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元気印中小企業


豆腐業界に新風-夢とノリで常識を覆し最大手に [相模屋食料]

元気のひみつ
  • 常識を自ら作る風土
  • 職人技を工場に反映
  • 積極的な投資とM&A

 「豆腐屋と“でき物”は大きくなるとつぶれる」。豆腐業界に伝わる格言を覆したのは前橋市に本社を持つ豆腐メーカーの相模屋食料だ。1951年(昭26)に義理の祖母が町の豆腐店として開業。2010年2月期には同業として初の売上高100億円を突破した。伝統食品の豆腐業界をけん引する力の源泉は何か。鳥越淳司社長は「気合と根性です」とさらりと話す。工場の自動化や常識を覆す新商品、企業買収など独特の経営手法に学ぶ点は多い。

おいしさを工場に反映

 前橋市にある主力拠点の第3工場。豆腐づくりのノウハウを注ぎ込んだ最先端の工場だ。ロボット大手のファナックが開発した食品用の白色ロボット11台がせわしなく動く。伝統的な豆腐製造を知っているほど異様な光景に見える。
 大豆を水に浸す工程から包装までの一貫生産体制。同社は全5工場で1日100万-120万丁を生産する。軸足は王道の木綿と絹豆腐だ。できあがった豆腐にロボットが自動でパックをかぶせていく。
 工場づくりの原点は「おいしい豆腐をつくるにはどうするか」という問いかけにある。ホットパック形式も工夫の一つだ。
 通常、完成した豆腐の表面温度は70-80度Cになるため、一度水に入れて冷ましてパック詰めする。しかし、この時の温度変化でうまみが逃げ、雑菌が繁殖しやすくなるため賞味期限が短くなっていた。ロボットがパックをかぶせることで出来たてのうまみを閉じこめ、賞味期限は従来の3-4倍の10-15日間に伸びた。

常識は作るもの

 第3工場が稼働したのは2005年。売上高30億円程度だった当時に、会社の規模を上回る40億円超を投じた。「相模屋はつぶれる。おいしい豆腐は大量生産で作れない」と周囲の冷めた声が聞こえた。それでも鳥越社長は「常識を覆す」と腹を決める。
 言葉通り、最新の工場稼働によって商圏を広げ、11年7月期売上高は126億円と急成長を遂げた。「誰もが思っていた常識は単なる思いこみ。常識は自ら作れる」と鳥越社長は繰り返す。
 鳥越社長は目標を「夢」と呼ぶ。「天が見えないほどのでっかい夢を持とう」と社内外に訴える。さらに事業計画は「勢い」と言い切り、取り組みやステップは「ノリ」と表現する。市場調査はあくまで「感覚」。「細かな計画を考える前に早く動く。最終到達点を決めて駆け上がるだけだ」(鳥越社長)。
 足元の到達点は漠然と掲げた20年後の売上高「1000億円」。根拠はない。市場規模が年間6000億円と言われる豆腐業界では飛び抜けた夢だ。それでも布石は打ってきた。
 将来の販路拡大には遠隔地への進出が次のステップになる。その第一弾がM&A(企業の買収・合併)だ。5月に買収した同業のデイリートップ東日本(川崎市川崎区)の生産ラインを刷新し、生産能力を3-4倍に高める。群馬県外初となる工場に最新設備を導入し、手薄な神奈川県や静岡県、中部地区への安定供給につなげる。
 鳥越社長は「企業買収のほか、自社工場建設や他社との提携などの手段がある」とし、東北や北海道、関西などへの進出を模索する。
 個人商店も含めれば1万社弱あるという豆腐メーカー。業界の淘汰(とうた)は激しく、同社では「年間1000軒ずつ廃業している」と試算している。鳥越社長が恐れているのは、豆腐文化そのものの衰退だ。沖縄は炒めて食べるケースが多く、硬い豆腐が好まれる。しみ豆腐など全国各地には地場の豆腐文化も根付いている。こうした文化を守るためにも「豆腐産業の活性化につなげたい」(同)。

話題をさらった「ザクとうふ」

 相模屋食料は3月に、SFアニメシリーズ「機動戦士ガンダム」のキャラクターを豆腐に採用して話題をさらった。ジオン軍の量産型モビルスーツと、量産中の豆腐を結びつけて売り出した「ザクとうふ」だ。
 「140万“機”以上が“出撃”する大ヒットとなり、当社の認知度向上にもつながった」(同社)。ガンダムマニアを自認する鳥越社長の肝いり商品だが、会社だけでなく豆腐市場のすそ野拡大にもつながった。
 社員が誇りを持てる会社にしたいと日頃から語る鳥越社長。12年夏にはアニメキャラクターの大規模展示会にザクとうふを出展した。来場者の反響は大きかった。それだけではない。休日にもかかわらず、従業員が家族を連れて顔を出した。「うちの会社はこんなこともやっているんだよ」と誇らしげに家族と語る社員の姿に心が温かくなった。
 「伝統は革新の連続。当社はまだまだ発展途上の会社であり、圧倒的なスピードで前に進んでいく」というのが鳥越社長のスタンス。社員とともにアクセルを踏み続ける覚悟だ。


機動戦士ガンダムシリーズを商品化

機動戦士ガンダムシリーズを商品化
(写真はキャラクター関連の展示会)


Onepoint

大きすぎるでき物はつぶされない

 鳥越社長は「大きすぎるでき物はつぶされない」と笑う。業界首位を走る相模屋食料だが、成長に向けた下積みの時代があった。その頃は先行企業を徹底的に見習ったという。つまり人まねだ。供給体制や商品開発、品質管理を分析して戦略に反映した。同業からは「まねっこ相模屋」というあだ名がつけられた。それでも自信を持ってひたすら真剣にモノマネを続けたという。
 木綿と絹の基本の「型」を徹底追求した下積み時代を経験したからこそ、「型破り」なヒット商品を生み出せるのだろう。

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企業データ

鳥越淳司社長

鳥越淳司社長

会社名 相模屋食料(株)
代表者 鳥越淳司社長
業種 大豆加工食品の製造販売業
所在地 群馬県前橋市鳥取町123
電話 027-269-2345

掲載日:2012年11月16日

群馬県製造業食品

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