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元気印中小企業


災害時非常電源装置を開発 [赤松電気]

赤松重秀会長

赤松重秀会長

会社名 (株)赤松電気
代表者 赤松範彦社長
業種 電気設備設計施工業
所在地 静岡県磐田市大立野450
電話 0538-37-5233

要望を真摯に受け止める

 赤松電気は、家庭や工場などの電気設備設計施工が主力の“街の電気工事屋さん”だ。このほど自社オリジナル製品の災害時電源切替装置「エレクピース」の開発に成功した。東日本大震災の記憶が新しく災害対策が叫ばれる現在、将来の成長が見込める企業となっている。きっかけは約3年前、地元の自治会の役員から赤松電気会長の赤松重秀が受けた「公会堂の非常用電源に、可搬式発電機を利用できないか」という依頼だった。
 一般的には可搬式発電機を建物の非常用電源に使うことは非常識だ。建物の分電盤に接続すれば屋内の家電製品を復旧できるが、業界で前例のない専用の工事が必要で、そういった工事をする業者は見あたらなかった。普通の業者であれば本格的な非常用発電装置の導入を依頼主に勧めるところだ。しかし、自治会の予算は限られるため、大がかりな装置の導入は難しかった。
 赤松会長は「相手が困って相談してきたことを実現したかった」という一念で、災害時電源切替装置「エレクピース」を開発。停電時に発電機を起動させ、分電盤内のスイッチを切り替えれば、屋内に電力が供給されるシステムを作り上げた。製品化にあたり、大手分電盤メーカーの日東工業の協力を得たほか、「(電力系統への)逆流が生じないよう、中部電力とも協議を重ねた」(赤松会長)という。
 自治会の公会堂での工事が完了した2009年初には、地元のマスメディアなどにも取り上げられ、製品だけでなく同社の技術力のアピールにもつながった。09年春に設備工事費込みの価格50万-200万円でエレクピースを発売。一般家庭や自治体、住宅会社向けに営業を始めた。
 同社の11年7月期の売上高は前期比25%増の1億円。まだ大半が電気設備設計施工で、エレクピースはあまり貢献していないが、「3年後にはエレクピースを2本目の事業の柱として既存事業の売り上げと同規模にする」という目標を掲げている。

太陽光発電システムとの接続に最適な機種を追加

 同社は11年8月、許容電力量を太陽光発電システムに付いている非常用電源コンセントの容量と同じ1500ワットに絞った機種をエレクピースに追加した。従来機種は4500ワットまで対応するが、対応電力量を引き下げることで、価格を30万円に抑えた。1500ワットまでの利用なら、可搬式発電機とも接続できる。同社はこれを普及機に位置付け、拡販する考えだ。
 太陽光発電システムの中で、非常用電源コンセントが付いている電力変換装置は通常、設置場所から動かすことができない固定式だ。そのため停電時は、非常用電源コンセントから延長コードを屋内までつないで、屋内の電気製品を利用することになる。エレクピースを使えば、太陽光発電システムで発電した電気を通常通り屋内のすべての照明や電気器具で利用できる。電気容量は1500ワットに限られるが、災害後に電気が復旧するまでの期間を乗り切るための最低限の電力を確保できる。可搬式発電機を併用すれば、夜間や曇りの時にも対応できる。
 赤松会長はエレクピース以前にも自社製品を開発したことがある。1994年に発売したプラグ安全カバー「セーフティピック」だ。電気設備工事の客先で漏電事故に困っていることを聞いて開発した。その後、01年に東京都新宿区の歌舞伎町の雑居ビルで漏電事故による火災事件が頻発したことで安全対策用品として注目を集め、「03年ごろまで爆発的に売れた」(赤松会長)。コピー用品が大量に出回るようになった現在でも「多少だがロイヤルティーは入ってくる」(同)という。
 同社の競争力の源泉となっているのは赤松会長のアイデアによる新商品だ。新商品開発のコツを赤松会長に訪ねると、「開発しようと思って開発した新商品はひとつもない。仕事が好きで、お客さんの困りごとを解決しようと真剣に考えていたら自然にできていた」と振り返る。当面はエレクピースの拡販に力を注ぐが、今後も顧客の声なき声に耳を傾けた新商品を出し続け、業績を伸ばす方針だ。

災害時電源切替装置「エレクピース」

災害時電源切替装置「エレクピース」


Onepoint

常識外に挑む姿勢

 赤松会長が新商品を生み出せる理由のひとつが、人柄の良さだ。ギラギラとしたところがなく、何でも相談しやすい雰囲気を持っている。さらに、本業の電気設備設計施工で常に取引先と真剣に向き合い続けたことで信頼され、気軽に本音を言い合える関係性を築いた。取引先が漏らす本音を『業界では常識外れのことだから』と聞き流さず、何とか解決できないかと考えて実行に移すことで新商品が生まれている。この経営姿勢を維持することができれば、さらなる業績向上も夢ではない。


掲載日:2011年9月28日

新事業製造業静岡県

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