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元気印中小企業


満を持して自社開発の自信作を投入 [シコク]

古瀬幸司会長

古瀬幸司会長

会社名 (株)シコク
代表者 市村啓一社長
業種 介護・福祉製品、建築関連製品の開発製造販売業
所在地 香川県さぬき市津田町鶴羽1118-15
電話 0879-42-1111

自動の電動ペーパーホルダーを全国展開

 シコクは、金属や木材を用いた手すりなど介護・福祉関連機器を手がける。防災対策製品も得意分野だ。その同社が “自信作”として満を持して投入するのが、センサーに手をかざすだけで自動的にトイレットペーパーを重ねて切り、使いやすい状態にする電動ペーパーホルダー「紙トール」だ。鉄道車両や高速道路のサービスエリア、病院向けに売り込む。
 開発に当たった古瀬幸司会長は「体が不自由な人にとってトイレットペーパーは使う準備をするのが難しい。病院では毎朝、介護士の人が切って用意していると聞いた。それを解決するために、何とか自動化できないかと考えた」と話す。
 電動ホルダーはトイレットペーパーを決まった長さで折り畳み、自動的に切断する。トイレットペーパーは柔らかい紙の使用やエンボス加工が施されているため、自動での切断は困難だった。使う刃はホルダー本体と紙交換時に開けるカバーの2カ所に設置している。刃をねじらせたロータリーカッティング方式で紙を切り、均等に折り畳む。長さは60センチメートル、90センチメートル、120センチメートルの設定。紙の補充などでカバーを開けた際、2枚の刃を内側に収納するため、安全性も確保した。
 樹脂、木製、ステンレスとホルダーの素材は3タイプそろえた。見た目から格調ある落ち着いたタイプやシンプルな汎用(はんよう)タイプで、置き場所によって使い分けが可能だ。価格は6万円で年間約1万台の販売を目指す。
 同社はこれまで、OEM(相手先ブランド)生産が中心だった。ただ、古瀬会長は「OEMを継続しながらも自社ブランド製品を本格化する意義があると考えた。紙トールを契機に徐々に割合も増やしていきたい」と意気込む。既存の介護・福祉製品に対する開発力、技術力には自信を持っていたが、それを応用したモノづくりに着手した。2月にプロトタイプを完成させ、11月に改良品を市場に本格投入するまでに至った。古瀬会長も「これからは営業も努力したい」と目を細める。

稼ぐ体質への移行も着々と進行

 もう一つ売り込みに力を入れるのが、エレベーター用の防災対応イスだ。地震が多い日本で災害時に自動停止したエレベーター内に閉じ込められると、救出されるまでの時間の過ごし方が難題となる。古瀬会長は「エレベーター内に閉じ込められると、普通の精神状態を保てるのは30分くらい」と分析する。幅30センチメートル、高さが50センチメートルの防災対応イスは座面シートを外すと、非常用食料が入る収納ボックスとトイレボックスから構成されている。凝固剤や目隠し用のブランケットを備えた非常用トイレは複数人が閉じ込められた場合でも、プライバシーを確保し安心して使える。
 普段は耐震用マットで固定する。イスの開閉ボタンはいたずら防止機能も備え、一度座面シートを開けると、工具がないとロックできない。
 10年に開発後、防災関連の展示会にも出展し、販売店などから問い合わせも増えている。地元の香川県民ホール(高松市)で採用されたほか、東京都港区にある十数階建てのマンションなどで採用されたという。
 古瀬会長は「今後、高齢者が高層マンションに住むケースが多くなる」と指摘する。エレベーター製造業からの関心も高く、大手企業がマンションメーカーへ売り込む際にも、標準仕様として推奨する場面も増えそうだ。
 シコクは開発部門を古瀬会長、営業部門を市村社長が担当する。同社の11年2月期の売上高は11億円。12年2月期は同12億円を見通す。古瀬会長が早くから介護・福祉製品での自社製品開発を視野に入れていたのも少子高齢化時代を見越してのこと。「10年前は建築関連が80%くらいだったが、今は30%になった。介護・福祉製品がOEMを含めて60%と主力に育っている」(古瀬会長)という。この10年間で、開発・営業部隊の両方に“稼ぐ”体質が浸透してきたことが、社内にも活力を生んでいる。
 会社を一段階上へと引き上げる自信作、紙トールを中心に介護・福祉業界に新たな旋風を巻き起こす。


電動ペーパーホルダー「紙トール」

電動ペーパーホルダー「紙トール」


Onepoint

廃材利用の薪ストーブがアイデアを生む

 香川県さぬき市の本社は名勝「津田の松原」が近くにあり、風光明媚な瀬戸内海が眼前に広がる。古瀬会長も「景色を見て気分転換する」と笑う。会長室に入ると大きな薪ストーブが目を引く。建築廃材を再利用し、エアコンを使わずに暖を取る。古瀬会長が「まだまだアイデアを出していきたい」というように紙トールのような消費者の目を引き付けるモノづくりに磨きをかける。そろそろ薪ストーブが活躍する季節。薪の暖かみが、新たな発想へのスパイスとなりそうだ。


掲載日:2011年11月30日

介護製造業香川県

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