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元気印中小企業


圧力計の「心臓部」で国内シェア90% [高橋製作所]

高橋正司社長

高橋正司社長

会社名 (有)高橋製作所
代表者 高橋正司社長
業種 圧力計部品の製造・組立業
所在地 長野県諏訪市大字中洲566-6
電話 0266-52-3090

受注拡大、高品質が決め手

 高橋製作所は工業用圧力計の「心臓部」にあたる拡大機構部(ムーブメント)で圧倒的なシェアを持つ。ブルドン管式圧力計では「当社の開発したムーブメントが国内圧力計メーカーの90%以上に使われている」(高橋正司社長)という。創業は1964年。創業者の高橋昭夫会長が当時、明確な規格がなかった圧力計のムーブメントに着目し、独自のアイデアを取り入れた主力製品だ。
 現在、本社工場では月30-35万個のムーブメントを生産。内製化を徹底しており、設計から部品加工、組み立てまで行う。組み立てには自社開発した自動機を採用するなど高効率・低コスト生産を実現している。
 同社の生産するブルドン管式圧力計は金属をチューブ状にしてC型に成形、内部に油や空気、水などで圧力を加えた時、C型部分のブルドン管が真っすぐに伸びようとする力を利用する。伸びようとするわずかな力を感知し、扇形をした歯車のセクターギアと対になるピニオンギアという2つの歯車を使い、メーターの針を270度の範囲で動かすのがムーブメントだ。
 特殊な圧力計に限ってはムーブメントを含めた完成品も手がける。振動の影響で針が振れない圧力計などは消防車のポンプや工作機械に使われている。7割が圧力計に関する事業だが、ほかには、マイコンガスメーターの地震感知センサー、自動車のエンジン周辺の部品加工という二つの事業部門を持つ。
 高橋社長は「圧力計メーカーが2年ほど前から、ムーブメント部品の調達を海外企業から当社に切り替えている」と話す。海外企業の安い部品が人件費などの高騰から徐々に価格上昇していることがひとつの原因で「コストダウンすることはあっても価格上昇がなく、安定供給できる点が評価されている」(同)という。
 円高の影響で一般的には輸出が厳しい状況にあるなか、海外企業からの受注も増加傾向にある。「圧力計の完成品の品質で差をつけたい」(同)という理由で同社に発注するケースだ。国外へは圧力計のムーブメントを韓国、台湾、中国企業に納めており、現在の国内外の取引社数は約50社に上る。
 同社はムーブメントに関していくつかの特許を保有している。海外企業から内部の機構を模倣されたことがあり、以前は特許侵害として争うことも考えたが、高橋社長は「ムーブメント作りは難しく、顧客の要望を聞いてそれに応えていくことが大事。企業との係争に力を割くより、新しい製品作りに精力を傾けた方が良い」と認識を切り替えた。

顧客との絆を大切に

 同社の社員は40人、その約8割以上が女性社員だ。従業員の男女比の偏りには理由があり、創業者である会長の考えを引き継いでいる。「女性でも条件があって、義務教育の子育てが終わるか終わらないかといった年代が多い。『努力しなければ生活していくことが厳しい』といった中小企業の経営者と考えが似ている」(同)ことが理由のひとつという。
 また「子育ては気配りが不可欠で、モノづくりと通じる。女性は総じて集中力があり、精密部品を扱う組立作業には適している」(同)と評価する。高橋社長は特に中小・零細企業は女性を多く雇用するとともに、女性の働く環境を整えていくことが大切だと考えている。
 高橋社長は「トップが製品や会社のことを隅々まで理解し、顧客の要望を聞き、悩みを解決していることが強み」と自社を分析する。今後は主力の圧力計で、顧客の要望に応える製品開発をさらに進めていく。国外生産拠点造を持つことは考えておらず、自身の目の届く範囲でモノづくりを行っていく。
 顧客層については安い製品を求める顧客ではなく、良い品質を求める顧客に照準を合わせる。良い品質を求める顧客とは「長いつきあいになる」ケースが多いためだ。「こだわりを持って仕事をしていき、顧客と強い絆を作ることが大切」(同)と顧客の信頼を積み重ね、地道に歩んでいくことで自社の歴史を築く考えだ。


組み立て作業には女性従業員の繊細さが生かされている

組み立て作業には女性従業員の繊細さが
生かされている


Onepoint

「攻め」と「守り」を両立

 圧力計のムーブメントにおいて優れた製品開発力と一貫生産による優位性を発揮している。高橋社長は国内企業の生産拠点が海外に流出していることを懸念し「国内でのモノづくりを後世に残していくことが大切」という強い信念を持つ。製品開発では顧客の要望をしっかり聞き、プラスアルファの新しい発想を製品に盛り込む。「社長が自社の身の丈を理解することが大事」。創業者の発想を忠実に実践していくなど「攻め」と「守り」のバランスが取れた経営が特徴だ。


掲載日:2011年11月30日

製造業長野県

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