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元気印中小企業


水晶センサーをリサイクル、技術提案力で台湾市場に挑戦 [ピエゾパーツ]

早川祐介社長

早川祐介社長

会社名 ピエゾパーツ(株)
代表者 早川祐介社長
業種 膜厚モニター水晶の製造販売及びリサイクル業
所在地 東京都八王子市下恩方町831-3
電話 042-652-1101

 ピエゾパーツは蒸着装置の膜厚モニター水晶を製造し、水晶センサーのリサイクルも手がける。眼鏡の反射防止膜のような簡単な光学膜から、一眼レフカメラのレンズに使われる高機能光学フィルターまでを、さまざま光学機器メーカーに水晶センサーを提供する。ただ水晶センサーを売るだけでなく、使用後の水晶センサーを分析し、きれいに膜厚をコントロールできているか光学機器メーカーの成膜技術の巧拙を診断する。リサイクル事業を通して成膜技術のコンサルティングサービスを提供している。中小企業も技術力でパートナーに選ばれれば、コスト競争だけでない市場で戦える。メーカーの購買部門だけでなく、開発部門からの信頼を勝ち得ている。

技術サービスで海外開拓

 早川祐介社長は「台湾をベンチマークに、技術提案力で海外市場を開拓する」と力を込める。水晶センサーのリサイクルを通して、台湾企業に技術サービスを展開したい考えだ。「台湾には十分な技術サポートを受けられず困っている現地企業がたくさんある」という。現地企業が成膜装置を導入しても、商社のサポートが中心で装置メーカー技術者のサポートサービスが行き渡らない。社内に装置技術者を抱えられない現地企業は、トラブルが起きてもマニュアル対応で終始してしまう。「われわれ技術者が直接指導するととても喜ばれる。潜在市場はかなり大きい」という。
 ただ現地に日本人技術者を常駐させるコストは小さくない。中小企業の体力では商社や装置メーカー以上にハードルが高い。現地拠点の維持費用や現地で技術者を雇い、育て上げるまでには長い時間が必要になる。
 そこで水晶センサーのリサイクル事業で、水晶の分析データは国内で解析する。技術者を現地に常駐させなくてもすむメリットがある。技術者は日本に居たまま、蒸着装置の定期診断サービスを提供できる。
 ここに台湾の経済事情も加わる。台湾も日本と同様、安価な仕事は中国に流出して空洞化が進んでいる。現地企業は高付加価値の仕事を取ろうと「台湾も品質を重視するため、日本の技術力が評価されやすい」という。台湾事業は2年目で初めて、黒字化を達成した。現在は出張の形で顧客回りを重ねる。12年内に台湾の取扱量を5倍に増やし、現地工場の開設を目指している。台湾事業をベンチマークとして海外展開のビジネスモデルを確立したい考えだ。

高付加価値の新事業開拓

 ピエゾパーツが顧客とする光学機器は既に成熟した産業だ。早川社長は「産業が成熟すると単価を維持するのは難しい。コストダウンも海外移転も止まらないだろう」という。光学機器メーカーにとって水晶センサーは光学膜の品質を測る重要な部品だ。それでも測定精度の低い製品から、安価な水晶センサーに置き換わっていく。
 日本国内のリサイクル水晶センサーは新品の半額程度とコストメリットは大きい。だが中国製や台湾製の水晶センサーも非常に安価に流通している。「台湾ではリサイクル水晶センサーは新品と比べても7-8割程度。より安価な新品水晶も流通している」と明かす。「得意分野だけでなく、高い測定精度が必要な産業にアプローチし続けないといけない」と危機感を募らせる。有力候補が発光ダイオード(LED)と有機エレクトロルミネッセンス(EL)だ。
 有機ELでは膜厚と膜厚の成長速度の2項目を水晶センサーで計測する。成長速度だけを測る光学膜と比べて、有機ELの水晶センサーへの依存度は高い。蒸着材料も種類が多く、測定精度の高い水晶センサーが必要になる。高付加価値の水晶センサー市場と狙いを定める。ただ「有機ELメーカーも水晶の品質が重要なことを良く理解していて、弊社にも簡単には切り替えてはくれない」と明かす。
 台湾では有機ELパネルの量産が1年内に立ち上がる見通しだ。早川社長は「新しい製造ラインが立ち上がる前に、台湾企業とつながりを作れ幸運だった」と頬を緩める。量産を開始すると生産ラインの細かな付帯設備まで品質改善とコスト削減の検討対象になる。そのタイミングがピエゾパーツのビジネスチャンスだ。


ピエゾパーツの研究室

ピエゾパーツの研究室


Onepoint

技術力を武器に海外で奮闘

 11年9月に就任したばかりの早川社長は「我々の時代は企業規模にかかわらず、ビジネスに国境はない」と繰り返す。中小企業が海外にビジネスを広げるリスクは大きく、サポートも少ない。だが電子部品の量産を始め、ビジネスの戦場は海外に移ってしまった。その最前線に立つために、必死に海外企業をキャッチアップしようと奮闘している。IT技術の進化は人件費の安い国に簡単なサービスを流出させてしまった。だが視点を変えれば、高度な技術サービスを海外で安価に売るチャンスでもある。ピエゾパーツの社員は20人にも満たない。小規模でも世界で戦えるのは高い技術力の証明だ。


掲載日:2012年1月25日

東京都製造業

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