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元気印中小企業


人材教育の徹底でリーマンショックも乗り切る [山岡製作所]

山岡祥二社長

山岡祥二社長

会社名 (株)山岡製作所
代表者 山岡祥二社長
業種 精密プレス金型・電子部品製造装置の製造、精密プレス加工業
所在地 京都府城陽市平川横道93
電話 0774-55-8500

高いレベルで差別化を図る

 山岡製作所は精密プレス金型を核とし、電子部品製造装置や金型を使ったプレス加工など幅広い事業を展開している。最近は携帯電話や家電製品に用いられる発光ダイオード(LED)関連の部品が堅調だ。業績を支えるのは独自の経営手法だ。同社には国内外からの視察や、講演の依頼も数多く寄せられる。
 世界規模で競争が激しくなる事業環境の中で生き残るため、高いレベルで他社と差別化を図るには「しっかりした人材育成の仕組みがあるかどうかがポイント」と考える山岡祥二社長は、大手企業のような職能資格制度を念頭に、1年程度で大まかな形を作り7、8年かけて体制を整える人材育成制度「山岡技能経営」を完成していった。今も会合を月1回開き、常に現状に見合った仕組みとなるように内容を見直している。
 制度の内容はスキルマネジメント教育とマンパワーアップ活動に大きく分かれる。スキルマネジメント教育では1-9級までの等級を設け、各級ごとに試験や論文を課して「ハードルを作る」(山岡社長)。業務に必要な工作機械のほかパソコン、礼儀作法に関するスキルなどの講座を、社員が講師となって原則業務時間外に開講する。カリキュラムは全部で189科目。受講によりポイントが付与され、一定基準に達すれば昇級が可能だ。
 マンパワーアップ活動は、自分が携わる業務の範囲内で決めた個人テーマに基づいて行う改善活動。約10カ月後に全員が個々の結果を発表し、優秀な成果をあげた社員は全員の前で表彰される。個人によって目標はさまざまだが、工作機械のオペレーターで技能検定取得を目指す人もおり、同検定の受検者が増えている。検定の各級に応じた手当を与えて社員のモチベーションを高め、これまでに約70人が国家技能士となった。
 モノづくりの現場では、ベテラン職人が人に教えるのは苦手なことが多い。そこで教える側にノルマを与え、若手にオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)で指導させる「押しつけOJT」を実施している。フライス盤や金型仕上げなどの熟練の技が円滑に継承されていく仕組みになっている。
 山岡社長の人材を大事にする思いはひときわ強い。ITバブル崩壊直後の2002年度は赤字で人員整理を行った苦い経験があり、「(人員整理は)二度とするまい」(同)と心に誓っている。採用には積極的で、求人活動にも惜しみなく投資してきた。近年は大卒を中心に優秀な人材が集まっている。
 常に最新の設備投資を行う同社は減価償却の水準も高いが、それでも利益率は8%を維持する。08年秋のリーマン・ショックも「そこそこの黒字」(同)で乗り越えるほどの収益力を身につけている。

熟練技能者のスキルをさらに高める

 研削盤やワイヤカットの作業に携わる技能者で、熟練の技と顧客の要望に応える腕を持つと認められた場合は「スーパー職人」の称号が与えられる。全体のほんの一握りで、現在は24人。さらに金・銀・銅とランクが分かれており、レベルに応じた手当が与えられるなど評価に直結している。スーパー職人となった技能者は、自らも作業しながら優先的に若手の指導を行っている。
 これまでは、社員をスーパー職人の域に引き上げることに力を入れてきた同社だが、山岡社長は「スーパー職人になった人のスキルをどう高めるかが課題」と次の段階を見据える。主に工作機械のオペレーターであるスーパー職人が難易度の高い加工に挑戦し、展示会などでサンプルを紹介して自社の技術をアピールしている。
 今後は、金型と自動装置に「徹底的に注力する」(山岡社長)考え。プレス加工分野は中国や韓国、台湾の技術も向上している。同社は約5年前からモールド金型事業にも乗り出しており、プレスとモールドの複合製品で新たな市場を開拓し、強みを磨く考えだ。「他社にできない高度な領域での加工に特化し、スキルで付加価値を稼ぐ」(同)と、高レベルのモノづくりに挑み続ける。


OJTで熟練の技が円滑に承継される

OJTで熟練の技が円滑に承継される


Onepoint

経営意識も向上

 業務スキルを高める取り組みと明確な目標を持った改善活動で、社員個人の能力を引き出してきた同社。山岡社長は「日々の仕事でスキルは自然と上がっていくが、マンパワーアップ活動を取り入れることで(向上が)加速する」と自負する。経営計画の策定には課長クラスも参画。トラブルやクレームが発生しても以前は社長が対応していたが、今では課長あるいは係長クラスでほぼ解決するという。社員の経営に対する意識向上にも独自の人材育成制度が一役買っているようだ。


掲載日:2011年10月19日

京都府加工製造業金型

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