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元気印中小企業


精密板鍛造で新たなニーズ開拓 [サイベックコーポレーション]

平林巧造社長

平林巧造社長

会社名 (株)サイベックコーポレーション
代表者 平林巧造社長
業種 金属加工業
所在地 長野県塩尻市広丘郷原南原1000-15
電話 0263-51-1800

高精度で差別化

 サイベックコーポレーションは精密金型の開発・設計・製造とプレス部品の加工を手がけ、金型からプレス加工までの一貫生産を行っている。自動車部品がメーンで約9割を占め、そのほかは弱電や住宅関連部品を扱う。「板鍛造ではパイオニア」と平林巧造社長が自負するようにコア技術はCFP工法とも呼ばれる板鍛造技術だ。
 板鍛造とは冷間鍛造と板金成型を組み合わせたプレス工法で、部品材料を順に送り、プレス工程を重ね、板材から立体形状を作り上げる。従来のプレス加工では困難な、複雑形状の部品を加工できるのが特徴だ。同社では切削や金属粉を焼き固める焼結で作っている部品を板鍛造に切り替えることにより、コストダウンが図れる点を部品メーカーにアピールしている。
 低コストだけでなく、高精度が他社との差別化のポイントで、同社が作るプレス部品の精度は平均で誤差が50マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。最も精度の高いレベルでは誤差10マイクロメートルの超精密部品を製造している。部品精度を高めるには、さらに高い金型精度が必要で、同社の強みは板鍛造技術とともに高精度の金型を作る技術といえる。
 板鍛造は順送金型を使うことから、ピッチずれなどが誤差の主な原因。金型精度は誤差2マイクロメートルから1マイクロメートル以下の高精度が要求される。従って、金型製造用の工作機械は精度を特別に高めたものを使用している。「精度の高い工作機械と板鍛造に合ったオリジナルのプレス機は、高精度な金型・プレス部品を作る上で必要不可欠な要素」(同)という。
 プレス機械は大手プレスメーカー5社と共同開発した経験を持ち、量産用についてはすべてプレスメーカーと共同開発した製品を導入している。一台の機械設備を開発するために構想段階からメーカーと打ち合わせ、完成するまで1年半以上かかるケースもある。自社の技術の蓄積と機械メーカーの協力がオリジナルの設備開発を可能にしている。

顧客とともに開発

 「ビジネスはタイミング。ニーズを先読みして先行投資する」と平林社長がいうように、1990年代の後半から自動車部品の分野に参入した同社は、攻めの姿勢を基本とする提案型の企業を目指している。同社には営業というセクションがない。代わりに設計・開発・提案型の営業などをこなすバリューテクノロジー(VT)研究所がある。
 VT研究所は00年に設立、製造工場の中にあり現場に直結した研究所というユニークな体制を取る。同研究所の所員は10人で、一人ひとりがさまざまなスキルを持つ。所員は顧客の設計・開発部門に板鍛造の優れた点と、既存の製造法から板鍛造に切り替えた時のメリットを伝える。顧客とともに部品の設計段階から関わり、専用設備の開発からモノづくりをサポートする。
 「顧客にソリューションを与える」(同)。同研究所は開発案件や量産品の受注を生み出していく役割を担い、同社のビジネスモデルには欠かせない組織だ。09年には経済産業省の「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」を使い、「自分たちで商品化できるものを作る」という観点からプレス加工では困難とされていた「サイクロイド減速機」を板鍛造によって作り出した。
 経営面では今後「守り」に関しても重要視していく。「パテントや顧客に渡した図面の管理をしっかりしていきたい」(同)と考えている。重点分野は自動車で軸足は変わらない。「プレス加工は大量に作るための工法で絶対数の少ない分野がメーンとなることはない」(同)というように、燃料電池や電気自動車など次世代自動車部品の開発を進める。他分野では航空宇宙や医療、スマートグリッドに取り組んでいく考えだ。

メーカーと共同開発したプレス機が並ぶ

メーカーと共同開発したプレス機が並ぶ

Onepoint

自動車分野の実績、高い技術裏付け

 コア技術である板鍛造と金型加工技術には絶対の自信を持っており、品質要求の高い自動車分野での実績が、同社の技術の高さを裏付けている。自らの技術をアピールして開発段階から量産仕事を作り出す形は、国内でモノづくりを続けていくひとつのモデルともいえる。「経営の根底においているのは仕事を楽しむこと」という平林社長は、創業者である先代社長から2年前に会社を引き継いだ。同社の平均年齢は32才。若い力も成長を支える原動力になっている。


掲載日:2011年5月25日

製造業長野県

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