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元気印中小企業


スタンプ用材料が成長のエンジン [ヤマハチケミカル]

遠山泰広社長

遠山泰広社長

会社名 ヤマハチケミカル(株)
代表者 遠山泰広社長
業種 スタンプ用材料、自動車部品の製造業
所在地 愛知県蒲郡市形原町北鞍掛30-1
電話 0536-57-8248

高品質を訴求

 ヤマハチケミカル(愛知県蒲郡市)は、印面にインクを浸透させる浸透印用材料と自動車用内装樹脂部品を手がける。自動車部品は国内のみのため大きな成長は見込めないが、浸透印用材料では海外でのビジネス用スタンプの需要増に対応して中国工場を増強するほか、12年2月に自社開発のインクを発売する。2006年から研究開発も強化しており「今後はスタンプ用材料の製造技術を生かした工業製品を開発したい」(遠山泰広社長)と意気込む。
 同社の浸透印用材料は樹脂と溶剤、無機質の粉末を混合してペレット化して押し出し成形する。それを薬品処理で粉末と溶剤を抜き取り、インクを通す気孔を作る。インクとの相性がよい原材料を用いたり、原材料の混合方法を工夫したりすることで、鮮明度が高く、かつ20万回押印しても形崩れや文字の欠けが起きない耐久性がある。材料に文字やマークを加工したスタンプ製品のスタンプメーカーへのOEM供給も行っている。
 スタンプ材料の業界でも中国メーカーが2005年ごろから台頭している。ヤマハチケミカル製品の半値という低価格を武器に顧客を奪われかけたが、中国メーカー製は不安定な品質が問題になっているものがある。また中国メーカーは人件費増などのコスト高で値上げするところがある。これに対し、ヤマハチケミカルは生産効率向上などでドル安などの利益圧迫要因を吸収してほとんど値上げしておらず、価格差が縮まっている。このため顧客は高品質な材料に戻っている。
 スタンプ需要は日本では減少しているが、中国やインドを中心としたアジアや欧州で伸びている。特に浸透印はインクパッドやインクカートリッジが不要のスタンプとしてビジネス用途で広がっている。同社のスタンプメーカーからの受注量は前年比10-20%増で推移している。

海外で積極展開

 アジアを中心とした需要増は続くと見られるため、同社は12年夏をめどに中国工場を増強する。1000万円を投資して生産子会社の山八化学常熟(江蘇省常熟市)の工場の床面積を100平方メートル増の2100平方メートルとし、成形機や薬品処理プラントを増設する。これらで中国工場のスタンプ用材料やスタンプの生産能力を10-20%引き上げる。
 スタンプ事業では売り上げの70%を海外が占める。このため遠山社長の妹の遠山奈見取締役貿易部長を中心に海外顧客対応やマーケティングを進めている。英語版のホームページ(HP)を設けているほか、従来商談の場として参加するだけだった中国など海外での展示会に出展する方針。「コストメリットやトラブルへの素早い対応を考えると商社などを挟まずに直接取引を基本にする」(同)との方針で、自力で顧客開拓を図っている。

自社開発で事業領域拡大へ

 06年に開発チームを結成し、新製品開発に力を入れている。「ライバルメーカーの技術革新に負けないように、2-5年後の売り上げに貢献できるテーマを選定している」(同)。
 スタンプ用材料では、バリエーションを増やすことに注力している。文字やマークはプレスやレーザー、光硬化性樹脂などさまざまな手法で加工するため、それぞれの加工方法に適した材料が求められているためだ。また大きさや厚さの種類を増やし、多様化するニーズに対応している。
 スタンプ材料以外の製品では2月にスタンプ用インクを発売する。インク原料の化学薬品と顔料の成分などを調整することで温度や湿度が変化しても薄くならないインクを開発した。鉛などの重金属を用いていないため安全性が高い。
 すでにOEM供給するスタンプ製品に用いてきた。色のバリエーションが黒、赤、青、緑、紫、紺、朱色の計7色と豊富になり、外販することにした。スタンプ用材料とセットで販売することで売り上げや利益の増加を図る。海外のスタンプメーカー向けを中心に月間500万-1000万円の売り上げを見込む。
 将来は耐熱性などの性能を高めたインクを開発、スタンプ用以外での用途開拓を目指す。さらにインク以外でも製品開発を進めている。気孔の製造技術を生かしたフィルターなどを開発、事業分野を広げていく方針だ。


今後の成長が期待されるスタンプ用材料

今後の成長が期待されるスタンプ用材料


Onepoint

海外展開がカギ

 国内は高齢化や人口減などで大幅な需要増は見込みにくい。スタンプ用材料というニッチな分野でも成長するには海外需要をとらえる必要がある。遠山社長は「海外の顧客はインターネットを通じた問い合わせが多い」としており、英語版HPの設置など対策は進めている。それでもなお海外で文化や言葉の壁を乗り越えて事業を行うには多くの苦労が伴うはず。大企業に比べて体力がない中小企業といえども、大きな壁を乗り越えるだけの努力が求められている。


掲載日:2012年1月25日

愛知県製造業

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