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元気印中小企業


石油の枯渇にバイオマスボトルで挑戦 [平和化学工業所]

畠山和幸社長

畠山和幸社長

会社名 (株)平和化学工業所
代表者 畠山和幸社長
業種 プラスチック容器の製造販売業
所在地 千葉県市川市原木1-5-12
電話 047-328-3531

我々で出来ることを

 「石油資源はあと30年で枯渇するとも言われている」―。取材冒頭、平和化学工業所の畠山和幸社長は神妙な面持ちで切り出した。限りある資源を上手に活用することは、地球に生きる者にとって当然の義務。その一員として出来ることは何か。同社が出した一つの答えが、穀物を原料に用いて、石油原料の使用量を抑えるバイオマスボトルの製造だった。
 同社のバイオマスボトルはトウモロコシやサトウキビが主原料。主に、化粧品メーカーに納入している。また昨年千葉県で国体が開催された際に発売した、県のマスコットキャラクター「チーバくん」の貯金箱にも用いられるなど「認知度は着実に向上している」(畠山社長)。
 同社はプラスチックの積層ブロー成形を得意とし、化粧品向けのプラスチック容器の製造などを手がけている。畠山社長の姉の嫁ぎ先がガラスびんのブローカーを営んでおり、請われる形で1957年の設立と同時に入社した。当初はガラスびんを扱っていたが、「包装資材の主流がガラスからプラスチックへと流れていた」(畠山社長)ことから事業を転換、そして68年に社長に就任した。
 「仕事は毎日毎日、注文を受けてはプラスチックを成型することの繰り返し。実を言うと社長就任に乗り気ではなかった」(同)。暗い影を少しでも打破しようと、仕上げ作業の不要な成形機の導入や海外進出の企図などをした。「行動した瞬間は確かに他社の一歩先に立てた。だが、1年もすれば追いつかれてしまう」(同)。設備以外で他社と違う分野を探す必要があった。
 同社は83年ごろから、多層成形の研究を始めた。複数の樹脂素材を流し込み成形できる機械を導入し、休日を問わず研究に取り組んだ。「多層成形はコストや手間の面で、大手もなかなか手を出さない分野。導入当初は多層成形の依頼がなく辛かったが、他に出来ないことをモノにしてやろうという気持ちが勝っていた」と畠山社長は振り返る。現在では、同社の得意分野となった多層成形。当時導入した機械は、いまだに現役で活躍している。

石油資源に頼らない

 他に出来ないモノを作る―。畠山社長の挑戦する姿勢は、製法だけでなく素材にも向けられた。社長の目にとまったのが、石油資源のみに頼らないプラスチックボトルだった。
 最初の出会いは約25年前。顧客2社から成形テストの依頼のために持ち込まれたバイオポールだった。バイオポールとは、植物でんぷんを栄養源に微生物が生み出す樹脂。「ボトルとして使えれば面白い」と、早速成形を試みた。形はうまく出来た。しかし、水分を入れて保存を試みたところ、瞬く間に蒸発し使い物にならなかった。
 2年としないうちにバイオポールが製造中止となり、トウモロコシのでんぷんを栄養源に乳酸菌が生み出すポリ乳酸を代替として使用するようになった。だが、ポリ乳酸も水分透過性が高く保存の役目は果たさなかった。
 「何としても容器にしたい」(同)。畠山社長は得意の多層成形を使用する手を考案した。外側はポリ乳酸のまま、内側にポリエチレン皮膜を成形し水分透過性を落とすことに成功した。「ようやく一つの難題をクリアした」(同)。この時、バイオポール製ボトルの開発着手から10年が経過していた。
 しかし、一難去ってまた一難。ポリエチレンは官能基を持たないため、接着剤を用いてもポリ乳酸がくっつかず、時間の経過とともに剥離していく。化学的、物理的に両者をくっつける策に試行錯誤しながら、偶然両者を接着できる物質を見つけた時には、さらに10年以上が経過していた。
 バイオマスボトルのラインアップを増やすため、現在は非食用「資源米」を使ったボトルの開発を進めている。試作は既に完了しており、今後の課題は米特有の臭いやカビ発生の抑制だ。今年9月、千葉県のものづくり認定製品に選ばれ、大手の洗剤メーカーなどから問い合わせが来たという。化粧品や健康食品向けに、2012年ごろの実用化を目指している。
 有限な石油資源が減少する中、対策は急務。「対策の一選択肢として、バイオマスボトルを提案できれば」と、平和化学工業所はその準備を進めている。


トウモロコシなどが主原料のバイオマスボトル

トウモロコシなどが主原料の
バイオマスボトル


Onepoint

次の世代への思いやり

 足かけ20年以上にわたり、バイオマスボトルを手がけているが、注目が集まるようになったのは「温室効果ガス削減が叫ばれるようになったここ数年の間」(畠山社長)という。ようやく実り始めた成長の芽。平和化学工業所は「チーム・マイナス6%」に属しながら、さらなる成長に向けボトルをPRしている。
 元々は差別化のため、手がけ始めたボトル。社長は「石油資源一辺倒に代わるボトルを作って、子どもたちの世代が快適に暮らせる環境を作らないと」と思いやる心を見せる。


掲載日:2011年10月26日

千葉県製造業

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