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元気印中小企業


自然との共生を大切にした製品作り [セラリカNODA]

野田泰三社長

野田泰三社長

会社名 (株)セラリカNODA
代表者 野田泰三社長
業種 工業用天然ワックス開発製造業
所在地 神奈川県愛甲郡愛川町中津7202
電話 046-285-1265

創業180年、ぶれない自然素材志向

 セラリカNODAは、1832年(天保3)に野田泰三社長の先祖である野田常太郎氏が興した「野田製蝋」を起源とし、来年で創業180年を迎える。現社名のセラリカとは、スペイン語でろうを意味する「CERA(セラ)」と、豊かさを意味する「RICA(リカ)」の合わせた造語。創業の原点であるちょんまげを結うため使った木ろうを始めとし、自然が生み出すろうを元にした製品開発を続けてきた。野田社長は「売り上げや企業規模を求めず、理念を大切にしてきたことが続いた理由」と長寿企業としての秘訣(ひけつ)を語る。
 もちろん、同社においても時代の変化で経営基盤が大きく揺らいだことがあった。その一つが1960-70年代の高度経済成長下、石油を原料としたワックスや液体整髪料が登場し、木ろうの需要が激減したときだ。しかし、製造を石油系ワックスに切り替えることなく、逆にこれまで培ってきた精製技術を応用して食品分野に進出した。その後、工業用品にも幅を広げていった。工業用のワックスはコピー機のトナーやファクスの感熱紙などの原料に使われ、現在、OA機器の先端技術では欠かせない存在となっている。

時代が自然重視に移行、ニーズ広がる

 21世紀を迎え、世界規模で再生可能、自然由来といったキーワードを元にした製品開発が行われている。時期を同じくして、同社が02年に開発した住宅の床などに塗るワックス「セラリカコーティング・ピュア」は現在、同社のイチ押し製品だ。木ろうやキャンデリラワックス、精製亜麻仁油、米ぬかなどから抽出された100%植物成分で生成し、室内ホルムアルデヒドの低減や、フローリングの保護とつや出しに効果を発揮する。キャンデリラワックスはアフリカの砂漠に生育するタカトウダイ草から採れ、精製亜麻仁油は中央アジア原産の有用植物として栽培されるアマから採れる油。世界中で生育する植物を丹念に調べ上げ、効用を研究する。野田社長は、「ここ数年、大手企業がこぞって自然素材を重用するようになり、当社へのアクセスも徐々に増えてきている。ようやく当社が志向してきた考え方に世の中が近づいてきた」と胸を張る。
 製品開発を手がける社員に自主性と一体感があるのも、同社のモノづくりがぶれない原因でもある。「社員が全員、自主的に動き、決して指示待ち人間、マニュアル人間でない」(野田社長)という。社員が自主的に始めたというのが、始業前の30分間を使う社内改善活動、その名も「30分勉強会」で、これまでにコピー用紙の削減やホームページの改善につなげた。野田社長は「知識だけに偏ると“評論家”に陥る。当事者意識を持たないと改善活動は絶対できない」と社員の動きに目を細める。

飛躍を信じ、新工場を設立へ

 11年3月期は売上高9億円。08年秋のリーマン・ショック以降、業績そのものは急拡大とはいかないが、着実に顧客を増やすことで、12年3月期は増収増益を見込む。11年10月には、住宅のフローリングや家具のつや出しなどに使う農薬フリーワックス「Fシリーズ」を発売。厚生労働省認定の検査機関で約300種類の農薬検査を行い、検出限界以下を実現した。「自然との共生」をうたう同社にとっての自信作だ。
 野田社長は2-3年後をめどに、本社工場の近くに工場を新設する計画を立てている。その上で、野田社長は「神奈川県西部に生物産業のシリコンバレーを作りたい」と構想を披露する。神奈川県は東京に隣接し、10年に国際化した羽田空港にも近く、利便性の高い地域。電気自動車(EV)や太陽光発電の普及が進む先進性豊かな土地柄に合うとの読みが働く。
 整髪用の木ろうの製造から180年。食品、工業用品、医療、化粧品と同社の製品用途の分野は広がりをみせる。野田社長は「今後は他人との関係を大切にし、利他的な豊かさを求めたい」と話す。加えて、同社の哲学である「自然との共生」も重視し、「地球上に住むあらゆる生命とコミュニケーションを図り、生命の調和を大切にしていきたい」と意気込む。


10月に発売した農薬フリーワックス「Fシリーズ」

10月に発売した農薬フリーワックス「Fシリーズ」


Onepoint

自然重視、自然との共生

 優しいまなざし、落ち着いた語り口でありながら、話が会社の理念や哲学に及んだときには、無意識に厳しい表情を浮かべた野田社長。これは先祖代々から守り続けてきた「自然重視、自然との共生」の考えを止めるわけにはいかない、という強い思いと受け取った。困難に対し大衆に迎合してかわすという手段は選ばずに、長年培ってきた技術を磨くことで新規分野に可能性を見いだした点において、古い歴史を持ちつつも極めて先進性の高い企業と言えよう。


掲載日:2011年11月30日

神奈川県製造業

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