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元気印中小企業


変わり続けるイノベーション、変わらぬアイデンティティー [ユーズ]

染谷ゆみ社長

染谷ゆみ社長

会社名 (株)ユーズ
代表者 染谷ゆみ社長
業種 廃食油の回収・リサイクル。VDFプラントの開発・販売
所在地 東京都墨田区八広3-39-5
電話 03-3613-1615

東京を大油田に

 株式会社ユーズは、1997年東京都墨田区八広で産声を上げた。
染谷ゆみ社長は18歳のとき、旅先のチベットで「環境破壊」に起因した土砂崩れに遭遇する。環境問題の深刻さを知った染谷社長は帰国後、墨田区で油業を50年以上続けている生家、染谷商店に入社。使用済み食用油をリサイクルすることが、循環型社会のモデルとなることに気付く。そして1993年、バイオディーセル燃料「VDF」を開発した。VDFを燃料とした車が油を回収するというエネルギー循環を完成させた。さらに、このエネルギー循環を一つのシステムとした社会構築を進めるため、27歳で株式会社ユーズを設立した。
 一年間に国内で捨てられる使用済み食用油の総量は約40万トン。そのうちの約半分は飲食店や食品関連企業から回収された後、VDFや塗料、肥料などへと再生されるのに対して、家庭から出る油の多くは、凝固剤などを使って可燃ゴミとして焼却されている。家庭から廃棄される油の回収ネットワーク・システムを構築できれば、一千万人以上が生活する東京は、膨大な「資源」が湧き出る「油田」へと変わるはず。2017年までに東京を中心に、首都圏から使用済み食用油をすべて回収する新エネルギー再生事業が07年に始動した「TOKYO油田2017プロジェクト」である。

TOKYO油田のオリジナル・コンテンツを生み出す

 TOKYO油田2017プロジェクトの中核となるのは、各地域での油のまとめ役、つまり回収ステーシンの設置である。飲食店のみならず、団地、薬局、美容室、お寺などが顧客サービスの一環として回収ステーションを設置し、各家庭からの使用済み食用油を回収することになる。これらの自主的な「回収ステーション」は、環境への気配りをきっかけに地域住民とのコミュニケーションが深まり、イメージアップや集客効果など、地域交流を活性するビジネスツールとして力を発揮している。
 また、回収した使用済み食用油から生まれた「油田せっけん」、VDFを発電動力にした「天ぷら発電」といったオリジナル商品を開発。地域一体となって回収ステーションを展開する「ご当地油田」、顧客から回収した使用済み食用油を基に算出して発行する「カーボンオフ権」など、TOKYO油田のオリジナルコンテンツは企画内容もネーミングも独自性の強いユニークなものばかりである。
 4月末に市民と民間非営利団体(NPO)主導で行われる国内最大規模のイベント、「アースデイ東京」には06年から参加している。イベントの発電をVDFで行う「天ぷら油大作戦」は5年目となり、11年には「東京油田力」と題して、「2011人から2011リットルの油を回収する」というCO2排出ゼロ発電に取り組む。「アースデイ東京」を皮切りに、6月には「100万人のキャンドルナイト」をソーシャルビジネス・ネットワーク企業各社と共催。春から秋にかけては、各大学の学園祭において「キャンパス油田」が予定されている。年間を通じて各イベントが相乗効果を生みながら、使用済み食用油の「回収ステーション」を広めていく取り組み、それが「東京油田力」である。

VDFを精製する「エステルボーイ」

VDFを精製する「エステルボーイ」

Onepoint

変わらぬ理念―油が社会の潤滑油に

 2010年に創立された、ソーシャルビジネス・ネットワークの評議員も務める染谷社長。ユーズを設立した97年当時、NPOや社会的企業などの存在は、一部の専門家の間でしか知られていなかった。近年では取材や講演の依頼も増えているが、発する内容は創業時から変わっていない。言葉、そして時代が後からついてきただけなのかもしれない。
 「油の捨て方を変えるだけで、循環型の環境社会に貢献できる」という、染谷社長の強い思いは一貫して揺らぐことはない。


掲載日:2011年5月10日

東京都環境製造業

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