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元気印中小企業


デジタルX線画像システムで医療を支える [アールエフ]

丸山次郎社長

丸山次郎社長

会社名 (株)アールエフ
代表者 丸山次郎社長
業種 機械器具製造業(医科用・歯科用・産業用)
所在地 長野県長野市中御所岡田町3
電話 026-225-7700

 アールエフ(長野市)はフィルムを使わないデジタルレントゲンやカメラ直径が極めて細い先端可動式工業用内視鏡など、独創的な製品を開発している。特に力を入れているのが、医科や歯科の診察に使うデジタルX線画像システムだ。1000万円以下というクリニックの経済的負担を抑えた価格帯を実現した。低被ばくで患者の負担も軽減できる。丸山次郎社長はデジタル回線で地方の医師と都心部の専門医をつないで患者を診断することで「医療格差の是正につなげたい」と意気込む。

18年連続で増収

 大学卒業後、コンピューターメーカーの技術者やフリーの技術コンサルタントとして活動してきた丸山社長は1993年に創業し、98年に同社を設立した。主に放送用小型無線カメラを手がけていたが、日系米国人の歯科医の熱望で開発した歯科用ワイヤレス口腔(こうくう)内カメラが現地でヒットしたのを皮切りにデジタルレントゲン「NAOMI」、カプセル内視鏡「Sayaka」など個性的な製品を相次いで開発していった。
 創業から18年連続で増収が続いている。東日本大震災の影響が懸念されたものの、2012年5月期の売上高は過去最高の110億円(前年同期比12.2%増)となる見通しだ。
 同社は研究開発型メーカーの姿勢を示しているが、他社と違って開発や営業の手法が一風変わっている。まず開発面で営業担当者と技術者の立場を対等にした。丸山社長は「技術者が決定権を持つとゆがんだ製品を作ってしまう」と指摘する。開発段階で営業担当者の意見が反映できる仕組みにしたことで過度な性能や装備をなくし、価格を抑えることに成功した。
 営業スタイルも独特だ。営業マンがクリニックに出向いて営業する方法を改め、「メーカーでは少ない」(丸山社長)という自社店舗網を整備している。医師や医療関係者が集まりやすい都市部に店舗を構え、じかに販売することで製品の優位性がアピールでき、開業医に価格も安く提供できるという。現在、06年に東京駅八重洲口に開業した東京店をはじめ国内14カ所にある店舗を「年内に合計で20数店まで増やす」(同)と強気だ。
 ユニークなのは会社全体の経営目標を示さず、社員個人のノルマを求めない経営方針だ。「ひとり一人がその気になってくれている」(同)として、各部門や社員自らが設定した目標を尊重している。こうしたベースとなっているのが、社員とのコミュニケーション。丸山社長はほぼ毎日、メールに届く全社員200人の日報を読む。気になったメールには必ず返事を出す。こうした社風が社員のモチベーション向上に役立っている。

災害に強いクリニックづくり

 医療用の機器やシステムを手がけているだけに大きな転機となったのが東日本大震災だった。開業予定だった仙台店(仙台市宮城野区)を被災したクリニックの復旧拠点として活用。社員総出でクリニックの支援にあたった。また、デジタルレントゲンを搭載した移動診療・検診車を製作して宮城県内の被災医院に提供した。
 この震災を通じて一番の問題と感じたのが停電で医療機器が使えないことだった。そこで「災害に強いクリニック」を合言葉に、停電でも医療機関の機能がストップしないための仕組みづくりを進めている。震災直後に深夜電力を使って充電、停電時に非常用電源として使う蓄電池電源を製品化。現在はデジタルレントゲンを置く頑丈なX線室のスペースを生かして発電の機能を備え、災害時の食料や物資を備蓄できるX線画像システムの開発も進めている。
 製品開発と並んで生産体制も強化する。デジタルX線画像システムの需要増を受け、長野市内に同社初の本格的なX線機器量産工場「アールエフ・X線東部事業所」を建設する。すでに着工し、8月に稼働する予定だ。歯科用デジタルX線コンピューター断層撮影装置(CT)システム「NAOMI-CT」、デジタルレントゲンなどの大型製品を生産する。
 新工場稼働に合わせて新規に100-150人を雇用する。歴史的な円高で海外移転する企業が多い中、「安易に海外に行かない。国内で生産できる知恵を出していきたい」(同)として創業の地である長野でのモノづくりにこだわり続ける。


8月に稼働開始する新工場の完成予想図

8月に稼働開始する新工場の完成予想図


Onepoint

都心部の出店で信用力がアップ

 発想の転換が同社の原動力となっている。代表例が店舗運営だ。後発メーカーで営業力がないだけに「どうやったら購入してもらえるか」を考え抜いた。手本としたのは家電量販店だった。購買意欲がある顧客が集まる店舗づくりを心がけて都市の中心部に出店するスタイルを確立。都市部の一等地に出店したことも信用につながり、医療機器の実演も見ることができることから興味を持つ開業医が足を運ぶようになった。まさに大手メーカーも考えつかない意表を突く戦略と言えよう。


掲載日:2012年3月 7日

製造業長野県

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