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元気印中小企業


技術力、信頼性、独自性を備えた無敵の中小企業 [岡崎製作所]

元気のひみつ
  • 工業用温度センサーで国内シェアNo1
  • ロケットに搭載される信頼性とギネス認定の独自技術
  • 顧客中心のぶれない経営力

 工業用温度センサーで国内市場の50%以上を占める中小企業がある。この会社の温度センサーは宇宙開発事業団(JAXA)のH-ⅡAやH-ⅡBロケットにも搭載されている。さらに、導線を金属管に入れ無機絶縁体で固定するMIケーブルの年間生産量は世界一の1万キロ(標準径3.20ミリメートル)。シース熱電対は外径が0.08ミリメートルと世界最細化し、ギネス世界記録に認定された。これらの製品を手がけているのが岡崎製作所だ。2012年6月に岡崎一英社長が就任した。半世紀近く経営のかじ取りを務めてきた父(現岡崎一雄会長)からバトンを受け、さらにその勢いを加速している。
 岡崎製作所は54年1月に米国製センサーを輸入する岡崎貿易としてスタートした。二代目の岡崎一雄氏(現会長)は入社と同時にメーカーへの転身を図り、59年に製造部を設立、温度センサーの一つである熱電対の生産を始め、72年に導線を金属管に入れ無機絶縁体で固定するMIケーブルの国産化に成功した。海外進出も早かつた。80年にわが国で2番目(中小企業では初)の海外TOBで米国の大手熱電対メーカーARIを傘下に収め、87年には台湾に工場を設けた。
 同社の温度センサーは絶対温度に近いマイナス260度Cの低温から1260度Cの高温まで過酷な環境下で正確に温度を測定できる。温度計測の正確化、迅速化、高耐久化には欠かせない存在となり、現在、身近な繊維から航空宇宙までさまざまな分野で利用され、燃料電池、環境機器、医療機器などにも広がっている。

ナンバーワンになるための苦労

 同社がここまで成長するには大きな苦労があった。それが原子力と航空宇宙への挑戦だった。原子力では77年から模擬燃料棒の開発に取り組んだ。「当時の全社員130人のうち、30人を研究開発に投入した。開発の半ばで技術者が根を上げたが、これをものにしないとトップになれないと、元は経理屋だった私も死にものぐるいで取り組んだ」(岡崎一雄会長)と振り返る。その苦労が実を結び、耐久試験で他社が20回程度で壊れるところ、110回まで耐えることができた。おかげでその製品はその企業の原子力製品で規定品とされ、今日でも使用されている。
 航空宇宙では84年から温度センサーの国産化に挑戦した。1年目は5社での競争だったが、要求の高さから次々と他社が脱落し、2年目には上場企業と同社の一騎打ちとなった。当時の同社の売上高は約30億円。ライバルに比べ、資金面などで不利だったが、同社の技術と熱意にほれた地元の金融機関が全面支援してくれた。「これに勝たなければナンバーワンにはなれない」(同)の信念で90年に開発に成功し、JAXAの正式認定を受けた。この努力があって現在、国産ロケットのH-ⅡAやH-ⅡBの全機に搭載されている。

顧客中心と分野を極めてさらに発展

 この2つの分野への挑戦が、現在の岡崎製作所を築いたと言える。08年には世界最大級規模(敷地面積8万2000平方メートル)のMIケーブルを生産する工場を完成し、その年間生産量は1万キロメートル(標準径3.20ミリメートル)と世界一になったほか、12年2月には本社工場(神戸市西区)を稼働させるなど、その勢いは止まる事を知らない。
 これらを実現してきたのは、社長就任から約半世紀の間、一度も赤字のない経営をしてきた岡崎一雄現会長の手腕にある。その経営指針に「すべて顧客を中心に考える」と「その分野を極める」を掲げる。不良品対策を例に取れば、原因を追及しても、代替品の提供で済ませてしまうのが通常のところ、同社はどの環境下で不良品が出るのかまでを検証し、対策を提示するまで徹底している。
 一方、分野を極める好例がシース熱電対だ。03年にシース外径が0.1ミリメートルの世界最細の製品の量産化に成功したが、09年に0.08ミリメートルとさらに細さを更新した。これは10年にギネス世界記録に認定されているが、現在はさらに0.07ミリメートルを目指して取り組んでいる。12年6月、この2つの経営指針を実践する岡崎製作所のバトンが長男の一英氏に渡された。「これまでの方針を引き継ぎ、12年度の売り上げ目標は120億円。海外での販路開拓と生産の効率化で毎年10%アップを達成する」(岡崎一英社長)と意気込む。変わらない経営指針のもとで確実に顧客の要求に応え、その分野の極みを目指す同社の将来はさらに広がりそうだ。


岡崎製作所の「0.08ミリメートルの超極細シース」

岡崎製作所の「0.08ミリメートルの超極細シース」


Onepoint

コンサル泣かせのぶれない経営

 岡崎製作所の強みは岡崎一雄氏のもとで「すべてを顧客を中心に考える」と「その分野を極める」を徹底してきたことに尽きる。この考えを実践し、技術力と対応力のいずれも向上させてきた。技術力は他社が追随できないレベルに到達し、対応力では量産ラインはもちろん、納期1日と特急製品にも即納できる人員と生産体制を構築している。就任間もない岡崎一英社長氏も早くから同社に携わっており、今後の経営にブレもなく経営コンサルタント泣かせの企業といえる。

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企業データ

岡崎一英社長

岡崎一英社長

会社名 (株)岡崎製作所
代表者 岡崎一英社長
業種 熱電対、測温抵抗体など温度計測用検出端、工業用精密ヒーターの製造・販売
所在地 兵庫県神戸市中央区御幸通3-1-3
電話 078-251-8200

掲載日:2012年9月 7日

兵庫県製造業

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