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元気印中小企業


揺れに強く注目された水処理設備、津波避難タワーも脚光 [フジワラ産業]

藤原充弘社長

藤原充弘社長

会社名 フジワラ産業(株)
代表者 藤原充弘社長
業種 水処理設備、防災設備などの開発・製造業
所在地 大阪府大阪市西区境川1-4-5
電話 06-6586-3388

 東日本大震災で改めて認識した防災の大切さ。環境機器メーカーのフジワラ産業は、揺れに強い汚泥かき寄せ装置などの水処理設備や、津波避難タワーなどの防災設備などを手がける。1980年に藤原充弘社長が岡山県から大阪府へ出てきて創業。以来、さまざまなアイデアで20点以上のユニークな商品開発をすすめてきた。
 収益の中心は水処理事業で、売り上げの約9割を占める。藤原社長が82年に開発した水面に浮いたスカムを取る「フジフロート自動スカム除去システム」と、90年に開発した沈殿した汚泥を取る「モノレール式汚泥かき寄せ装置」の水処理設備を、全国や海外の上下水道施設50カ所以上に納入している。

大きな揺れでもチェーン外れず

 「最初は営業がうまくいかず苦労したが、数年かけてやっと良よさが認知され、導入が進んできた」という。モノレール式汚泥かき寄せ装置は、沈殿池の底に設けたレールの上をかき寄せ羽根が動いて、汚泥を集める仕組み。メーカー6社とOEM販売契約も結ぶ。人気の秘密は、汚泥かき寄せ装置の主力であるチェーンで動く「チェーンフライト式」よりも、工事や保守が簡単で低コストなこと。また、大きな揺れでもチェーンが外れる心配がなく、東日本大震災ではモノレール式の耐震性が改めて認識された。実際「震災後には引き合いも増えた」という。
 11年10月にはこの二つの水処理設備が、日本貿易振興機構(JETRO)の「輸出有望案件発掘支援事業」に採択された。これまでは言語や商習慣などの問題でなかなか積極展開できなかったが、採択により通訳や営業ノウハウなどの支援を2年間受けることができる。中国とインドへの展開を目指し「2カ国で新しくできる上下水道施設の5%に入れたい」と目標を掲げる。水処理事業の売り上げは毎年2-3割増を目指す。
 「会社には5本の柱が必要。1本ではつぶれてしまうかもしれない。ただし1本か2本が当たればよい」と考える藤原社長。水処理事業で得た収益を元にして、「命を守る、地球を守る」をテーマに、ユニークな開発を手がける。

避難タワーを観光拠点に

 震災を受けて注目を集めたのが、火の見やぐらに似た鉄骨製の津波避難タワー「タスカルタワー」だ。規模は必要に応じて高さは約6-10メートル、定員は40-200人とさまざま。津波波力の検証実験は京都大学防災研究所と共同で行い、「高さだけではなく、波力からも守れる」と太鼓判を押す。04年3月に初設置し、これまで静岡県から徳島県の沿岸部に20基の設置実績がある。12年6月末には東海地方で新たに10基設置予定だ。
 そして東日本大震災の津波の中で逃げ場を失い、吹きさらしの中の被災者を見た藤原社長は、屋外の避難場のみだったタスカルタワーを進化させた。50-60人が屋内で数日間過ごすことができるという「多目的タワー」を開発したのだ。高さ約15メートルのタワー上部に、約9メートル四方の施設を設置。太陽光発電し、トイレや風呂、キッチン、冷暖房などを備える。通常時は展望台やレストランなど、観光拠点としての利用を狙う。
 このほか、岩山に壕(ごう)を掘って造る津波からの避難場「地中壕ホール」、歩道橋を兼ねた「津波洪水避難ステージ」、既存住宅に避難はしごなどをつけた耐津波住宅補強工法「タスカルハウス」など、さまざまな発明の特許を申請中だ。防災以外でも旗振りマシンなどの開発を手かげたほか、人工雨雲発生装置まで作ってしまった。「地球温暖化防止に砂漠に雨を降らせたい」と、笑顔で夢を語る。
 「日々新聞などを見て、何か作れないかと考えている」という藤原社長。実際には収益に結びつかない開発も多く、特許申請などの手間もかかるが、「日本を元気にするために発明を続ける」ときっぱり。以前から防災をテーマに開発を続けてきたが、東日本大震災で改めて防災設備の大切さが注目されている。社長もここぞとばかりに、斬新なアイデアで精力的に開発に挑んでいく。


津波避難施設の「タスカルタワー」

津波避難施設の「タスカルタワー」


Onepoint

開発10年で花開く

 取材で訪れるたびに「またこんなのを作ってね・・・」と、新しい発明品を見せてくれる藤原社長。物腰の柔らかな明るいキャラクターながら、内に秘めた情熱を感じる。水処理事業以外の開発のうち、実際に収益に結びついたのはタスカルタワーが中心。しかし今は人気となった水処理設備も、開発当初はなかなか納入に結びつかず、波に乗りだしたのは開発して10年ほどたってから。今は「ユニーク」で終わる数々の発明も、数年後には各地で導入が進んでいるかもしれない。


掲載日:2011年12月14日

大阪府製造業

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