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元気印中小企業


“超精密”を武器に脱金型で成長目指す [ワークス]

元気のひみつ
  • ミクロンオーダーで加工する技術力
  • 独自のアイデアでコピーできないモノづくり
  • 取引先の多くが日本を代表するメーカー

 ワークスの本社は福岡県遠賀町虫生津にある。「虫が生まれる港」という意味を持つこの地は、静かな丘の上に立つ。工場には珍しい木を多用した社屋からビルや家屋は一切見えず、木々の緑や鳥のさえずりに癒やされる。「自然豊かな場所で仕事がしたかった」、三重野計滋社長はそう話す。精密金型が得意な同社の社是は「全宇宙の万物に喜びと感動を与える製品をつくる」。自然豊かな遠賀の地で、最先端の技術がメード・イン・ジャパンの製品を生み出している。

大手メーカーに続々と納入

 ワークスは精密金型部品製造を手がけるが、ほぼすべてが受注生産。電機や半導体、カメラ、自動車メーカーに金型や金型部品を供給している。
 1991年(平3)に「ミクロンオーダーの金型加工ができる企業は九州に少ない」と、三重野社長が北九州八幡西区に創業した。その後精密金型用丸パンチ・ピンの製造を開始。業容拡大とともに複数カ所移転を進め、07年に現在地に本社工場を建設した。
 「他社や他国がコピーできないモノづくりを常に意識している」。三重野社長の方針は明確だ。創業当時は「金型を作れば売れた」時代。だがその後環境は激変した。韓国を始めとしたアジア各国が急速に力を付け、電機など一部の業界は急速に競争力を失いつつある。
 「成長のためには金型そのものを作るのではなく、削る、磨くなどの加工技術にこだわる」。脱金型に向け、現在は業容転換を進めている最中だ。
 同社は10ナノメートル(ナノは10億分の1)レベルの加工が可能なマシニングセンター(MC)など、精密加工機2台を総額2億1000万円で導入した。戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の採択を受けて実現した。三重野社長は「これで微小電気機械システム(MEMS)などほとんどの機械加工が可能になった」と喜ぶ。
 直径0.125ミリメートル×長さ20ミリメートルのマイクロ穴開けピンや、加工精度がプラスマイナス0.0003ミリメートルのエンジン噴射ノズル穴開け用電極など、極細仕様の製品が日本を代表する大手メーカーへ続々と納入されている。

医療・バイオに期待

 今後期待しているのが医療分野。すでにマイクロニードル(針)を事業化した。直径0.02ミリメートル×高さ0.06ミリメートルの円すい形の型を作り、そこに材料を流し込んでニードルを作成する。ニードルは極細のため「刺しても痛みを感じない」と人気を呼んでいる。痛み止めなどの薬液を皮膚から注入する治療に使われるほか、大手化学メーカーが化粧用顔パック製造に利用している。
 今、医療業界から大きな注目を集めているのがカプセル内視鏡だ。九州工業大学などと共同で、磁気による振動で前後に移動する同内視鏡を製作している。年内にも試作機が完成予定で、まずは豚を使った実験からスタートする。
 カプセル内視鏡は既に医療現場で利用されているが、特定部位のみの画像撮影や、病変が疑われる生体の採取ができない。同社はこれら課題を克服して、診断の精度向上と時間短縮につなげる。三重野社長は「人体に利用できるようになるのは先の話。その前に工業用として利用できないか検討する」として、人間が侵入できない狭い、危険な箇所の検査に使用を検討している。
 一方、バイオ分野では遺伝子操作のための工具づくりの依頼が相次いでいる。牛やウナギ、マツタケなど農・畜産品の改良を進めるにあたり、極細の工具が必要となる。「遺伝子を網目状にカットするための直径0.2ミリメートルの工具はできないかなどの依頼がある」(三重野社長)という。同社はこれら精密製品の製造にもできる限り応えたいと考えている。
 ほかにも液晶のバックライト基板に利用する「マイクロレンズアレイ」や、タングステンとセラミックスを混合して耐熱温度を向上させた加工工具用材料など、多くの新技術開発に挑戦している。
 日本の金型メーカーの多くが苦戦を強いられている中で、ワークスは「超精密」という独自技術で新たな道を切り開いている。「日本がモノづくりをやめたらおしまい」とたゆまぬ努力を続ける三重野社長の姿に、わが国の中小企業の底力が見える。


マイクロニードル

マイクロニードル


Onepoint

夢はナノテクパーク

 「遠賀のこの地にナノテクパークを作るのが夢」―。三重野社長はこう語る。約1万3000平方メートルの緑豊かな敷地はまだ十分余裕がある。壮大な夢と笑えない技術を同社は持っている。電機、自動車、化学など取引先は日本を代表する企業がズラリと並ぶ。大企業は手を出さない、だが並の中小企業では技術力がない。「保有する加工技術で一歩も二歩も先を行く」ニッチなミクロン加工分野で頂点に立てば、夢はおのずと現実になるだろう。

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企業データ

三重野計滋社長

三重野計滋社長

会社名 (株)ワークス
代表者 三重野計滋社長
業種 金型部品製造業
所在地 福岡県遠賀町虫生津1445
電話 093-291-1778

掲載日:2012年10月23日

医療・バイオ福岡県製造業金型

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