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元気印中小企業


疲労回復ウエアの開発で急成長 [ベネクス]

元気のひみつ
  • 「休養時に着るウエア」という独自のアイデア
  • 疲労回復の基となる特許技術を自社で開発
  • 失敗してもめげずに挑戦を続ける攻めの姿勢

 ウエアを身にまとうことで疲れを取り除く「リカバリーウエア」を製造、販売するのが、神奈川県厚木市に本社を構えるベネクスだ。2009年8月の発売以来、プロスポーツ選手や会社員に支持され、販売枚数は10万枚を突破した。大手百貨店でも販売され、12年4月以降は月4000枚を売り上げている。
 この夏行われたロンドン五輪で、レスリング48キロ(グラム)級で金メダルを獲得した小原日登美選手、同じくレスリングフリースタイル66キロ級金メダルの米満達弘選手らが所属する自衛隊体育学校は、五輪前からリカバリーウエアを採用している。金メダルの影の立役者ともいえよう。32歳の中村太一社長は「売り上げは年々右肩上がりに伸びていて、購入者からの反応も良い」と胸を張る。
 リカバリーウエアは一般的な疲労回復ウエアとは一線を画す。従来品は筋肉を締め付けることで血管を絞り上げ血行を促し、疲労物質を取り除く性質の商品。これに対しリカバリーウエアは、ポリエステル繊維にナノメートル(ナノは10億分の1)単位で構成するオリジナル素材「DPV-576」という、人間の血流を良くする効果がある素材が練り込んである。この素材は東海大学健康科学部の松木秀明教授によるストレス軽減実験や、米UCLAドリュー医科大学のマンドゥ・ゴーナム博士が実施した免疫活性実験などにより効果が実証されている。

ある日、突然の出会い

 ベネクスは05年9月に神奈川県小田原市で創業した。創業当時は介護向けの健康関連商品が主業務だが、あくまでも他社商品の代理店販売だったため「新参者には敷居が高く営業先に全く相手にされなかった」(中村社長)という。
 創業数カ月で壁に当たってしまった中村社長は、「介護向けのオリジナル商品を早急に作りあげる」と決意。起業前に3年間働いていた介護関連の会社で、背中の血行不良により床ずれを起こす寝たきり高齢者を何人も見てきた経験から、背中の血行を促進することで床ずれを軽減するベッドパットを開発に着手した。ナノメートル単位の先端材料を開発する会社を見つけ出し、共同研究を依頼、受け入れてもらった。
 連日、ナノメートル単位に加工された白金と数種類の鉱物をさまざまな割合で配合し、血行への効果を確認する。中村社長は「いいアイデアが夢に出て、目が覚めた瞬間にメモを取っても大事なところを忘れてしまい悔しい思いをしたこともあった」と話す。4カ月ほどたち、血行を促進する効果が見込めるオリジナル素材「DPV-576」を開発。その後も苦労の連続だったが、何とか繊維にまで完成させた。そして06年秋に、ヘルパー向けの商品として「床ずれ防止ベッドパット」を、翌07年秋には着ると疲労回復を促すTシャツ「ケアウエア」を完成させた。
 しかし「期待とは裏腹に、商品は売れなかった」と、中村社長は打ち明ける。結果にぼう然としていた矢先、ケアウエアを出展していた介護の展示会場で、スポーツジムの関係者に声をかけられた。「疲労回復に効くのなら、介護向けとあるがアスリートに使えないだろうか。アスリートの体はみなぼろぼろです」と声がかかった。半信半疑だったが他に頼るところもない。あるスポーツジムで販売したところ、何と1カ月で数百枚を売り上げた。ベネクスは商品の標準を介護からスポーツに転換した。ウエアの名称も、ケアウエアからリカバリーウエアに変更ぢ、スポーツジムを中心に売れに売れた。評判を聞きつけ、アウトドア専門店や百貨店店も取り扱うようになった。「ただ着て寝ていれば疲労が回復するという概念が人々にインパクトを与えたのではないか」と中村社長の理由を分析する。

素材の応用で可能性広がる

 リカバリーウエアで急成長を遂げたベネクスだが、一度挫折した介護業界への再挑戦している。東海大学健康科学部の志水恵子教授の研究室などと共同で、マットレスや靴下の商品化を視野に研究を続けている。
 また、血行を促進する効果を見込まれるオリジナル素材「DPV-576」を応用し、航空宇宙分野への進出も果たした。航空宇宙関連部品の品質保証と品質管理などを手がけるJASPA(横浜市中区)と提携し、長時間の搭乗への疲労や時差ボケなどの解消に効果のある新しい繊維・ウエアを開発に着手した。将来はJASPAの助言を得ながら、規格の厳しい航空機部品の開発にも取り組む考えだ。中村社長は「まずは『パジャマと言えばベネクス』と言われるようなブランドに育てていきたい」と抱負を語る。そして「素材を応用できる領域は広い。今後、事業展開の可能性を見極めていきたい」と意気込む。


休養時に着ると疲労回復に効果がある「リカバリーウエア」

休養時に着ると疲労回復に効果がある
「リカバリーウエア」


Onepoint

困難に逃げずに立ち向かう青年社長

 中村社長の座右の銘は「失敗したからといって命までは取られまい」。これは高校2年の時にラグビーの練習中に脳内出血を起こした経験から。「生死の境をさまよった経験があるからこそ、今の自分がある。だから逃げるわけにはいかない」(中村社長)という。知識ゼロから短期間で疲労回復に効果があるオリジナル素材を作り上げるなど、同世代の他の起業家とは違う気概を感じさせる。失敗を恐れず挑戦し続ける青年社長の姿勢は、将来を存分に期待させる会社だ。

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企業データ

中村太一社長

中村太一社長

会社名 (株)ベネクス
代表者 中村太一社長
業種 疲労回復ウエアの開発、販売業
所在地 神奈川県厚木市旭町1-21-8
電話 046-280-4117

掲載日:2012年10月11日

神奈川県製造業

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