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元気印中小企業


「水」を通じて地球環境向上に貢献[ウェルシィ]

福田章一社長

福田章一社長

会社名 (株)ウェルシィ
代表者 福田章一社長
業種 水道施設工事業、水質分析業
所在地 東京都千代田区麹町4-8-1
電話 03-3262-2431

 ウェルシィは膜処理による地下水浄化システムの開発や製造などを手がける。深井戸を掘ってプラント内に水をため、砂や膜で濾過したのち供給する。非常時の水の確保や水道料金削減に結びつく点などが評価されている。日本ニュービジネス協議会連合会などが主催する「ニュービジネス大賞」最優秀賞を2006年3月に受けるなど、事業の新規性や成長性が注目を集めている。

現状維持は衰退

 95年1月に起きた阪神大震災の後、水道水の復旧には最大3カ月を要した。一方で井戸については過去の地震で受けた影響が比較的少ないという。地下水と水道水を併用することで非常時のライフラインが確保でき、公共水道料金の削減にもつながる-。それがウェルシィの提案だ。
 地下水を膜で濾過し、飲料水を生成するシステムでは国内で800件以上の実績を誇る。災害時に近隣住民へ水を提供する協定を自治体などと交わしている納入先もあり、システムが地域貢献の役割も果たしている。「全国2000カ所で公共水道と地下水膜濾過システムによる二元給水の体制が整えば、非常時にも水ライフラインが確保できる状態になる」と福田章一社長は構想を抱く。
 福田社長は節電機の開発や販売を目的として85年にウェルシィを設立した。顧客から「電気だけでなく水に関する費用を節約する方法はないか」と相談を受けたのがきっかけで水について学び、水道料金が掛からない地下水に着目。飲料水として使えるよう浄化するため、濾過に使う中空糸膜を開発し、膜濾過システムを完成させた。
 当初は「地下水を濾過して飲料化する」というコンセプトが理解されず、営業に苦労したという。しかし、厳しい水質基準を設けるとともに、専門スタッフの配置やオンライン検知システムで常に監視し異常時は自動的に公共水道に切り替わるといった安全に対する姿勢が評価を受け、実績を積み重ねてきた。
 地下水を膜濾過する技術を応用し、工業用水の飲料化システム「SADWシステム」や、携帯型の非常用浄水装置「セオエール」なども開発しことが奏功し、「最近引き合いが増えている」(福田社長)と笑みを浮かべる。02年には水質分析センターとして日本エコロジィ研究所を設立した。近接する中央研究所では膜や水質に関する新技術の開発を手がけ、水に関する課題解決に取り組んでいる。

地下水膜濾過のノウハウ生かし新展開

 同社の成長を支えたのは「人材」だ。福田社長は「『地球環境向上』という方針に共感して入社する人が増えている」と顔をほころばせる。膜開発などの技術開発経験を持つ人に関しても採用を進めてきた。
 現在は井戸掘削のノウハウや各地で取得した地下水の水位などのデータを生かし、ヒートポンプシステムの開発、販売に力を入れている。外気に比べると、地下水や地中熱は年間を通じて温度が変動しにくいいため、冷暖房として使う場合の効率が良いという。装置を試験導入した岩手県内の水耕栽培施設でデータを取得し、研究に生かしている。「ヒートポンプなどに関する知識を持った代理店を活用するなどして、本格的に広めていきたい」と福田社長は目を輝かせる。
 「これからは大企業と中小企業が競い合う面白い時代になる。自ら市場を作っていきたい」(福田社長)と意気込む。海外市場も視野に入れ、語学が堪能な人材や中国人などを積極的に採用している。ビジネス拡大のチャンスを虎視眈々(たんたん)と狙う。

ホテルニューオータニ(東京都千代田区)に納入した地下水膜濾過システム

ホテルニューオータニ(東京都千代田区)に
納入した地下水膜濾過システム

Onepoint

ユニークな経験、経営に生かす

 福田社長は中学卒業後に愛媛県新居浜市役所へ就職し、同市役所を訪れた警察官の勧めで航空自衛隊の自衛官に転身。ミサイル整備技術を習得するとともに後輩養成にも携わった。その後東京の電気店勤務を経て、ウェルシィの前身のフクダ電気工事を創業した。こうした経験を地下水膜濾過システムなどの開発や人材育成に生かしている。
 同社の雰囲気については「真面目な社員が多く風通しも良いが、厳しさが足りない」と、もどかしい様子。一方で「コストなどに関する個々の意識が変わったことが増益につながっている」と評価する。株式上場をにらみ、着々と社内体制を整えている。


掲載日:2011年6月 8日

東京都環境製造業

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