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元気印中小企業


後発薬の追い風の中、急ピッチで事業拡大 [日新製薬]

元気のひみつ
  • 後発医薬品市場の伸びに乗り積極投資
  • 新工場完成で生産能力倍増
  • 70以上の医薬品メーカーから製造受託

 世界で最も早く高齢化が進む日本。医療費の節約は国が抱える大きな課題でもある。こうした中で、特許切れの新薬と同じ有効成分で作るジェネリック医薬品(後発医薬品)は新薬に比べ価格が安価であり、その普及が期待されている。後発医薬品メーカーの日新製薬は積極的な設備投資を進め、地元山形・天童を地盤に地域から生き残りに向けた挑戦を続けている。国は2012年度末をめどに後発医薬品の普及率(数量ベース)を現状の20%台から30%以上に引き上げる目標を掲げており、業界に追い風が吹いている。

後発医薬品市場拡大への対応

 業界団体の日本ジェネリック製薬協会が今年8月に発表した4-6月のシェア分析結果では、後発医薬品の普及率は約25%(同)。国が掲げる今年度内の目標達成は厳しい状況だが、市場は今後も拡大が見込まれる。一方で後発医薬品メーカーの競争は一段と激しくなりそうだ。日新製薬の大石俊樹社長は「業界の中では当社は小さな企業」と冷静に自社を見つめており、足場を固めて着実な前進をにらむ。
 同社の2011年5月期売上高は約121億円で、1957年の会社設立以来初めて100億円を突破した。12年5月期売上高は約145億円と、毎年業績を伸ばしている。
 当面は年商200億円規模を目標にしており、現在、本社工場近くの荒谷西工業団地(山形県天童市)に新たな医薬品工場を建設中だ。早ければ来年秋の稼働を目指している。新工場の本格稼働後には売上高220億-230億円が視野に入るという。
 現在の生産拠点は天童市に3棟、埼玉県川越市に1棟。自社製品のほか国内外の70を超える医薬品メーカーから製造を受託している。東日本大震災後も同社の製造ラインはフル稼働状態だ。増産に対応するための新工場は用地約5万平方メートルを確保。工場棟の延べ床面積は、約1万9000平方メートルの規模となる。固形剤専用工場とし、土地代を含む投資額は約105億円を見込んでいる。
 新工場の年産能力は10億錠で、本社工場と合わせて固形剤の生産能力は2倍になる。また新工場の倉庫部分には免震設備を導入する計画だ。東日本大震災の時には倉庫から医薬品が落下し、薬が使えなくなった事例もあった。業界全体で医薬品の安定供給が改めてクローズアップされている。同社は「安定供給は大きな使命」(大石社長)という覚悟のもとで、万全の手を打った。
 さらに新工場には世界トップクラスの封じ込め技術を導入する。ステロイド剤など医薬品製造の安全性を追求し、品質管理を高めるのが目的。先手を打った投資で、医薬品製造の委託を受ける顧客の信頼を一段と高くする狙いだ。
 「信頼を重ねることで次の仕事も生まれる」(同)。信頼を勝ち得るには他社との差別化がポイントになる。しかし後発医薬品は、薬効の面では他社製品との差はない。それだけに品質による差別化は重要だ。
 これまでも日新製薬は、光滅菌を活用した最終滅菌の技術を世界でいち早く導入した実績を持つ。熱に弱いポリエチレンボトル注射剤に光を照射する非加熱の滅菌法でだ。この技術が信頼性を高め、製造受託の増加にもつながったという。こうした試みの積み重ねが自社の存在感を高める。大石社長は「技術革新を続けることが中小企業には欠かせない」と強調する。

地域の雇用にも貢献

 期待の新工場は当初100人体制でスタートする予定。現在同社の従業員は販売会社を含めてグループ全体で約830人で、新工場の稼働後には1000人規模が視野に入る。ここ数年は数十人規模の雇用を継続しており、雇用面での地域貢献は大きい。
 その次の段階も視野に入っている。固形剤専用の新工場が稼働すれば、本社工場の関連ラインを順次移転。本社工場にも新たな製造設備の導入など約25億円の投資を計画中だ。新工場建設と本社工場の再構築関連を合わせると計約130億円の投資を今後の成長戦略に投じる形になる。
 国内の後発医薬品市場は今後も需要の伸びが期待できる数少ない市場でもある。しかし後発医薬品メーカーに加え、ここにきて新薬メーカーの参入も始まっている。国内の競争は一段と高まる環境だ。日新製薬は追い風を取り逃がさないよう細心の配慮を払いながら、地域から高品質な医薬品を作るという姿勢を堅持する。大石社長は「時代の変化をとらえつつ、生き残りに向けた差別化を一段と進めていく」とし、地域とともに新たな成長を狙う。


新たな成長に向けて建設中の新工場(山形県天童市)

新たな成長に向けて建設中の新工場
(山形県天童市)


Onepoint

地域に根ざし成長

 2010年には中小企業研究センター(東京都台東区)による「第44回グッドカンパニー大賞」のグランプリを受賞。後発医薬品メーカーとして積極的に事業を拡大してきた姿勢が認められた。日本における後発医薬品の普及はこれからが本番を迎える。今後も生き残りに向けて、技術の向上による事業拡大を進める姿勢に変わりはない。歴史的な円高などを背景に、全国各地で進出工場が撤退するケースも増えてきた。地域に根ざした中小企業の成長に地域からの期待も高まる。

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企業データ

大石俊樹社長

大石俊樹社長

会社名 日新製薬(株)
代表者 大石俊樹社長
業種 医薬品製造販売業
所在地 山形県天童市清池東2-3-1
電話 023-655-2131

掲載日:2012年10月30日

医療・バイオ山形県製造業

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