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元気印中小企業


ステンレス溶接技術をサポート [ケミカル山本]

山本正登社長

山本正登社長

会社名 (株)ケミカル山本
代表者 山本正登社長
業種 製造業
所在地 広島市佐伯区五日市町美鈴園17−5
電話 082-923-6584

中性塩電解焼け取り法で危険な作業なくす

 「存在しない技術なら自社でクリエート(創造)しよう」-。ケミカル山本の創業理念である。というより、創業者であり今なお同社の主席研究員を務める山本正登社長の信念といった方が的を射ているかも知れない。研究開発型企業、ケミカル山本の歴史は山本社長の第2の人生軌跡でもある。
 山本社長は三菱重工業広島研究所の特許室長を最後に定年退職した。現役時代、98件にものぼる特許を取得し、功なり名を遂げてリタイア。“のんびりとした余生”を送るはずだった。ところが山本社長の頭からついて離れないことがあった。長い間見てきたステンレス加工の溶接焼け取り現場だ。
 かつてステンレスの焼け取りやサビ落としには、硝フッ酸に代表される毒劇物を使うしかなかった。作業中にごく微量の処理液が指先に付着するだけで骨まで浸透し、激痛を引き起こした。処理液がステンレスに含まれるクロムと反応し、発がん性の高い六価クロムまで発生させていた。
 「作業者を危険な溶接焼け取り作業から解放したい」という一心で、無から有を創造する山本社長の第2のチャレンジ人生が始まった。
 試行錯誤の末に、中性塩電解焼け取り法を開発した。無害な中性塩の溶液に2枚のステンレスを浸け、この間に直流電流を流すと、プラス極では酸を、マイナス極ではアルカリが生じる。通電を止めると、元の中性液に戻る。この時の化学反応で、ステンレス加工品の溶接焼けや汚れが簡単に取れてしまう。
 これをコンパクトな装置にして売り出した。チタンや銅、銀、アルミなどにも有効で、原子力の放射能汚染除去、医療、食品機器などさまざまな産業用途に広がった。ケミカル山本の名前が一気にステンレス業界にとどろいた。

放射能の除染、リサイクルや耐食性の向上、更には社会貢献も

 ステンレスの安全無害な溶接焼け取り用として、また放射能除染用としての使用実績を持つ中性塩電解焼け取り法と周辺商品の開発を同社の第1期とすれば、第2期は「表面改質型焼け取り法」の開発だ。ステンレスの不動態被膜を強化するもので、耐塩素孔食性をバージン材料以上に向上させる。
 第3期は、ステンレスのリサイクルをサポートする機器の開発となる。世界的なニッケルの高騰で、一部をマンガンに代替した省ニッケル型ステンレスが横行し出した。これが通常のステンレス鋼に混じって再生されれば、規格はずれの製品になる。規格内におさめるため、マンガン含有量を電解式により5秒間でチェックする製品を送り出した。
 第4期は、「ウルトラ不動態化処理法」の開発。オーステナイト系ステンレス鋼の欠点である応力腐食割れ防止に効果的な不動態被膜を形成させる方法だ。
一連の技術で、ケミカル山本として22件の特許を取得している。黄綬褒章、科学技術庁長官表彰、発明大賞、特許庁長官賞など数々の賞にも輝いた。
 新設した「クリエイトセンター」では、「ウルトラ不動態化処理」などの表面改質処理を請け負う新事業を立ち上げた。少年少女の発明心を支援する「山本正登賞」も創設した。また、児童の理科離れをくい止めようと、全国的にも珍しい小学生対象の化学実験教室「わくわくケミカルクラブ」を立ち上げ、既に5期生まで送り出した。山本社長とケミカル山本は立ち止まらない。

応力腐食割れ試験結果

応力腐食割れ試験結果

Onepoint

後継者育成、営業力強化が課題

 「2011年は創業30周年目。製品的には一応の区切りがついた」。最近の山本社長の口癖だが、会話の中にアイデアが次々と漏れる。自ら研究の先頭に立ち、三菱重工業広島研究所の後輩や大卒の若者らで開発体制は万全。一方、経営面での後継者の手薄は否めない。全国に13の生産、営業拠点を持つが、こちらも“商品力”に営業力が伴っていないのが課題といえる。


掲載日:2011年7月12日

広島県製造業

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