本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > 元気印中小企業

元気印中小企業


成膜ノウハウを確立し既存事業から脱却 [都ローラー工業]

町田憲重社長

町田憲重社長

会社名 (株)都ローラー工業
代表者 町田憲重社長
業種 工業用各種ロールの製造・販売・コーティング加工業
所在地 埼玉県草加市両新田西町112-2
電話 048-924-1319

さまざまな対象物に成膜、広がる可能性

 都ローラー工業は各種ゴムロールの製造・販売・加工が主力。印刷や電子部品の分野に展開し、搬送、塗料塗布、水分除去、洗浄などさまざまな用途に対応している。2011年6月期は、売上高約7億円で増収増益を達成。町田憲重社長は「リーマンショック後の落ち込みから持ち直し始めた」と振り返る。だが、「既存事業の業界は、値下げに歯止めがかからない」(町田社長)のが現実で、「同業者の廃業も少なくない」(同)。このため、新分野開拓による生まれ変わりを図っている。
 同社が新たに展開しているのは、ロールなどにダイヤモンドライクカーボン(DLC)成膜を施す技術。経済産業省・中小企業庁の「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)」を活用し、10年に常温DLC成膜装置を独自開発した。町田社長は「常温で横型の装置としては、国内最大規模」と強調。最大で長さ3000ミリメートル×直径340ミリメートルのロールを加工できる。同社のDLCロールは、川口商工会議所(埼玉県川口市)が実施する「川口i-mono(いいもの)ブランド」の対象製品としても認定されている。
 加工対象はロールだけではない。金属部品やフィルム、化学繊維不織布をはじめ、あらゆる部材に成膜し、耐摩耗性、耐熱性、耐久性、耐腐食性、電気絶縁性などを向上できる。成膜ノウハウを確立して以後、町田社長は営業活動に注力。全産業に向け、これらのメリットを訴求している。結果、各方面から引き合いが相次ぎ、「月4件くらい新しい話が来ている」(同)状況だ。
 町田社長は「いろいろな所から話が来ることで、用途が広がっている」と、うれしそうに話す。例えば、接着用テープにフッ素コーティングの代わりとしてDLCを成膜することで、耐熱性や滑り性を高められる。また、リチウムイオン電池のセパレーターに適用すれば、耐薬品性などの向上が期待できるという。現在、DLC技術を生かし、太陽電池用ガラスをコーティングする塗料と塗布装置の開発にも取り組んでいる。実用化すれば「透過性向上により、発電効率を高められる」(同)見通しだ。

事業存続への熱い想い

 町田社長が新事業に力を注ぐのには訳がある。「息子が事業を継ぐ意志を固めたのが最大の理由」(同)。将来の基盤を築くため、既存事業からの脱却を始めたわけだ。このため、09年に新本社工場を完成させ、研究開発用のフロアを確保。前述の成膜装置や各種測定機を相次いで導入するなど、積極的な投資を展開している。町田社長は「リスクはあるが、やらないと会社の未来はない」(同)と力を込める。目指すのは「技術開発に積極的に取り組む提案型企業」(同)だ。
 会社を生まれ変わらせるためには、「社員のレベルアップも重要」(同)と見ている。ここ数年、日本工業大学大学院工学研究科の卒業生を継続的に採用。これら若手社員で研究開発グループを構成している。「将来の主力人員にしたい」(同)考えだ。継続的な採用で、大学側の教員と信頼関係を構築し、ミスマッチの抑止にもつなげている。
 DLC事業は現在「産みの苦しみ」(同)の状況。確実な収益を出すため、早期に量産案件を獲得することが必要だ。対応領域を広げるため、DLC関連の他社との連携も模索していく。「既存事業よりも、同業他社と協業しやすい分野だ」(同)という。 目標は「5年後に息子へ事業を継承する」(同)こと。それまでに新事業を軌道に乗せ、「会社全体の年間売り上げを12億円まで伸ばしたい」(同)考えだ。


常温DLCコーティングロール

常温DLCコーティングロール


Onepoint

情報収集力、バイタリティー、決断力が武器

 未知の領域へ果敢に挑む町田社長。多方面から引き合いが来るなど、飛躍の足掛かりをつかみつつある。町田社長が秀でている点は三つ。一つ目は、何が世に求められているかをキャッチする情報収集力。二つ目は、異分野の知識を吸収してノウハウ確立につなげるバイタリティー。三つ目は、大胆な投資を実行する決断力だ。多くの中小モノづくり企業にとって新たな事業展開の必要性が増している今、各経営者が参考にすべき要素は少なくない。


掲載日:2011年10月26日

加工埼玉県製造業

最近の記事


このページの先頭へ