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元気印中小企業


「世の役に立つ」と苦節15年で花開いたヒートポンプ [サイエンス]

元気のひみつ
  • 世の中のためになる製品を出すという信念
  • ピンチを乗り切った思い切った方針転換
  • 15年間あきらめない粘り強さ

 サイエンスはヒートポンプシステム、循環型ろ過装置メーカー。近年、注力しているのは1台で冷却と給湯を同時に行えるヒートポンプ「ecoマルチヒーポン」だ。年間を通じて排熱を有効活用できるため「エネルギーを無駄にせず、エネルギーコストも抑えられる」と産業界から高い評価を得ている。
 これまでにサッポロビール、ロッテ、シマダヤなど食品関連工場のほか、京王プラザホテルや東京大学など幅広い業界へ納入し、実績は着実に増えている。桑原克己社長は「省エネに関する意識の高まりが後押ししている。開発当時はこのような状況になるとは想像していなかった」と振り返る。

独立して大ヒット商品を出すも・・・

 桑原社長はパナソニックの出身で、同社時代は住宅向けの電気設備工事などの業務に携わっていた。この経験を生かし、「設備設計から設置、メンテナンスまで一貫受注して、本当に使い勝手の良いサービスを提供しよう」と独立、電気設備会社を設立した。10年連続でパナソニックから優秀協力店として表彰を受けるほど事業は順調だった。しかし、仕事を通じて水道の配管や貯水槽の汚れに直面する中で「水を通じて世の役に立ちたい」との思いが強まり一念発起する。新たにサイエンスを設立し、循環ろ過装置を内蔵した24時間浴水浄化・保温システム(24時間風呂)を家庭向けに開発した。
 同製品は蛇の目ミシンのOEM製品としても販売され、大ヒットした。ただ皮肉にもその頃、他社製の24時間風呂でレジオネラ菌による死亡事故が発生し、その余波をうけ売り上げは急速に後退した。このため、ろ過装置事業は業務用への特化し、新たな事業の柱として打ち出したのが、これまで蓄積した電気関連技術を生かしたヒートポンプの開発だった。
 桑原社長は「開発はもちろん大変だった。しかし、本当に大変だったのは、市場で(役に立つ)製品として認められるまでいかに我慢強く粘れるか、ここが勝負所だった」と振り返る。

信念をもち毎年1億円を研究開発に投資

 ヒートポンプが完成するとあらゆる業種の工場に出向き、試験的に導入してもらい、ニーズを拾い改良を重ねていった。桑原社長は自身の資産を持ち出すなど研究開発費に毎年1億円の投資を続けた。それだけヒートポンプにかけていた。「極端な話、従来の事業を粛々と継続し、何も(開発)しなければ毎年1億円ずつ利益が出る。しかし企業として“世の中のためになる製品を開発し、貢献したい”というのが昔から変わらない信念」。製品化に3年、ブラッシュアップした製品で徐々に納入実績を作り、製品が本当に認められるまでに15年近くを費やした。
 昨年、発売したヒートポンプの新型機は、同社がこれまでの市場投入してきたヒートポンプの集大成と位置づけた製品だ。給湯能力が従来機の1.5倍の15馬力で、温水の温度をこれまでより5度C高い60度Cに維持できる。また、狭い場所にも設置できるよう、全面的に設計を見直し省スペース化を実現した。
 桑原社長は「中小・ベンチャー企業に必要なのは市場を創出する力と何事も諦めない粘り強さ、そして運」と強調する。さらに「日本にはもっと中小、ベンチャーが発展できるような仕組みづくりや、真の意味で大学と企業が一体となり研究開発に取り組める環境作りが必要」と指摘する。同社は、これからも世の中のためになるモノづくりを愚直に進めていく考えだ。


ヒートポンプの最新機種で空冷式の「SCV-015AW-F」

ヒートポンプの最新機種で空冷式の
「SCV-015AW-F」


Onepoint

中小企業に必要な力と環境

 桑原社長は企業人として、常に「世の中のためなる製品開発を続けて社会貢献したい」という揺るがぬ信念を持ち、今も走り続けている。毎年多額の研究開発費を投資し、15年という長期にわたりねばり強く開発を進めたからこそ、他社と差別化した製品が誕生した。それを支えてきた経営の力も見過ごせないだろう。近年は新卒者の採用も積極化しており、同社の次世代を支える若手社員育成をどう進めていくかにも注目したい。

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企業データ

桑原克己社長

桑原克己社長

会社名 サイエンス(株)
代表者 桑原克己社長
業種 ろ過装置とヒートポンプシステムの設計、開発、販売、メンテナンス業
所在地 埼玉県さいたま市北区宮原町2-15-10
電話 048-665-7733

掲載日:2012年9月18日

埼玉県環境製造業

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