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元気印中小企業


EMS事業で飛躍、RFID製品でトップを目指す [杉原エス・イー・アイ]

杉原徹樹専務

杉原徹樹専務

会社名 杉原エス・イー・アイ(株)
代表者 杉原俊夫社長
業種 電子機器製造受託サービス(EMS)、RFID事業
所在地 群馬県伊勢崎市今井町313
電話 0270-25-8101

電話機部品製造から成長

 群馬県平野部の中央に位置する伊勢崎市。市内の伊勢崎インターチェンジの隣に杉原エス・イー・アイの主力工場、三和工場が立地する。同社の主力は電子機器製造受託サービス(EMS)で、2011年6月期の売上高は110億円弱。従業員数170人で100億円を超える売上高を支えるのは、「年間数億円の投資を続けて」(杉原徹樹専務)維持している三和工場の先端設備群だ。約70社の主要取引先の内訳には電機メーカーや精密機器メーカー、自動車メーカーなど多岐にわたる。
 同社はかつて電話機用部品の製造などを手がけており、80年代にはファクシミリの組み立てなどを始める。そして80年代末から電子部品の実装などEMS事業も手がけるようになり、遊技機器の設計製造や自動車用エンジンコントロールユニット(ECU)の製造も請け負うようになった。
 杉原エス・イー・アイが大きく飛躍を遂げたのは、EMS市場の拡大をとらえることに成功した00年代前半だ。同事業での受注増により、05年に三和工場を建設し、その2年後には用地を拡張して新工場棟を建て、三和工場の敷地面積は2万8000平方メートル、建屋面積は5600平方メートルに拡大した。杉原専務によると総投資額は「少なくとも20億円」。その甲斐あって売り上げも04年6月期の27億円から数年で100億円の大台を超えるまでに急拡大した。
 快進撃を続けるEMS事業の傍らで暖め続けてきたのが、自社ブランド製品として展開している無線識別(RFID)ソリューション事業だ。同事業では無線タグや無線ネットワーク計測機器などを製造販売する。
 これらの機器は建物内の温度や照度などを測定するだけでなく、一元管理ができることから、工場やビルなどで普及している。それに伴ってこの2年で同事業の売り上げも伸び始めた。杉原専務は、「直近では年間1億円ペースの売り上げに達している」と手応えを感じいる。今春には顧客からの意見や要望を反映し、ラインアップを一新した。特に要望の多い無線通信距離では、従来比3倍の150メートルに伸ばすなど高性能化。一方で計測回線数を削減するなどして、製品の簡素化にも努めた。

強い意志を貫く

 三和工場を建設した05年は生産量が急拡大しただけではなく、品質や調達機能も抜本的に強化した年でもあった。
 当時、要求される品質がいっそう高まっており、ひたすら品質改善に取り組み続けた。杉原専務は、「これでいいだろうという考えは絶対になくそうと心がけた」と振り返る。同時に品質に関する各種のパラメーターを標準化し、品質管理の実行計画をまとめるなど、運営体制も整えた。
 購買も顧客企業に依存するのではなく、なるべく自社単独で担うように努めた。当時、杉原エス・イー・アイは設計部門の強化を図っており、その際、部品の選定を自ら担うことが欠かせなかったからだ。その結果、設計・製造・調達をワンストップで請け負う体制が整い、競争力が高まった。
 愚直さではRFIDソリューション事業も負けてない。同社は十分にラインアップがそろっていなかった00年代半から展示会への出展を続けている。長期的に見て知名度の浸透を見込めるほか、顧客からじかに感想が得られるからだ。杉原専務によると、毎年同社のブースを訪れ続け、3年目になって初めて声をかけてきた人や、5年目で初めて「使えるようになった」とほめてくれた顧客がいたという。顧客側も長期的な視点で同社の新事業に期待していた。杉原専務はこのような取り組みを続けた結果、「この分野では他社よりも一歩抜きんでたという自信はある」と胸を張る。
 いずれはこのRFIDソリューション事業を年間数十億円の規模に伸ばし、EMS事業と並ぶ経営の柱へと育てる計画だ。めまぐるしく変化する外部環境の中、杉原専務は「EMS事業への依存度を下げるためにも、そのくらいの規模に育てないといけない」と気を引き締める。


先端設備を備えた三和工場

先端設備を備えた三和工場


Onepoint

アメーバ経営を取り入れる

 杉原エス・イー・アイの成長を支える愚直で粘り強い経営の姿勢は、京セラやKDDIの創業者で日本航空の会長を務めている稲盛和夫氏の経営12カ条の一つ、「経営は強い意志で決まる」の影響を一部受けている。
 もちろん同社は稲盛氏が生み出した経営手法「アメーバ経営」も取り入れている。この手法は部門ごとの個別採算管理の徹底などが特徴だ。約10年前に取り入れたが、当初は社員が売り上げや利益率などの経営指標を見ても、わが身のこととは感じ取ってもらえず、「仏を作って魂入れず」(杉原専務)の状態に等しかった。ねばり強く社員にアメーバ経営の意義を説き続け、4、5年かけて会社に浸透させた。
 同社は例年10人弱を採用しており、その5-6割は理工系だ。入社から3カ月間、新入社員に「デーリーリポート」と称する日報の作成を課す。日報は杉原専務自らが目を通す。「具体性・客観性に乏しいものは絶対に通さない」と専務。
 例えば、日報に書き込まれたのが作業内容そのものだけだったり、「おおむね」や「良かった」といった表現が使われていたりしたとき。「おおよそではなく何割なのか」、「良かったとは具体的に期待に対してどの程度なのか」といったように指摘する。
 このようなやりとりの過程では互いに精神を消耗することもある。それでも杉原専務が「お互い我慢比べ」と表現する3カ月がたち、新入社員が入社前や入社直後に書いたリポートや日報と最近の日報を見比べると、成長が一目瞭然でわかる。


掲載日:2011年11月24日

群馬県製造業

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