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元気印中小企業


新素材を世に送り出し続ける開発型材料メーカー [フルウチ化学]

古内明夫社長

古内明夫社長

会社名 フルウチ化学(株)
代表者 古内明夫社長
業種 新素材の製造・販売
所在地 東京都品川区南大井6-17-17
電話 03-3762-8161

顧客との共同開発で新技術を実用化

 フルウチ化学は新素材開発メーカーとして超電導材料や薄膜材料、半導体材料などを世に送り出してきた。1973年の設立から30年以上、常に新技術を開発し続ける力は『顧客との共同開発』から生まれている。現在は医療材料分野への進出や、企業の合併・買収(M&A)の推進など、事業領域を拡大する取り組みが目立っている。
 同社は材料の卸販売会社として創業し、設立数年後には独自製品の開発を始めた。当時、公害が社会問題となる中でメッキの代替技術開発に着目。表面処理に利用する薄膜材料で事業基盤を築いた。この最初の自社製品は、顧客でもある大学の研究室の協力を得て開発した。顧客が必要とする新素材を共同で開発し、いち早く実用化するビジネスモデルで成長を続けてきた。
 1986年には東京の本社と別に筑波工場(茨城県阿見町)を操業した。この直後にわき起こった高温超電導ブームの中で、超電導物質をつくるのに必要な材料をまとめた『開発キット』を発売し、社会の注目を集めた。薄膜材料や超電導材料のほか、半導体材料、光ファイバー材料、真空蒸着材料、セラミックス材料、光学材料など幅広い分野で新素材の開発と製造を進めてきている。

M&Aや新分野参入で事業領域を拡大

 同社のビジネスモデルは、顧客との共同開発による多品種少量生産という点に特徴がある。顧客は大手企業の中央研究所や大学など、基礎研究を手がける研究機関が中心となる。顧客の研究論文や保有特許を基に、フルウチ化学のノウハウを併せて新素材を実際に開発・実用化する。実用化した新素材の将来的な量産は、顧客企業や他の大手材料メーカーが行うケースが多い。フルウチ化学は開発の初期段階で開発実務を担当する。
 技術開発型のビジネスモデルであるため、営業拠点である東京都品川区の本社スタッフ10人にも技術系の社員が多い。研究開発拠点の筑波工場と合わせて40人の社員のうち、30人を技術系で占めている。各地の大学や公的な研究機関、民間企業の研究所と密接な関係を維持する。
 現在では事業領域の拡大を積極化し、2004年5月にアース製薬の酸化物結晶事業を買収したほか、大手企業の技術開発型ベンチャーに共同出資している。また、物質・材料研究機構と共同で生体親和性の高い医療用接着剤を開発、医療分野に参入する。同素材は外科手術時、縫合糸に代わって簡便・迅速に傷口をふさぐもので、生体内に存在するクエン酸誘導体を架橋剤に採用し、十分な接着力を持ちながら毒性が弱い特徴がある。『未来のばんそうこう』として実用化を目指している。

フルウチ化学の半導体材料

フルウチ化学の半導体材料

Onepoint

自社単独ブランドの開発がカギ

 フルウチ化学の技術開発力は中小企業の域を超えている。ただ、欲をいえば製品の特許は顧客企業との共同出願が多い。売り上げを伸ばすには、自社単独のブランドでのヒット製品を増やしたいところ。現在進めている新分野への参入やM&Aは、そのための具体策となっている。将来は、やはり技術開発がカギを握る。


掲載日:2011年5月24日

東京都製造業

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