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元気印中小企業


歴史ある表面処理技術をシステム化 [マコー]

松原幸人社長

松原幸人社長

会社名 マコー(株)
代表者 松原幸人社長
業種 産業装製造業
所在地 新潟県長岡市石動町字金輪525
電話 0258-47-1729

手作業をシステム化

 「ウェットブラストは古くからあるが、メジャーな技術ではない。かつてはロールスロイスが航空機エンジン部品などの、バリ取りや研磨加工に用いていた。昔の航空機業界は、機能部品の汚れや不具合をウェットブラストでクリーニングし、磨いて再生していた」と、マコーの松原幸人社長はウェットブラスト技術の歴史を説明する。
 ウェットブラストは自動車や電気製品、航空機などの部品や材料を表面処理する技術の一つ。液体に微細な研磨材を合わせてスラリー状にし、圧縮した気体を混合してワークに高速噴射する。バリ取りをはじめ研磨、洗浄、改質処理までできる機能加工技術だ。用途や材料は多種多様に拡大している。さらに液体により脱脂や防錆機能も付加できる。
 「この技術は欧州から米国に渡り、メンテナンス技術になった。ところが手作業のため、あまり普及しなかった。当社はこのウェットブラストを日本企業の要求に合わせて、手作業から自動化し表面処理をシステム化した」(同)という。これが元気で強い企業体質の理由だ。

加工技術の進化

 マコーでは同技術のシステム化に加えて、従来はできなかった分野にも進化させてきた。それは硬質材料の表面加工や、電子部品などの薄膜での層間密着を向上するための加工だ。また工程の集約化と自動化により、顧客にコスト削減を提供してきた。
 ラインアップは大容量処理用のバレル式化成処理装置、プリント基板や半導体などの電子業界向けの精密物理洗浄装置、複雑形状の小物部品を全面処理できる回転バレル式装置、処理とワークセットが同時に行える大型部品用インデックス式装置など。すべて顧客ニーズに対応するために増やしてきたものだ。
 研磨材はステンレスなどの金属をはじめセラミックス、樹脂まで幅広くそろえる。研磨材の形状は多角形から球状まであり、サイズは150マイクロメートルから50マイクロメートルが中心という。30年近く蓄積してきたこれらの研磨や洗浄のデータが、同社の強みの源泉だ。装置、液体、研磨材、噴射時間や強弱までハード、ソフトとも年々、進化している。
 同社は保有する約20件の特許を公開することで、競合他社が特許を取得することを防御している。松原社長は「ニッチ分野でのトップではあるが、ブラックボックスの部分や当社のノウハウも多い」と、技術に自信を見せる。

海外市場に拡販

 同社が活性化している理由に、組織のあり方と人材育成もあげられる。就任して5年目になる松原社長は経営理念や方針、人事評価制度を策定した。「会社規模が小さいときはトップの能力でうまく回るが、90人くらいになると個人の能力は限られてくる。部門別に経営会議を月1回開き、機動力とスピードを高めてきた」と松原社長。2階に事務を設け総務、設計、開発、営業、工場まで、社長の目が一回りで届く。顧客情報、社内情報が常に入るレイアウトだ。
 同社の2008年9月期の売上高は25億円。09年9月期はリーマンショックの影響で12億円に半減した。10年9月期は14億円、11年9月期は24億円まで回復。12年9月期見込みは25億円と堅調に推移している。
 今後は海外にも注力する。「国内での成長は厳しく、海外市場に拡販する。東南アジアや米国向けに、環境関連産業にアピールしたい。自動車部品向けが7割を占めているが、リチウムイオン電池や燃料電池、エネルギー関連にも提案して需要を掘り起こす」と松原社長は方向を示す。
 一方、同社のウェットブラスト技術は「除染」という意外な分野で認められた。「東京電力福島原子力発電所事故で放射線を受けた道路やコンクリートの表面を削って除染する(独)日本原子力研究開発機構の実証試験で、採択された25件の中にウェットブラスト技術が入った」(同)と松原社長はいう。表面を約1ミリメートル削るだけで8割を除染できるため、ランニングコストも低く抑えられる。同社は以前から、原子炉廃炉による解体撤去物における低レベル廃棄物の表面汚染を除去する除染装置を開発していた。この技術が、今回の実証試験につながっているのだ。


ウェットブラストシステム図

ウェットブラストシステム図


Onepoint

需要拡大と海外での顧客開拓がカギ

 同社の強みは、手作業のウェットブラスト技術を自動化とシステム化で量産化と低コスト化を実現した点にある。顧客も自動車、鍛造、超硬工具、半導体、基板、LED(発光ダイオード)、航空機業界まで幅広い。そしてバリ取り研磨だけではなく、微細精密加工、洗浄、化成処理、硬質材料や薄膜の表面処理などに用途が拡大してきた。今後は、自動車業界以外の需要拡大と、海外の顧客開拓が期待される。


掲載日:2012年2月29日

新潟県製造業

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