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元気印中小企業


最新設備と人を融合し付加価値を追及 [藤田ワークス]

元気のひみつ
  • 技術で差別化し国内でのレーザー加工を堅持
  • 新鋭機を積極導入し常に最新技術を習得
  • 不況時には改善活動で社内改革

 安い人件費に支えられたアジア諸国とのコスト競争で、日本の製造業は劣勢が続いている。さらに近年、アジアの企業は設備を近代化し、品質面でも日本を追い上げてきた。これに伴って国内製造業の海外進出はとどまるところを知らず、産業の空洞化が大きな問題となってきた。そのような中、国内生産を守り、発展させている企業が鹿児島県にある。精密板金加工メーカーの藤田ワークスだ。

積極的な設備投資

 同社は半導体製造装置や液晶製造装置メーカー、化学メーカーなど世界市場で展開するメーカーを顧客に持つ。「ユーザーには自社工場という意識を持ってもらい、製品は一緒に作り上げていく」(藤田康路社長)という姿勢。従来製品でもコスト削減や品質の安定など顧客に対するメリットが期待できれば、加工法を変えることをいとわない。切削加工製品に対して形を変えずに板金加工への切り替えを提案することもある。板金のアピール点の一つは切削くずが発生しないことだ。
 藤田社長は設備と品質について「最新の機械を持てばある程度の仕事はできる。しかし機械があるだけではできないこともある」という。そこからは設備と人の技術の融合に生き残りをかけ、設備投資を怠らず、技術者による付加価値を追求する姿が浮かび上がってくる。
 同社では設備投資は好不況にかかわらず計画的に行う。受注が比較的少なかった2011年も独トルンプ製のレーザー溶接機などを導入した。同社はレーザー加工機などでトルンプ製を10台近く保有している。投資に積極的な背景には「加工精度もスピードも現状維持では競合他社に遅れてしまう」(同)との危機感がある。
 新たに導入された加工機は技術者のノウハウが加わって付加価値を生む。運転プログラムは自社による独自のものだ。例えば板を格子状に切るだけの場合でも切るスピードや順番によって品質に違いが出るという。また同じ立体でもさまざまな展開図があるなど「板金加工はいろいろな創意工夫の余地がある」(同)と、品質向上に多くの可能性を見出す。
 藤田ワークスの強みの一つは薄板の溶接だ。軽量化を目的に薄板化は進む傾向にある。ステンレスでは厚さ1ミリメートル以下で溶接後に絞り加工ができる溶接も可能だ。
 異なる金属の溶接も得意とする。07年には鉄、チタン、ニッケルなど異なる金属5枚を1回で接合する「5層同時接合」法を開発した。しかも1枚ずつの接合ではなく5層構造を1回で接合する。通常、熱伝導性など特性の違いで異種金属の溶接は難しい。
 しかし電流や接合部分の形状などの条件を変えて行う接合テストや接合装置の改造を繰り返して、開発にこぎ着けた。接合個所によって接合条件を変えるノウハウも持つ。現在では開発のターゲットとしていた化学プラントの部品などに採用されている。

不況時こそ改善活動

 藤田ワークスは日常的に改善活動に取り組む。さらに受注が低調な時期は多くの時間が使えるため活動に拍車をかける。藤田社長は現在「仕事が落ち着いている今こそいろいろなことの変えどきだ」と、さまざまな改革を進める。
 例えば工場内の機械のレイアウト変更。加工機などの新規導入がなくても納期短縮や品質向上を目指して実行する。レイアウトに最終形はなく、改善の余地は必ずあるとの前提がある。同社はレーザー発振器1台で複数のレーザー加工機を運用する「レーザーネットワーク」と呼ばれる技術を採用。発振器が少なく済むことで省スペース化し、レイアウト変更に貢献している。
 11年には担当作業の進行状況に合わせて勤務時間を変更できる時差出勤制度を導入した。目的は納期の短縮と勤務の効率化の両立だ。納期短縮ではユーザーの工程を第一に考えて、自社の作業工程を見直す。藤田社長は「顧客がグローバルに展開しているなら納期もグローバルに考えている」という。また従来あった前工程の待ち時間の解消で勤務の効率化も実現した。
 国内の製造業は厳しい事業環境にある。藤田ワークスも例外ではない。しかし藤田社長は海外進出せずに国内で生産を維持することを明確にし「地元雇用を守る」と断言する。そして「価格競争はしない」と技術による差別化方針を変えるつもりはない。今後は従来取引がある業界にとどまらず新エネルギーなど新分野からの受注も獲得していきたい考えだ。


本社工場のレーザー加工機

本社工場のレーザー加工機


Onepoint

地方の危機感ひしひし

 藤田社長は地元の異業種交流会の代表を務める。地元企業との交流などで危機感を強めているのが、雇用の減少が招く地方の疲弊だ。地方に拠点を置き、地方の生の声を聞いているため、雇用に対する思いは並々ではない。その思いは自社に対する厳しさにつながっている。社内では「妥協は一切しない」「頑張ったでは意味がない。結果を出さなければいけない」といった厳しい言葉が出る。それは従業員に向けるよりも自分自身に向けているようだ。

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企業データ

藤田康路社長

藤田康路社長

会社名 (株)藤田ワークス
代表者 藤田康路社長
業種 精密板金業
所在地 鹿児島県霧島市国分上野原テクノパーク12-18
電話 0955-46-6100

掲載日:2012年10月 5日

製造業鹿児島県

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