本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > 元気印中小企業

元気印中小企業


コーティング被膜で産業発展を下支え [東洋ドライルーブ]

飯野光彦社長

飯野光彦社長

会社名 東洋ドライルーブ(株)
代表者 飯野光彦社長
業種 化学(機能性被膜処理)
所在地 東京都世田谷区代沢1-26-4
電話 03-3412-5711

半世紀にわたり産業発展を下支え

 ドライルーブと呼ばれる製品をご存じだろうか-。機器が作動する際に生じる摩擦によるエネルギーロスを減少させたり、摩耗による性能低下を防ぐうえで不可欠な多機能被膜である。そのドライルーブ製品の製造販売や加工を行う総合メーカーが東洋ドライルーブ。1962年(昭37)年、米国ドライルーブ社との技術提携により発足して以来、半世紀にわたり、日本の産業発展を下支えしてきた。
 ドライルーブは、二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトといった潤滑物質と特殊バインダーを配合し、各種溶剤や水に分散させた有機結合型の多機能被膜。身近な採用製品では、デジタルカメラのズームやシャッターの駆動部やレンズの光量調整部分にも使われている。
 同社の売上高の約7割を占める主力分野は自動車分野で、その加工対象部品は多岐にわたる。潤滑物質として二硫化モリブデンやグラファイトを用いればワイパーブレードのフロントガラスとの摩擦部分やキャブレターのバルブ部に、フッ素樹脂を用いれば燃料給排気などの制御部分やパワーステアリングなどの駆動伝達部分といった具合に、機器に求められる性能に応じて、多種多様な加工を施すのが特徴だ。
 主要顧客である自動車産業は東日本大震災でサプライチェーンの寸断に見舞われ、同社にも一時的な受注減など影響は及んだのは事実。だが、2011年6月期決算ではその影響を軽微に抑え、売上高こそ前年同期比ほぼ横ばいの39億円ながらも、すべての利益段階で増益を確保。2期連続の増収増益となった。創業50周年を迎える12年6月期も、経済情勢の先行きは不透明ながらも売上高42億円(前年同期比7.9%増)、当期利益2億円(同16.0%増)の増収増益を見込む。
 成長の背景にあるのが研究開発から製造、コーティング加工、販売まで一貫体制を構築することで長年培ってきた独自ノウハウだ。これが競合企業に対する高い参入障壁となるとともに、市場や産業構造の変化に伴い高度化する顧客からの技術要求に応える原動力となってきた。
 とりわけ自動車産業は、厳しい排ガス規制や二酸化炭素の排出削減に対応するため、ドライルーブ製品の採用領域が拡大。直近では排出ガス再循環装置(EGR)向けが業績をけん引。排ガスによる酸を原因とする部品の表面腐食を抑えるにはドライルーブのコーティング加工が有効だからだ。引き続き、「ハイブリッド車や電気自動車といった次世代自動車の技術革新にどう関わっていくか」(飯野光彦社長)が目下の課題だ。
 製品そのものの開発思想を転換した事例もある。その一例が、市場の急拡大で話題を呼んでいるミラーレスカメラ。液晶部品の駆動部分やボディーにドライルーブ製品が採用されるケースがみられるという。

環境と省エネを経営課題に

 同社の企業理念は、「エネルギーロスの削減や耐久寿命向上を担うドライルーブの開発、生産を通じ安全で豊かな社会を支えること」。それは、同時に同社が中長期的な経営課題に掲げる「環境保全」と「省エネルギー」につながってくる。
 環境配慮を象徴する成果のひとつが、フッ素化学製品の製造工程で使用され、一部製品中にわずかに含まれるPFOA(パーフルオロオクタン酸)を含有しないフッ素系ドライルーブ製品の開発だ。PFOAは、半導体や情報通信、自動車、航空産業など幅広い用途で使用される製品製造に必要な助剤として使用されている。人体への健康被害に関連性を結論づけた報告や法規制はみられないが、07年には自主的に削減を達成した。
 研究開発体制の強化とならび、グローバル展開も加速している。顧客企業の生産拠点の海外シフトに加え、経済成長著しい新興国市場でのコーティング加工需要が拡大しているためだ。中国に続く生産拠点としてタイ東部に新会社を設立したのは10年7月。デジタルカメラなど光学部品向けの加工拠点と位置づけ、11年末には主力分野である自動車関連部品の加工も開始する計画だった。
 だが量産直前のタイ拠点を襲ったのが、半世紀に一度という洪水被害。一部ラインの稼働延期という事態に見舞われたものの、世界市場を見据え、タイを加工、製品供給拠点と位置づける戦略に変わりはない。


摩擦や摩耗によるエネルギー伝達ロスを軽減する

摩擦や摩耗によるエネルギー伝達ロスを軽減する


Onepoint

縁の下の力持ちでさらなる成長

 摩擦や摩耗により発生するエネルギー伝達ロスを削減するコーティング被膜。製品の採用分野の幅広さとは反比例して、その役割が一般消費者に認知される機会は少ない「縁の下の力持ち」的企業だ。その事業展開は一見すると地味で堅実のようだが、同社が経営課題に掲げる「環境」と「省エネ」は時代のニーズであり、世界的な開発テーマだ。この潮流をキャッチアップすることは、さらなる企業成長につながることは言うまでもない。


掲載日:2011年12月 7日

加工東京都

最近の記事


このページの先頭へ