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元気印中小企業


植物由来の樹脂で環境にやさしく [ユニオン産業]

森川真彦社長

森川真彦社長

会社名 (株)ユニオン産業
代表者 森川真彦社長
業種 プラスチック成形加工業
所在地 川崎市中原区井田杉山町2-3
電話 044-755-1107

環境にやさしい樹脂

 ユニオン産業は1970年の創立から続くプラスチック成形加工業者。自動車用アクセサリーや家庭用品、ゴルフティーなどを製造し成長してきた。同社の売り上げの約6割はこれら従来の事業によるものだが、近年では植物、バイオマスを原料にしたバイオプラスチックに着手し、さまざまな形に製品展開している。
 同社のバイオプラスチックは原料の約50%が竹、麦、コーヒー殻(がら)などで、抗菌作用や消臭効果などそれぞれの植物に由来する性質を付加できる。燃やしても有害ガスを含む黒煙を出さず、二酸化炭素(CO2)排出量を46%低減するのが特徴だ。従来の射出成形機でそのまま使えるため、材料の置き換えにもスムーズに対応できる。

トウモロコシ由来樹脂に直感

 この数年でようやく注目を集め始めたバイオプラスチックだが、同社の取り組みは15年前にさかのぼる。ノベルティなど自社の製品を売り込みにカナダを訪れた際に、現地の見本市でトウモロコシ由来の生分解性プラスチックに出会った。森川社長は「これだ」と直感した。生分解性プラスチックを日本に持ち帰って早速製品化に取りかかり、ゴルフティーなど自社製品の材料置き換えを進めた。「当時は受注生産がメーンだったため、社会の動きに左右されがちで、独自の製品が欲しい」という思いがあったからだ。
 ただ、当時はまだ世間に環境問題に対する意識が十分浸透しておらず、普及するには至らなかった。また、生分解性プラスチックは高価で、環境には優しいが劣化しやすく在庫が保たない、強度も従来のプラスチックに比べて劣るという弱点があった。しかし、森川社長は使命感を持って環境にやさしいプラスチック製品の提案を続け、9年前には、新たに環境樹脂「UNI-PELE(ユニペレ)」開発に着手した。竹、麦、コーヒー殻など廃棄対象となるものが原料だ。
 竹廃材を原料に用いた樹脂には抗菌作用があることが日本食品分析センターや神奈川県産業技術センターの検査によって分かった。また、麦皮廃材を用いた樹脂は素材としても流れが良く、薄肉加工にも適し、コーヒー殻を用いた樹脂は竹同様抗菌作用や消臭効果を確認できた。「昔から竹の葉はおむすびを包むのに使うなど、抗菌作用が知られていた」と森川社長は説明する。
 抗菌作用という特性があるため、食品衛生法による衛生規格も取得。食品トレーや食器、使い捨てフォーク・スプーンなどの置き換えニーズを狙う。

連携で続々と製品化

 これらの素材を活用して、大学や企業などとの連携を積極的に行い、製品化を実現している。
 慶應義塾大学の白鳥世明教授の鮮度保持技術(特許取得)をベースに共同開発した鮮度保持シート「シャキっとシート」は、野菜や果実などが腐敗する原因の一つであるエチレンガスの発生を抑制できる。
 ユニペレを使ったシートに、包装材の構造についての富士通の開放特許を活用して、環境に配慮した梱包材「ワンタッチトレーパック」を製作。プリント基板や回路ユニットの保管・輸送用や精密機器、ガラス製品、貴金属などの輸送用に使う。川崎市の「知的財産交流会」を活用して富士通の開放特許を使用するライセンス契約を結び、開発した。
 また、エコ・抗菌というユニペレの特質を生かして、母親と子供向け製品も数多く展開している。専修大学の学生との連携で乳幼児用の食器、母親たちの提案で弁当箱を製品化した。
 同社はプラスチック成形加工業を営んできた歴史があるため、消費者ニーズを吸い上げ、製品開発を金型づくりから一貫でできるのも大きな強みだ。
 環境樹脂のペレットを生産し、製品化だけでなく材料だけでも販売している。一般的に用いられるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂の単価が原油高の影響もあり1キログラム当たり400円程度となっているのに対し、同380円程度と安価だ。
 また、竹や麦皮由来のプラスチックだけでなく、インド原産樹木で虫よけ効果のあるニームを原料にして“防虫プラスチック”を試作するなど新たな価値作りに挑戦を続けており、従来のプラスチックのイメージを変化させつつある。


物性樹脂ペレットと同樹脂をつかった製品

物性樹脂ペレット(写真上部)と
同樹脂をつかった製品


Onepoint

「環境樹脂」の地位確立

 11年に川崎市発の工業品をブランド化して発信する川崎市の「川崎ものづくりブランド」にユニペレが認定されたほか、生物由来の資源を利用し、一定の品質を持つ製品を示す日本有機資源協会(JORA)のバイオマスマークにも承認されるなど、「環境樹脂」の地位を確立しつつある。
 CSR(企業の社会的責任)においても、コーヒー殻由来のプラスチックをコーヒーカップホルダーやマドラーに使用するなど、環境への貢献度を見やすくできるのもポイントだろう。


掲載日:2012年2月15日

加工環境神奈川県

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