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元気印中小企業


工具再生で製造業を支援 [大光研磨]

霜手道孝社長

霜手道孝社長

会社名 (株)大光研磨
代表者 霜手道孝社長
業種 金属加工業
所在地 福岡県北九州市門司区松原1-7-7
電話 093-381-8876

 大光研磨は切削工具の再研磨・再生を手がける。リーマン・ショック以降、国内製造業は厳しい経営環境が続くが、同社は顧客数を拡大している。その要因は資源の再利用という時代の流れに事業がマッチしたほか、短納期、低価格で提供できる体制を整えたことだ。2011年には切削工具の開発製造にも乗りだした。今後は再研磨・再生、さらに切削工具メーカーとして国内製造業の発展に貢献する考えだ。

短納期で低価格が人気

 大光研磨は93年に霜手道孝社長が設立した。以前は切削工具を再生する会社の営業マンだったが、会社が事業をやめることになり、顧客から継続の要請を受けて起業を決断した。手がけるのは工作機械での使用により摩耗した切削工具を新品同様に研磨する再研磨と、再研磨できないほど摩耗したものを、形状が全く異なる工具へ再生する2事業だ。
 創業時に引き継いだ顧客は九州・山口地域で約100社。週に1度顧客を訪問し、再研磨・再生した工具を届け、同時に摩耗して再研磨・再生が必要な工具を引き取る。現在顧客の数は300社以上に増えた。
 同社の強みはスピードだ。大手工具メーカーに依頼すると2カ月はかかる再研磨を、最短で「翌日には届けることが可能」(霜手社長)にした。また研磨に使用する工具などはメーカーから直接仕入れ、顧客との取引も基本的に直接行う。商社などを介さないことで中間マージンを支払う必要がなく、「最低価格で提供できる体制」(同)を整えている。
 「短納期で低価格」と人気を呼び、顧客は口コミで広がった。さらに取引する中で寄せられるさまざまな要望に細かく対応することで技術力を高めた。その一つが精度だ。従来から加工技術の精度にはこだわっていた。国内メーカーでは最も高精度とされる研削盤を導入し、加工技術には自信を持っていた。だが、顧客からの要望はその上を行くものだった。

難削材向け工具を製品化

 「顧客の要望に応えるために次を目指そう」。霜手社長は08年、切削工具用研削盤として出荷台数世界トップ、ドイツ・ワルター社の研削盤を導入、加工可能な領域を広げた。同時にワルター社の非接触型測定機も導入した。加工精度を数値化し、顧客に提示する体制を整備するためだ。
 これにより仕事量はさらに増えた。そのため10年には、再研磨・再生する工具を自動供給するシステムを持つ研削盤を2台新規導入し、加工作業の自動化を推進した。当時はリーマン・ショックの影響が色濃く残っており、融資する金融機関からは懸念の声も出たという。だが懸念をよそに、自動化システムの導入は収益改善につながった。
 11年は転機の年になった。「創業以来の目標だった」(同)、チタンなど難削材向けの自社製切削工具「ビートル」を製品化したのだ。再研磨で培った約20年間の技術や、世界トップクラスの装置の導入により、従来にない切削工具の製品化に成功した。
 ビートルは荒削り用の刃と仕上げ用の刃が一対となり、合計6枚の刃がある独自の構造を採用した。さらに荒削り用と仕上げ用の刃の角度が異なり、切削中の共振を防止する。これにより高速切削が可能になり「1分間に最大165メートルと、一般的な工具の3倍程度の高性能化を確認した」(木場信行常務)としている。
 独自形状のため、性能を口で説明してもなかなか信じてもらえない。だが一度使ってみると、品質の高さを認識するという。これまでにチタンなど難削材の切削用として約30社が採用した。さらに、国内大手重電メーカーの航空機部門への採用も決まった。
 今後の経営戦略は高精度、また難削材への対応を強化する方針。そのためには技術開発力の強化も必要で、九州工業大学など外部の力も活用する。今後も自社が持つ技術力を磨き、国内製造業の発展に大いに貢献したい考えだ。


ドイツや国内の最新装置が稼働する工場

ドイツや国内の最新装置が稼働する工場


Onepoint

環境意識とレアメタル高騰が追い風

 12年2月期売上高は2億5000万円と、前年同期比20%程度の増収を予想する。東日本大震災の影響で国内の生産活動は一時停滞したが、それでも新規の顧客を着実に増やし、売上高を拡大した。切削工具の再研磨・再生は資源の有効活用につながる。希少金属(レアメタル)の価格高騰など時流に乗った事業でもある。最新設備の導入で生産性が向上、対応できる仕事量も拡大した。今後は切削工具メーカーという顔も加わり、さらなる飛躍が期待される。


掲載日:2012年2月 1日

加工環境福岡県

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