研究熱心な技術者と社長のアイデアから生まれている。社員の大久保賢司氏は深絞りでは右に出る者がいないほどの熟練技術者だ。2011年2月に東京都北区の「きらりと光るものづくり顕彰」、同年11月には東京都の「東京マイスター(東京都優秀技能者)表彰」をそれぞれ受賞するなど、技術力を高く評価されている。

最初は他社に教わり、絶えず研究開発

 中座社長は証券会社の営業マンから転身し、1966年にナカザを裸一貫で立ち上げた変わり種。プレス加工について「何も知らなかった」が、近隣のプレスメーカーや金型メーカーへ営業に行く傍ら、さまざまな知識や技術を見て教わった。
 こうしたプレスに関する幅広い知識を身につけていったことが、同社の発展の礎となった。これまで誰も思いつかなかった加工法や加工技術は「自分で考えたわけではない。方々で教えてもらったことを組み合わせただけ」と話す。
 常に絶え間ない研究開発を進めてきたことも、画期的な技術を生み出す源泉となっている。中座社長は休日にも一人だけ出社して研究に没頭することもあるという。
 原油パイプライン用流量計の筐体の研究開発でも開発費が約2800万円まで膨らみ、一時は経営の危機にひんして研究をやめようとしたが、大久保氏の「もう一度開発に取り組みたい」との思いを受けて研究を継続、実用化に結びつけた。現在もプレスなどの加工工程を少しでも自動化できないか研究を進め、加工コスト削減への取り組みを進めている。

大手3社向けの3本柱を達成

 中座社長は創業当時から「大手企業3社向けに売り上げの3本柱を確立すること」を目標に掲げてきた。というのも、かつて苦い経験があるからだ。
 まだ若い頃、利益率の高い仕事がとれたことをきっかけにほかの受注をすべて断った。しかし景気悪化でその取引先から受注を打ち切られ、使っていた金型も引き上げられてしまった。
 この時、中座社長は受注先を複数確保することの重要性を痛感。主要な顧客は「最低でも3本、できれば4本の柱が必要だ」と考えるようになった。最近になって長年の目標を達成し「ようやく泣きべそから笑顔の状態になった」と話す。
 同社は今後も成長分野の開拓のために、研究開発を進める考えだ。HV車向けでは金具部品のサンプル出荷が始まった。長期受注につながることを期待している。高い深絞りの技術力があれば、新たな成長も可能だと中座社長は信じている。


ステンレス板を深絞りした八角形の原油パイプライン用の流量計の筐体

ステンレス板を深絞りした八角形の
原油パイプライン用の流量計筐体


Onepoint

固定観念にとらわれず、斬新な発想

 証券マンから転職した中座社長は創業当初を振り返り「プレスについて何も知らなかったから、(逆に)何でも教えてもらえた」と話す。地道にさまざまな情報を収集し、プレスの固定観念にとらわれずに考えたからこそ、プレス一筋の職人にはない斬新な発想を生み出せた。
 また取引先を複数確保して安定した受注を獲得するとともに、今後成長が見込まれる新たな分野に進出し、新規顧客を開拓する。こうした進取の精神こそがナカザの発展につながっている。

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企業データ

中座義行社長

中座義行社長

会社名 (株)ナカザ
代表者 中座義行社長
業種 金属プレス業
所在地 東京都足立区宮城1-23-7
電話 03-3911-0166

掲載日:2012年11月22日

東京都製造業

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