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元気印中小企業


金型メーカーへ事業領域を拡大 [名古屋特殊鋼]

鷲野光司社長

鷲野光司社長

会社名 名古屋特殊鋼(株)
代表者 鷲野光司社長
業種 特殊鋼商社・金型製造業
所在地 愛知県犬山市鶴池78-1
電話 0568-67-6701

熟慮の末の決断が成功を生む

 「(金型事業は)苦肉の策だった」。名古屋特殊鋼の鷲野光司社長は、当時を思い返すように、ゆっくりと語り始めた。1965年に特殊鋼商社としてスタートしたが、「特殊鋼の販売だけでは利幅が薄い。第2の経営の柱が必要だった。悩んだ末の決断だった」(鷲野社長)と、過去の苦しい胸の内を明かした。80年代に入り、鍛造や鋳造向け金型の製造に進出。熟慮の上で参入した新規事業だった。製造業への事業拡大はある種の賭けでもあった。だが、鷲野社長の決断は間違ってはいなかった。
 事業領域を拡大したり、業態を変えたりするには、企業・事業買収で対応する例は多い。ただ、資本規模の小さい中小企業が買収という手段を採るのは難しい。他社の技術やノウハウを吸収して成長する手段を選べない中小企業が新事業を立ち上げ他社に打ち勝つには、事業の独自性が何より求められる。
 商社から金型製造業へと事業領域を広げた名古屋特殊鋼は「品質は追いつかなくても、納期とコストだけは絶対に負けないようにしよう」というスローガンを打ち立てた。“顧客の信頼を勝ち得る要因は、品質だけではない。納期の徹底とコストで勝負できる”という意気込みが大きなうねりとなり、社内全体に広がっていった。
 スローガンに従い行動した結果、顧客の信頼を次々とつかんでいった。今では、トヨタ自動車やアイシン精機などのトヨタグループのほかにも、ホンダや日産自動車など大手自動車の関連企業にも納入している。年間売上高の約7割を、金型事業が占めるようになり、主力事業に成長した。

弱点を客観的に把握することからスタート

 急成長の理由の一つには、「後発のデメリットをメリットに変えた」(同)ことも大きい。金型製造は、熟練者のノウハウに頼る部分が多いが、新規参入した名古屋特殊鋼に当然ながら、熟練者はいなかった。
 熟練者不在というウィークポイントを克服するために、同社は当時としては先端的だった、CAD/CAMを最大限活用した生産システムを構築した。熟練者の技に頼らず、一定の水準で金型製造ができるようになった。また、特殊鋼商社として培った知識も事業の成長を後押しした。「特殊鋼のプロ」(同)として、汎用性の高いものから希少品まで、各種の材料の中から顧客の要求に合った製品を提供している。
 金型事業では、鍛造や鋳造、ダイカスト、小物プレスなどの金型を手がける。主力の鍛造用金型は、自動車に搭載するエンジンのクランクシャフトやコネクティングロッドなどを生産する。同部品は車の安全走行には欠かせないだけに、品質確保には全力を注いでいる。
 海外にも触手を伸ばし、米国生産拠点のIDTツールズ(ケンタッキー州)では、リバースエンジニアリングと呼ばれる金型の測定データを活用した金型製作事業を立ち上げた。現在ではこの技術を日本に逆輸入し、新たなビジネスモデルを構築している。「測定だけであれば他社と変わらないが、測定データを活用した加工データの作成をできるのが強み」(庄司秀夫常務取締役)という。
 米国の生産拠点は、金型測定データを活用した事業が奏功し、10年12月に単年度黒字に転換した。一方、国内では無段変速機(CVT)やハイブリッドシステム関連部品向けなど、高い精度が求められる付加価値の付いた金型製造へとシフトしている。「他社に追随されない技術で国内外での競争力を保ち、今以上に事業を強化したい」(鷲野社長)と意気込みを見せる。

成長のカギを握る米国のIDTツールス

成長のカギを握る米国のIDTツールス


Onepoint

海外事業の拡大が課題

 商社時代から、付加価値のある製品を扱うことに意欲が旺盛だった。金型事業に参入してから次々と周辺事業を手がけるのも貪欲(どんよく)さのあらわれだ。エンジンや変速機などは、重要保安部品のため、車両生産よりも海外生産が遅れていた。しかし今後は、海外シフトが進む。熟練者に頼らない生産システムを構築してきた強みを生かし、どう海外で事業拡大するか。今後の同社を左右する重要なファクターとなる。


掲載日:2011年9月 8日

愛知県海外展開自動車用部品金型

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