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元気印中小企業


よみがえらせた大分の銘菓を全国区に [ざびえる本舗]

元気のひみつ
  • 自分たちで守りよみがえらせた自信
  • 県外に市場を拡大し売上を10年で1.8倍に
  • 首都圏限定商品を開発し全国区目指す

 「2012年末までに首都圏限定商品を完成させる」。ざびえる本舗の太田清利社長はそう意気込む。同社は大分県で抜群のブランド力を誇る和洋折衷焼き菓子「ざびえる」を製造販売する。11年に創業10周年を迎え、現在を第二の創業期と位置づける。今後の目標はざびえるを全国区の銘菓に育てること。競争が激しい首都圏市場で商品の認知度をさらに高め、東京発の大分銘菓として販促強化を目指す考えだ。
 ざびえるは1962年の発売以来、大分県を訪れる観光客の土産物や贈答品として親しまれてきたロングセラー商品。商品名は戦国時代に豊後国(現大分県)を訪れ、キリスト教を伝えた宣教師、フランシスコ・ザビエルにあやかった。
 ミルクバターが香るビスケット生地の皮にあんを包み込んだ焼き菓子で、あんは純和風の白あんとラム酒レーズンを刻み込んだあんの2種類。菓子箱は高級感を意識した黒地を基調とするビロード風のデザインが特徴だ。

倒産を乗り越え

 実はざびえるを生み出したのは、00年に倒産した老舗菓子メーカーの長久堂(大分市)。店頭から姿を消した看板商品を惜しむ根強いファンの声に押され、長久堂で営業課長だった太田氏が01年にざびえる本舗を設立し、銘菓を復活させた。
 同社の12年8月期売上高は設立当初の約1.8倍となる約7億円。売り上げの約7割がざびえるだ。地元百貨店や駅、空港を中心に販売し、売上の約7割が大分県内、その他の九州地区で2割、首都圏で1割。全国的に販路を拡大し、順調に売り上げを伸ばしてきた。こうした成長は、不退転の決意でざびえる復活に臨んだ太田社長の強いリーダーシップと、再起をかけて共に汗をかいた長久堂時代の同僚社員らの奮闘の賜物だ。
 事業の成否を握った最初の課題は、ざびえるの商標権取得、資本金、そして商品の完全復活させるための製造ノウハウだった。商標権は長久堂元社長が所有していたため、大分県菓子工業組合(同)を通じて取得、資本金は会社設立時からの現社員らが捻出した。
 ただ商品の完全復活は難航した。破産管財人から生地を包む包あん機といった生産設備は買い戻すことができたが、長久堂時代から使っていた長さ13メートルのじか火式トンネル焼成窯は、資金不足で導入できなかった。
 そこで熱風式ラック窯で代用した。しかし昔ながらの食感がどうしても出せない。慣れない窯の焼条件を見つけるのに約3カ月間試行錯誤が続いたという。
 長久堂時代に弱みだった営業戦略も見直した。商品アイテム数が多いと製造コストを圧迫してしまう。戦略商品はざびえる一本に絞り、直接営業に注力した。「創業から3年はがむしゃらに事業を軌道に乗せることだけを考えた」と太田社長は振り返る。
 生産が拡大するにつれ、手狭となった本社工場も2度移転した。04年に大分流通業務団地(同)に建設した新本社工場は、食の安全・安心に配慮し危害分析重要管理点(HACCP)に準拠する工場とした。
 最新工場になっても、納得いく商品の食感や焼き加減を追求する手は決して緩めない。11年は約3億円を投じて既存工場を増設し、悲願のトンネル焼成窯を導入した。これにより月産能力を1.5倍に引き上げ、会社設立10年目にしてようやく満足できる生産体制を整えた。

首都圏限定で勝負

 今後の目標は「ざびえるを全国ブランドに育てること」と、太田社長は意欲満々。長久堂を越える全国区のモノづくりに挑戦することこそ、次の10年に向けた成長戦略と位置づけている。
 それには現状に満足することなく、全国に情報発信力がある首都圏市場での販路拡大が欠かせない。ただ巨大市場で地方の菓子が存在感をアピールするのは至難の業。全国のライバル商品としのぎを削るには「新商品開発が必要」と決意した。
 開発する商品は首都圏限定だ。商品名はそのままに、現行品よりビスケット生地の乳脂肪分を増量して、ミルクバター風味をより豊かにする。また菓子箱のデザインなども一新する。13年から販売する考えで、5年後は首都圏で売上高3億円、全社で10億円を目指す。
 幾多の苦難を乗り越えながらキリスト教を布教に努めた偉大な宣教師の名を冠した大分の銘菓は、まさに太田社長の熱い思いを乗せて全国へ布教の旅に出ようとしている。


根強いファンに愛される「ざびえる」

根強いファンに愛される「ざびえる」


Onepoint

復活の軌跡に感動

 2011年に会社設立10年目の節目を迎えたざびえる本舗。地元の絶大な応援を受け、大分銘菓「ざびえる」を復活させた軌跡に強い感動を覚える。ざびえるのほかにも長久堂が開発した銘菓「瑠異沙(るいさ)」を02年に、10年はゴーフレット(焼き菓子)の「ロザリオ」を再現した「月さらさ」なども相次いで発売した。ただ今後は不死鳥のようによみがえったざびえるを、全国ブランドに羽ばたかせるための正念場が待ち受けている。自慢の菓子だからこそ、新たな高みへ挑む同社の飛躍を大いに期待したい。

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企業データ

太田清利社長

太田清利社長

会社名 (株)ざびえる本舗
代表者 太田清利社長
業種 菓子製造販売業
所在地 大分県大分市大分流通業務団地1-3-11
電話 097-524-2167

掲載日:2012年9月27日

大分県製造業

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