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元気印中小企業


顧客を驚かせる高レベルなモノづくりに挑戦 [近畿刃物工業]

阿形清信社長

阿形清信社長

会社名 近畿刃物工業(株)
代表者 阿形清信社長
業種 段ボール用刃物製造業
所在地 大阪府守口市大日町3-33-12
電話 06-6901-1221

 段ボール加工用刃物を製造する近畿刃物工業(大阪府守口市)は、ニッチな分野ながら高いシェアを持ち事業を急成長させている。2004年に経営革新計画の承認を取得し、05年には品質管理・保証の国際企画であるISO9001も取得した。リーマンショックや昨今の円高不況も乗り越え、業績は右肩上がり。阿形清信社長が就任した00年度と比べると売上高は70%増、社員数も倍以上に増えている。成長の秘訣(ひけつ)について阿形社長は「安値競争に参加せず、顧客を驚かせる高レベルなモノづくりにチャレンジすること」と断言する。

適正利益を生むモノづくり

 近年の物流量増加により段ボール需要は増加しているものの、デフレ経済の進行や原料高の影響もあり、段ボール加工メーカーは厳しいコスト低減を余儀なくされている。その中で商品の適正価格を維持するのは至難の業に思えるが、阿形社長は「他社に出来ない高レベルなモノづくりをしていれば、顧客の理解は得られる」とキッパリ。同社は高性能・超寿命を目標に製品を開発している。イニシャルコストが割高になっても、刃物の耐久が増せば買い替え回数が減るため、ユーザーに適正価格が受け入れられているのだ。
 「価格を安易に下げてしまえば、日本の会社の利益は減り、工場は海外に出て、日本人の社員はパートばかりになる。企業は新たな設備投資も出来なくなり、顧客が求める新製品も作れない。安値競争で一体誰が幸福になるのか」と阿形社長は語る。阿形社長の経営スタイルは、時流を読みつつも一喜一憂せず、機を見て適正な投資を進める“攻め”の姿勢だ。顧客から受け取った利益は、より高いレベルのモノづくりを目指し社員や設備投資にどんどん還元。07年から毎年、レーザー加工機やマシニングセンタなど大型の設備投資を行っているほか、このほど本社近接地に超硬刃物の製造に使う専用工場も整備した。
 円高不況もあり国内の設備投資をためらう企業は多いが、阿形社長は「設備費や工事費を抑えられる今こそ逆に投資のチャンスだ」とあくまで前向きだ。また、正社員雇用にこだわりパート社員がほとんどいないのも同社の特徴。「社員のやる気を左右するのは安心して働けるかどうかにかかっている。不安定な雇用形態で社員のモチベーションが高まる訳がない」と、阿形は持論を展開する。

中小企業のスピード感を生かす

 商品は、大阪府守口市の本社工場のみで生産。品質の向上、原価低減のため、生産現場のカイゼン活動にも力を入れている。また、同社製品はユーザーによって微妙に要求形状が異なるため、多品種小ロットなモノづくりが求められる。そのため、正確な製品管理も必須の課題だ。製品ごとにバーコードと番号を割り振り、図面を一枚ずつ管理。「1品からの追加オーダーにもスムーズに対応できる」商品管理システムを構築している。
 近年は中小企業でも海外に工場を建設するケースが増えているが、同社は「海外での工場建設は全く考えていない」。阿形社長は「円高だからというが、円安になったらどうするのか。製造ノウハウを海外に取られて日本に帰ってくるのでは、結果的に自分の首を絞めることになるのではないか」と、製造業の海外移転に疑問を投げかける。
 円高、高い法人税、貿易自由化の遅れ、労働規制、温室効果ガス抑制策、そして東日本大震災に端を発する電力不足-。日本の企業を取り囲むこれらの悪要因はしばしば「6重苦」と呼ばれる。6重苦を抱えながら日本経済が復活するには何が必要なのか。阿形社長はこの問いに対し「企業が本業にとらわれず、新たな事業の種をどんどん育てていくこと。かつてはそういう例が日本中にいっぱいあった。昔の企業人の姿勢を見習う必要がある」とイノベーション創出の重要性を説く。「デフレ社会と言われているが、今でしか出来ないこともある。市場の要求をきちんと見定めれば日本国内でモノづくりをする余地はまだある。中小企業のスピード感を生かし、新たな市場を切り開いていきたい」と未来を見据える。


畿刃物工業の段ボール用刃物。高性能・長寿命が適正利益を生み出す

畿刃物工業の段ボール用刃物
高性能・長寿命が適正利益を生み出す


Onepoint

ピンクのシャツでやる気を表現

 いつもピンク色のシャツを着ている阿形社長。これは実は同社独自の取り組みの一つ。社員にピンクと青のシャツを支給し、やる気に満ちあふれた日はピンクのシャツを、クールな気分の日は青いシャツを着るよう取り決め、社員のやる気を“見える化”しているのだ。当然ながら、社長をはじめ社員はいつもピンクシャツを着用。では青シャツはいつ着るかというと「めったにないがお客さんに謝る時」だとか。このようにユニークな仕組みをどんどん生み出すのも、「阿形経営」の特徴だ。


掲載日:2012年1月18日

大阪府製造業

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