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元気印中小企業


「小さな世界企業」を目指す[入江工研]

入江則裕社長

入江則裕社長

会社名 入江工研(株)
代表者 入江則裕社長
業種 金属製品加工業
所在地 東京都千代田区丸の内3-1-1
電話 03-3211-7112

自社に合った生産改善策を実践

 入江工研(東京都千代田区)は行き詰まりを見せていた。鉄道の変圧器部品や、各種製造装置の継ぎ手となる金属製伸縮菅(ベローズ)、ゲートバルブを製造・販売する同社は、研究開発拠点のテクニカルセンター(埼玉県川越市)や生産拠点となる内子工場(愛媛県内子町)、中山工場(同伊予市)で、生産工程の最適化を目指し生産管理システムの試行導入を行ってきた。しかし、思うような成果が上がらず社員のモチベーションは下がっていた。
 閉塞感が漂う中、一冊の本が入江則裕社長の目に留まった。エリヤフ・ゴールドラット氏の著書「ザ・ゴール」だ。本の中で同氏が提唱する「TOC(制約条件の理論)」を自社に導入できないかと考えた。
 同理論は、生産工程に存在する制約条件(ボトルネック)を見つけ出し、発見されたボトルネックを改善した後、新たなボトルネックを特定し改善する。この過程を繰り返すことで、各工程のボトルネックを解消し、生産性向上を図る。
 入江社長は「生産集約を行い在庫を減らす“かんばん方式”を企業が一律で導入しても差がつかない」(入江社長)と語り、会社の実状に沿った生産性向上策を実践する必要性を説く。現在、生産性1.5倍を目標に掲げ、全社一丸となり生産工程の最適化に取り組んでいる。

バランスのとれた経営

 入江工研が製造するベローズやゲートバルブは、半導体やFPD(TFT液晶、有機EL)、高輝度白色LED製造装置のほか、放射線医療機器や加速器など、高い機密性を必要とする装置の搬送部にシール材として使われている。「(半導体業界の景気サイクルを意味する)シリコンサイクルに左右されない、バランスのとれた経営を目指している」と、入江社長の経営方針は明確だ。国内依存度が高いと、半導体需要の波にのまれる危険があるためだ。
 内需に頼る性質から脱却するため、同社は国外に目を向けている。06年6月には中国・江蘇省で建設用ベローズと鉄道車両部品の一部を製造する「常州入江成功有限公司(CIKC)」を開業した。中国鉄道企業と連携し、CIKCが製造した部品を組み込んだ鉄道車両関連製品を販売している。
 鉄道網の整備が急ピッチで進んでいる中国での連携の意義は同社にとって小さくなく、「日本では市場が飽和し、需要が低下していた技術が中国で花開いた。小さくても目立たない技術の積み重ねが大事なことに気づいた」(入江社長)と、自信を取り戻すきっかけとなった。
 現在、力を入れているのが大型矩形溶接ベローズだ。円形ベローズに比べ、設計や溶接が難しい反面、内側のスペースを効率よく使用できるためニーズは高い。例えば、高真空製造装置のチャンバーとゲートバルブ間の取付誤差吸収用大型矩形ベローズは、小さな面間で伸縮量を確保できるため、メンテナンスも容易となる。
 入江社長は自社の性格について「小さくても世界に通用する製品を提供する“小さな世界企業”」と分析する。現在は中国や台湾、韓国と東アジアが中心の事業展開だが、今後は米国や欧州への進出も視野に入れている。

大型矩形溶接ベローズ

大型矩形溶接ベローズ


Onepoint

柳に雪折れなし

 「柳に雪折れなし」という。柳の枝は一見弱々しく見えるものの、雪が積もっても折れない。柔軟なものは、剛堅なものよりも強いということの例えだ。「柳のような企業にしたい」と語る入江社長の言葉には、先のことは誰にも分からない、だからこそ事態に柔軟に対応していく経営姿勢がにじみ出ている。「社名が入江工研(こうけん)と言うからには、社会に“貢献”しないと・・・」と、冗談交じりに笑ってみせる入江社長は、頭の中も柔軟だ。良い製品を作り、世の中を喜ばすことに力を尽くしていく。


掲載日:2011年9月20日

加工東京都海外展開

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