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元気印中小企業


特殊織物で独自分野を切り開く [明大]

小河原敏嗣社長

小河原敏嗣社長

会社名 明大(株)
代表者 小河原敏嗣社長
業種 特殊織物製造業
所在地 岡山県倉敷市曽原484-1
電話 086-485-1355

産業資材をメーンに経営を安定化

 明大は1963年創業の特殊織物の総合メーカー。これまで「多品種少量生産による高付加価値型」の製品開発をモットーに独自分野を築いてきた。「他社と同じことをしても意味がない」という創業者の理念は現在も引き継がれている。創業当時はインテリアやファッション向けをメーンに手掛けていた。しかし流行や季節性から需要が安定しない。そこで経営の安定化のために産業資材に目を向けた。
 同社の発展を支えてきたのは自社工場での一貫生産だ。織物から縫製、出荷までを短納期で対応できる体制を整えている。「小ロット、短納期で対応してきたので経営の波はなかった」(小河原社長)。合理的な生産のため一般的な織機を改良するなど、機械の製作にも知恵と工夫を凝らしている。
 製品開発については担当部門だけでなく他部門の従業員も柔軟な発想で積極的に意見を出す。デザインのアイデアなど違った角度の考え方が把握できるという。合理化された生産体制に加え、この団結力が同社の元気の源だ。「当社の従業員はどんな仕事に対しても常にアイデアを出すことが習慣づいている」(同)と意識の高さを自負する。
 こうした取り組みにより豊富な製品ラインアップが実現した。主力製品のベルトスリング「ロックスリング」は、一般繊維とアラミド繊維の2タイプ。軽量物から超重量物まで幅広く揃える。また耐熱性や耐薬品性が求められる特殊用途にも使える。特に「ロックスリングシグマ」は、日本工業規格(JIS)の改定で追加されたIV等級に対応。従来の同社製III等級品と同じ幅でも強度が大幅に向上し、最大使用荷重は25%アップという。もちろんIII等級品と同価格なので経費削減につながる。

細幅・広幅織物の生産が強み

 もう一つの柱は、土木建築向けの細幅・広幅織物。織機や製造ラインの問題から一社で細幅・広幅両方の織物を生産できる企業はほとんどないという。これに対応できることが同社の最大の強みだ。細幅織物は建築物や構造物の柱などに巻き付ける耐震補強用ベルトに用いられ、鉄板や炭素繊維に代わる新しい工法として注目されている。また広幅織物はコンクリート施工用布製型枠。従来の現場打ちコンクリートやプレキャストブロック工法に比べ少人数、短時間で施工ができる。
 これらの製品に小ロットでも対応し納期に間に合わせること。また自社製品を売り込むのではなく、顧客の問題を解決しニーズに合った提案をするという考え方。この姿勢で取り組んできた結果、信頼関係を築くことができた。
 東日本大震災以降、がれき撤去用のベルトスリングや土木建築向け織物の注文が緊急で入ることもある。これに素早く応えるため、従業員を関連部門にシフトするなど柔軟に対応している。現地の要望に時間を惜しまず対応することで「自分の仕事が復興につながっていることを実感し、社内のベクトルが合っている」(同)と従業員のやる気を強調する。
 経営の三本目の柱にしようと現在開発を進めているのが、「他に類を見ない」という四軸織物「テトラス」だ。従来の織物は縦糸と横糸の二軸で構成されている。これに斜め方向から糸を2本交差させるという技術を確立し、量産可能な四軸織機を完成させた。寸法安定性と引裂強度が大幅に向上したことで、特にカーボン繊維やアラミド繊維で作る四軸織物は多くの分野から注目されている。スポーツ・レジャーや音響など趣味関連の商品が中心だが、今後は産業資材向けへと応用を展開していく。
 近年、国内の素材メーカーの多くは中国やベトナムなど海外市場に進出し、日本の繊維産業は衰退していると言われる。「繊維は業種を問わず必ずどこかで使われている。そこに目を向け新たな提案をすることで、まだまだ生きる道はある」(同)と国内需要の可能性を見据えている。新たなニーズを掘り起こし、持ち前の発想力と提案力で業界を切り開いていく。


豊富な種類のベルトスリング「ロックスリング」

豊富な種類をラインアップする
ベルトスリング「ロックスリング」


Onepoint

発想力が原動力

 社員全員が製品開発要員といえる。自分の意見を発言しやすい雰囲気が社内にあるのだろう。また作業現場では常に効率を考え、必要であればすぐに改善する。この発想力と行動力が技術と製品に生かされているのは確かだ。国内需要が厳しい中、今後経営の柱とすべきは四軸織物。この製造技術と製品価値は他社の追随を許さない。同社従来品への技術応用のみならず、新製品の開発や新分野への展開がカギとなる。


掲載日:2011年10月19日

岡山県製造業

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