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元気印中小企業


100年続くベンチャー魂、ビーズミルの新市場を開拓 [アシザワ・ファインテック]

元気のひみつ
  • ナノメートルレベルの超微粉砕技術
  • アイデアと行動で市場を切り開くベンチャー魂
  • 電子材料から食品まで得意先は大手が大半

 アシザワ・ファインテック(AFL)は、球状の媒体を使って、粉体などの微粒子をマイクロメートル(マイクロは100万分の1)やナノメートル(ナノは10億分の1)の領域まで細かく粉砕・分散する装置「ビーズミル」のメーカーだ。装置の開発・製造・販売から、装置を用いた微粉砕・分散の受託加工まで手がける。装置の主なユーザーは、塗料やインキのメーカー、製紙業界からコンデンサーなどの電子材料メーカーや電池材料業界、食品メーカーまで多岐にわたる。顧客の多くは大手企業で、寄せられる信頼は高い。

「常に開発を・・・」

 ビーズミルとの出会いは32年前にさかのぼる。当時、AFLの源流、芦沢鉄工(現アシザワ)は、同じ工場敷地内で事業を営んでいた関連会社の粉砕機事業を引き継いだ。作る粉砕機は、3本のロールで砕く古い世代のものだったが「扱うメーカーが増え始め、機運が高まってきた」(芦沢直太郎社長)と、ビーズミル市場への参入を決める。参入時にはドイツのドライス社と、その4年後にドイツのネッチ社と提携契約を結んだ。
 だが当時の芦沢鉄工は噴霧乾燥機の製造が主力。粉砕機の開発部門は設けていなかった。先代の社長が、ユーザーから出た要望や問題点をドイツ側に報告し、助言を求めるなどのやりとりをした。ユーザーには塗料メーカーのほか電子材料の磁性体を作る業者もおり、「当時の日本の電子技術は欧米以上。粉砕機に求める水準も高かった」(同)と、ドイツ側と話がかみあわなかったこともあったという。
 また、芦沢鉄工はビーズミルでは後発だった。比較的簡単な技術で作れる大型粉砕装置を多ユーザーに売る市場は、先発組の大手メーカーに独占されていた。「大手では対応できず、日本のユーザー特有の難条件でも粉砕できる装置を開発しなければ、事業が成立しない」と危機感を抱き、80年代後半に自社開発を決意する。電子部品材料分野などの要望を装置に反映していき、ニッチ市場を広げていった。「自らのアイデアと行動で市場を切り開く」(同)というベンチャー魂がこの時に生まれた。

ナノレベルの粉砕に強み

 AFLのビーズミルは、対象物を最小10ナノメートル未満まで粉砕できる技術力で、評判。だが、同社がナノレベルを目指すようになったのは、偶然だった。
 ビーズミルへの参入当初、粉砕目標として掲げたのは、要望の多かった数十マイクロメートルだった。要望は年を追うごとに微細化。80年代の終わりには、対象物を1マイクロメートル以下に粉砕できるまで技術が向上していた。
 ナノレベルを視野に入れたのは、2000年代。当時のビーズミルは、サブミクロン(1マイクロメートル以下)までに粉砕ができた。「当時はナノテクノロジーが叫ばれ始めた時。サブミクロンは数百ナノメートルのこと。ナノ単位に十分到達できる」と気付いた芦沢社長は、ベンチャー魂で開発を徹底した。現在のビーズミルは小型化が進む電子材料分野で重宝されている。

国内で生き残りを決意、受託加工にも参入

 同社の売り上げの99%は国内。ユーザーは海外への生産拠点移転が進むが、社長は「会社の体力を考えると、国内市場で新販路を開拓していくしかない」と認識する。昨今寄せられる要望は「サイズは小さく、微細な粉砕を少量でできる装置」。高い性能が装置の実現に寄与し、応じれば顧客は喜ぶ。しかし同時に自らのマーケットも狭めるというジレンマにも陥っている。
 「装置だけでは先行き不安」と実感し、04年に微粉砕・分散の受託加工を始めた。現在の加工体制は7人。電子材料を中心に加工依頼を集め、試作や量産化に向けた加工に取り組んでいる。加工依頼は増加傾向という。
 現在、目下取り組んでいるのは医薬原体(API)向けビーズミル事業の開始に向けた土壌醸成だ。ネッチ社製のAPI向けビーズミル「デルタ・ヴィータ」シリーズを、13年に輸入販売する予定だ。
 これら全ての行動の源泉は芦沢社長を始め、従業員全員が持つベンチャー魂だ。芦沢社長の最終目標は「社長がいなくても、事業が滞りなく運ぶ会社」。目標達成には、従業員一人ひとりがベンチャー魂を強く持つことが重要と考えている。「人材育成の究極的な目標は次の経営者を育てること」。芦沢社長は全従業員のベンチャー魂のさらなる育成に意気込んでいる。


ナノ粒子を量産できる湿式ビーズミル「スターミル MAXナノゲッター」

ナノ粒子を量産できる
湿式ビーズミル「スターミル MAXナノゲッター」


Onepoint

今後はどんな分野に市場を開拓するか

 持ち前のベンチャー魂をフルに生かして、ビーズミル事業を展開するアシザワ・ファインテック(AFL)。「日本の顧客に合う装置を1から作ること」を信条に取り組んできた。AFL自身、約10年前に機械製造と不動産管理を営むアシザワから、製造部門を分社。名実ともに、ベンチャー企業として事業にまい進してきた。まもなく、アシザワは創業して110年となる。AFLとして次の10年だけでなく、次の100年を見据え、今後どのような市場に展開していくのか。ベンチャー魂の見せ所だ。

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企業データ

芦沢直太郎社長

芦沢直太郎社長

会社名 アシザワ・ファインテック(株)
代表者 芦沢直太郎社長
業種 湿式および乾式微粉砕・分散機(ビーズミル)の開発・製造・販売業
所在地 千葉県習志野市茜浜1-4-2
電話 047-453-8111

掲載日:2012年9月26日

千葉県製造業

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