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元気印中小企業


時代を先読みしビジネスチャンスに [中京油脂]

伊藤敞一社長

伊藤敞一社長

会社名 中京油脂(株)
代表者 伊藤敞一社長
業種 油化学品製造業
所在地 名古屋市中川区富川町2-1
電話 052-362-1851

ニッチトップ

 「大企業と同じ土俵で戦う必要なない。自分たちの得意分野で、大企業に負けない技術力や営業力を持ち続けられる企業を目指す」―。中京油脂の伊藤敞一社長は、経営方針についてこう語る。感熱記録紙用の塗工剤や自動車用のウレタンシート離型剤などで高いシェアを維持する企業トップの言葉だけに重みがある。
 売上構成比で23%を占める主力製品「ハイドリン」は、感熱紙の滑りをよくするための塗工剤で、ファックス用紙のほか、飲食店や食品スーパー(SM)のレジで発行されるレシート紙の滑(かつ)剤として用いられている。同製品の世界シェアは60%、国内では80%にのぼる。また、自動車部品を金型から外す際に使われる離型剤「リケイ剤」の国内シェアは60%となっている。ニッチな分野ではあるが、堅実かつ柔軟な経営で着実に成長を遂げている。
 同社の強みは「撥水(はっすい)、滑り、離型」というワックスの機能を熟知していることと、ワックスを数マイクロメートルの微小な粒子にして水に均一分散する乳化・分散の技術にある。これらを応用しニーズに合った薬剤を提供することで、顧客から信頼を勝ち得ている。
 成長を維持し続けられる背景にあるのは、独自技術だけではない。一貫して、取引先の大企業と対等な立場で接してきたことも大きな要因になっている。自動車や製紙、機械、素材など各業界のトップ企業を相手にしてもひるむことなく、独自技術を提供し、協力して製品をつくり上げてきた。互いに意見を出し合う中で生まれた製品が今、中京油脂の稼ぎ頭になっている。
 大企業と良好な協力関係を構築するには、大企業に負けない技術力や知識、ノウハウが不可欠となり、そのためには社員一人ひとりのスキルアップが求められる。「新しいことに興味を持ち、常に攻めの姿勢でいられる社員に育てることが重要」(伊藤社長)と、社員教育の必要性を説く。

環境対応で先取り

 国内の離型剤の約90%には、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)が含まれているという。近年、環境意識の高まりから、欧米ではREACH(欧州化学物質規制)が見直され、揮発性有機化合物(VOC)に対する規制も厳しくなっている。国内でも2006年4月に大気汚染防止法が改正され、VOC排出規制が始まった。
 規制を先取りし、中京油脂は約20年前に、離型剤から有害物質を取り除き、安全な製品を開発するための研究に着手していた。有機溶剤を水に切り替え、含有成分の独自配合と分散技術を駆使し、溶剤系離型剤と同程度の性能を持つ水系派離型剤の開発に成功した。時代を先読みした攻めの経営姿勢が功を奏し、新たなビジネスチャンスを生んだ。
 同社は現在、月商1億円規模を見込む新商品の開発に取り組んでいる。その筆頭候補に挙がっているのが、マイクロカプセルだ。乳化技術を応用し、水中に分散した油の表面を固めて粒状化される。固まった粒状体の中に、異素材を内包できるようにした。
 すでに直径0.1マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルという超微小サイズのカプセル製造に成功している。建材用の塗料や感圧紙(ノーカーボンペーパー)といった情報記録紙など、さまざまな用途への利用を見込んでいる。「ハイドリン」や「リケイ剤」に続く、第3の主力商品に育てる考えだ。


主力製品のひとつである塗工剤「ハイドリン」

主力製品のひとつである塗工剤「ハイドリン」


Onepoint

技術力に裏打ちされた自信

 「たとえ相手が大手であれ、自分の考えを率直に伝える。主張すべきは主張し、譲歩すべきは譲歩する。こうして信頼関係を築いてきた」という伊藤社長の言葉の裏には、中小企業を背負って立つ社長としてのプライドがにじみ出ている。この自信を裏打ちしているのが、自慢の技術力だ。ニッチな分野の中で身の丈に合った経営を心がけながらも、大手も舌を巻く製品を開発し、自らを成長させてきた。企業規模ではなく、技術力で勝負し社会に貢献する。強い中小企業に共通する姿勢だろう。


掲載日:2011年9月 1日

愛知県油化学品製造業

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