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元気印中小企業


アルマイトの可能性を広げる [熊防メタル]

元気のひみつ
  • ユーザーとはパートナーの立場
  • 付加価値をプラスして差別化
  • 開発は少数精鋭、短期集中

 九州はシリコンアイランドやカーアイランドと呼ばれる。半導体や自動車の関連産業の集積が一大産業を形成しているからだ。それらの産業を陰で支える基盤技術の一つが表面処理のメッキであり、九州にも多数の企業がある。その一角である熊防メタルは、半導体産業など熊本に進出した大手メーカーとともに成長。今では半導体や自動車以外の仕事も手がけ、全国に取引先を広げている。
 熊防メタルは1933年(昭和8年)に「前田めっき工業」として熊本市で創業。当初は自転車部品や個人客が持ち込んだマイカーのバンパーに光沢を出すためのニッケルメッキを施していた。その後、大手農機メーカーの部品も手がけるようになった。メッキ対象を鉄のみからステンレスなどに広げ、メッキの種類も増やした。
 1960年代後半、三菱電機が熊本県に進出して集積回路(IC)の生産に乗り出した時に、その協力メーカーとなった。三菱電機の熊本進出は、九州がシリコンアイランドと呼ばれるきっかけとなった出来事だ。熊防メタルが半導体とかかわる歴史の長さは、シリコンアイランドの歴史と同じと言える。
 三菱電機の新工場立ち上げは、同時に最先端の半導体製品の立ち上げでもあった。協力メーカーは単に仕事を受注する立場ではなく、製品開発のために一緒に試行錯誤するパートナーの性格が強かったという。

研究開発型企業へ

 半導体に続き、二輪車を含む自動車メーカーの進出に伴って自動車関連メーカーとの取引も始めた。これによって熊防メタルは「農機、IC、自動車が事業の三本柱になった」(前田社長)という。また半導体など先端企業への協力を通じて研究開発志向を強めた。
 86年には現在の看板技術となっているアルマイト処理に進出した。アルミは軽量化素材として、半導体製造装置や液晶製造装置の部材などに重宝されていた。液晶パネルの大型化にともない、製造装置も大型化が求められていた。熊防メタルは積極的な設備投資、で長さ3メートル近い大型部材へのメッキ処理にも対応した。
 前田社長は「何にでもメッキする。同時に、他社ができないものをやりたい」と差別化への意欲を示す。その具体策の一つが、メッキに付加価値をプラスすること。アルマイト処理では静電気を逃がすために導電性を付加し、処理後のエッチング加工も請け負う。

超硬質処理の開発に成功

 新しいアルマイト処理技術の開発にも積極的だ。2010年6月に開発した超硬質アルマイト処理技術は一般的な硬質アルマイト処理よりも硬度が高く、焼き入れ鋼相当の表面硬度を誇る。  硬度を高めた効果は大きい。強度の問題からアルミニウムを使えなかった機器でも軽量化の可能性が広がるからだ。同社は医療やロボット、航空宇宙分野での利用も見込んでいる。
 同社がこの技術の開発に着手したのは2009年6月。処理液の成分や処理温度など各種条件を変えた実験を繰り返した。硬さを示すビッカース硬度(HV)が従来は300-400HVだったのに対し、1.5倍以上の600HVを実現した。
 現在は専用の量産ラインを本社工場内に整備している。処理できる最大の大きさは縦500ミリ×横800ミリ、厚さ200ミリメートル。対応する重さは10キログラム以下だ。
 ラインはメッキ液や処理温度などの変更に柔軟に対応できる。さらに手動操作と自動制御が選択できるのも特徴。多品種少量生産と量産の両方に対応するのが目的だ。ラインの仕組みを固定しないことで、熟練技能者が経験を生かせる一方、経験の浅い若手の作業でも品質を維持できるようにする狙いもある。
 熊防メタルの研究開発力の背景にあるのが、弾力的にチームを構成する人員体制だ。顧客の要望などによって開発テーマが決まると、前田社長がチームリーダーを任命する。リーダーは年齢や経験と関係なく、テーマの実現化に最適と考える技術者を選抜してチームを構成する。1チームは5人程度の少数精鋭。短期集中で開発にあたり、開発を終えると解散する。最短では1カ月程度で解散するチームもあるという。
 前田社長はリーダーに若手を起用することが多い。チームによる研究開発を人材育成の一環ととらえているからで「責任を持って取り組ませるのが一番の教育」と語る。  九州内のわずかな取引先から始まった同社だが現在では取引先は全国に広がり、年間でのべ400-500社が顧客になっている。


独自のアルマイト処理のサンプル

独自のアルマイト処理のサンプル


Onepoint

期待に応える責任感

 熊防メタルの受注は、新商品開発の試作段階からというケースが多い。機密性の高い開発段階から協力を求められるのは同社が信頼されている証拠だ。その地位を維持するためには、期待に対して結果を出し続けなければならない。メッキに関する相談を受ける前田社長は、結果を出す責任感と、結果が出せなければ受注機会を失ってしまうという危機感とを常に感じているという。その思いが同社を技術提案型の研究開発企業に育てる原動力となっている。

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企業データ

前田博明社長

前田博明社長

会社名 (株)熊防メタル
代表者 前田博明社長
業種 メッキ業
所在地 熊本県熊本市東区長嶺西1-4-15
電話 096-382-1302

掲載日:2012年10月29日

熊本県表面処理

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